矢野経済研究所 ICT・金融ユニット

レポートサマリー
2022.07.13

コーポレート・ベンチャー・キャピタル(CVC)の動向に関する調査を実施(2022年)

これからコーポレート・ベンチャー・キャピタル(CVC)を手掛けるうえで8つの必須条件を提示。本調査結果から戦略的リターンを求める際には、財務的リターンの獲得を前提条件とすべきと考える。

株式会社矢野経済研究所(代表取締役社長:水越孝)は、コーポレート・ベンチャー・キャピタル(CVC)の動向について調査し、大手事業者においてこれからCVCを手掛けるうえでの必須要件をここに提示する。

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【図表:コーポレート・ベンチャー・キャピタル(CVC)を手掛けるうえでの8つの必須要件】

【図表:コーポレート・ベンチャー・キャピタル(CVC)を手掛けるうえでの8つの必須要件】

 

コーポレート・ベンチャー・キャピタル(CVC)の概況

事業会社は大手を中心に既存事業の強化や新規事業の創出に向けて、スタートアップ企業との業務提携やM&A(合併&買収)などを手掛けるコーポレートベンチャリング活動を手掛けている。コーポレートベンチャリング活動は、業務提携を筆頭に投資を伴わない手法と投資を伴う手法に大きく区分され、本調査では、投資を伴う手法のうち、事業会社本体によるスタートアップ投資および投資子会社を通じたスタートアップ投資を「コーポレート・ベンチャー・キャピタル(CVC)活動」と定義している。なお、LP出資(ファンドへの出資を通じたスタートアップ企業への投資)については通常、LP出資者は投資の最終意思決定権を有していないため、本調査の定義から外している。

CVCの果たす役割として、スタートアップ企業が抱える課題(資金調達、チャネルの開拓、技術開発など)に対して、出資に加えて仕入・販売提携、技術提携など必要に応じた支援を行っている。そうした取組みを通じて戦略的リターン(収益)として、技術ライセンスの獲得やスタートアップ企業との協業による新たな事業の創出、スタートアップ企業間コミュニティとの人脈形成などのリターンを得ている。

矢野経済研究所では、本調査結果からこうしたCVCに関する取組みを永続的に手掛けていくうえで、表中のとおり、コーポレート・ベンチャー・キャピタル(CVC)を手掛けるうえでの8つの必須要件を抽出し、提示する。

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コーポレート・ベンチャー・キャピタル(CVC)の注目トピック

■戦略的リターンを求める際には財務的リターンの獲得を前提とすべき
コーポレート・ベンチャー・キャピタル(CVC)を手掛けるうえでのメリットとしては、先述の戦略的リターンと、財務的リターン(主に株式の売却益)に大別される。CVCの目的に応じていずれのリターンを追求してもよいと考えるものの、本調査結果から戦略的リターンを求める際には、財務的リターンが得られることを前提条件とすべきと考える。

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参考:このレポートに掲載されている主なデータ一覧

  • コーポレートベンチャリングにおける主な手法
  • CVCの分類
  • 投資家タイプ別の投資額推移(2014年~2020年)
  • 戦略的リターンの概要
  • 各手法と戦略的リターンとの関係
  • CVCを手掛けるうえで押さえるべきポイントのチェックリスト
  • 既存事業部の投資領域とCVCの投資領域とのすみ分け
  • 新たな事業創出機会の獲得を目的としたCVC、関連事業部立上げにおける狙い
  • コーポレートアクセラレータープログラムの標準フロー
  • イベント型と常時募集型の違いとメリット/デメリット
  • さまざまな企業によるアクセラレータープログラムの例
  • LP出資を活用するメリット
  • 実証フィールドの提供例
  • オープンイノベーション醸成に向けたさまざまな取組み例
  • オープンイノベーションプラットフォームサービスの例
  • アクセラレーターの4つのタイプ
  • 大・中堅企業との協業の状況
  • すでに協業している項目
  • 今後協業したい項目
  • 取材したスタートアップの見解
  • Akatsuki Ventures
  • NTTドコモ・ベンチャーズ
  • ENEOSイノベーションパートナーズ
  • オムロンベンチャーズ
  • 京浜急行電鉄
  • サニーヘルスグループ
  • 住友生命(SUMISEI INNOVATION FUND)
  • ソニーベンチャーズ
  • ダイキン工業
  • 博報堂DYベンチャーズ
  • 三菱地所
  • ゼロワンブースターグループ
  • Pegasus Tech Ventures
  • ReGACY Innovation Group
  • TOKIUM
  • 600

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調査要綱

調査対象:スタートアップ投資を手掛ける事業会社およびコーポレート・ベンチャー・キャピタル(CVC)事業者、CVC支援事業者、スタートアップ企業
調査期間:2021年12月~2022年6月
調査方法:当社専門研究員による直接面談(オンライン含む)、電話・e-mailによるヒアリング、ならびに文献調査併用

※コーポレート・ベンチャー・キャピタル(CVC)とは:本調査におけるコーポレート・ベンチャー・キャピタル(CVC)とは、事業会社のCVC部門による投資や独立したCVC子会社による投資事業をさしている。

<市場に含まれる商品・サービス>
コーポレート・ベンチャー・キャピタル

山口 泰裕(ヤマグチ ヤスヒロ) 主任研究員
ITを通じてあらゆる業界が連携してきています。こうした中、有望な業界は?競合・協業しうる企業は?参入障壁は?・・・など戦略を策定、実行に移す上でさまざまな課題が出てきます。現場を回り実態を掴み、必要な情報のご提供や戦略策定のご支援をさせて頂きたいと思います。お気軽にお声掛け頂ければと思います。

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