矢野経済研究所 ICT・金融ユニット

レポートサマリー
2020.08.27

DX(デジタルトランスフォーメーション)に関する動向調査を実施(2020年)

国内の民間企業523社の回答(平均値)は革新的な取り組み(攻めのDX)が3.37、IT刷新(守りのDX)が3.78と、どちらのDXに対しても消極的な姿勢が明らかに。

株式会社矢野経済研究所(代表取締役社長:水越孝)は、国内企業のデジタルトランスフォーメーション(DX)への取り組み状況について調査を実施し、DXに対する意識や意欲について考察した。

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【図表1:DXへ取り組む意欲~法人アンケート調査結果~】

図表1:DXへ取り組む意欲~法人アンケート調査結果~
  • 矢野経済研究所調べ
  • 調査期間:2019年7月~9月
  • 調査対象:国内の民間企業および公的機関・団体523件
  • 調査方法:郵送によるアンケート調査、単数回答、それぞれへの取り組み意欲を8段階で選択した平均値

 

【図表2:業種別 DXのポテンシャル(攻めのDX)】

図表2:業種別 DXのポテンシャル(攻めのDX)
  • 矢野経済研究所調べ
  • 注:法人アンケート調査結果や、当社専門調査員によるヒアリング調査などを基に取りまとめた

DX(デジタルトランスフォーメーション)に関する動向調査結果概要

本調査ではDX(Digital Transformation)を、革新的な製品やサービスの開発、ビジネスモデルの変革、イノベーションを実現する「革新的な取り組み(攻めのDX)」、基幹システムの刷新やテレワーク対応、既存業務効率化、業務プロセス・組織風土・企業文化を変革する「IT刷新(守りのDX)」の2つに分類し、国内の民間企業および公的機関523社・団体に対し、郵送アンケート調査を行った。

アンケートでは、革新的な取り組み(攻めのDX)への意欲とIT刷新(守りのDX)に対する意欲、それぞれについて8段階の数値(「8」が積極的、「5」が普通、「2」が消極的、初めて聞いたを「1」としている)で回答を得た。そのため、数値が大きいほど積極的であることを示している。
国内の民間企業および公的機関523社の平均値は、それぞれ革新的な取り組み(攻めのDX)が3.37、IT刷新(守りのDX)が3.78であった。どちらも「普通」を示す5を下回り、企業のDXに対しての消極的な姿勢が明らかになった。また、僅か0.41ポイントではあるが、IT刷新(守りのDX)への意欲が革新的な取り組み(攻めのDX)への意欲を上回っており、日本の平均的な企業は革新的な取り組みへの意欲が乏しく、その結果も想像通りの印象である。

なお、IT刷新(守りのDX)について初めて聞いた(「1」と答えた)比率は2.3%(12社)であったが、革新的な取り組み(攻めのDX)について初めて聞いたと回答した比率は20.5%(107社)となっており、ユーザ企業のDXに対する理解、とくに攻めのDXへの認知は不十分であった。DX関連ベンダは、DXに対する啓蒙活動の手を休めている暇はないと考える

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DX(デジタルトランスフォーメーション)に関する注目トピック

■ポテンシャルが高いサービス業
本調査で行った法人アンケート調査結果に加えて、DX関連ベンダへの調査などから業種別にDXへ取り組む意欲や意識の高さについて、考察する。

とくに革新的な取り組み(攻めのDX)への意欲や意識の高さについて、ポテンシャルが高いのはサービス業であった。
サービス業と一口に言っても、さまざまな業種の企業が混在しており、サービス業内でもDXに対する温度差はある。運輸や建設業、医療分野などでDXへの取り組む意欲が高いが、飲食業はSNSを活用したマーケティング、集客やキャッシュレス決済などに留まっていることが多い。また、不動産業はこれまで余りDXが進んでこなかった業種のひとつだが、コロナ禍で対面営業が困難であったり、内見が減少したり、さらにはテレワークに起因する事業所賃貸契約の解約や家賃減額など、環境が大きく変わり始めたことから、攻めのDXに対するポテンシャルが膨らみ始めたと推測する。

もっとも、金融業などはこれまで既にある程度、攻めのDXを進めているため、調査結果では今後の意欲が低めに出た可能性もある。また、DXの推進については、多くの業種で大手企業から中小企業への流れはあり、今のところテレワーク等の必要に迫られたところ以外のDXについては中小企業にまで降りてきているとは言い難い。そのため、業種別というひとつの物差しで全て測りきれるものではないと考える。

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参考:このレポートに掲載されている主なデータ一覧

■DX(デジタルトランスフォーメーション)市場

  • 2025年の崖
  • DX実現シナリオ
  • DX推進指標
  • DX実現に向けたドキュメント
■DXに対するユーザの意識
  • DXに対する意欲(平均)
  • DXに対する意欲(平均)(初めて聞いた)を除く
  • 業種別 売上高規模別 従業員数規模別 DXに対する意欲(平均)
  • DXの実施状況・関心
  • 業種別 DXの実施状況・関心(実施している)
  • 業種別 DXの実施状況・関心(自社とは関係ない・関係の薄い言葉である)
  • ITベンダのクラウド基盤(エクスターナル+パブリック)の利用状況推移(2015~2018年)
  • DXにより期待する効果
  • 売上高規模別 DXにより期待する効果(上位3項目)
  • 経営層が中心になった取り組み
  • DXの実施状況別 経営層が中心になった取り組み
  • 共創を促進する場の利用
  • 共創を促進する場の利用
■DXに関する業界別の動向
  • 業種別 DXのポテンシャル(攻めのDX)
  • 業種別 DXのポテンシャル(守りのDX)
  • 業種別 DXのステージ
  • 製造業
    • 株式会社アシックス
    • コクヨ株式会社
    • 株式会社小松製作所
    • 株式会社資生堂
    • 武田薬品工業株式会社
    • DMG森精機株式会社
    • トヨタ自動車株式会社
    • 日本たばこ産業株式会社
    • パナソニック株式会社
    • 株式会社バンダイナムコホールディングス
    • 三菱ケミカル株式会社
    • 三菱重工業株式会社
    • 明治ホールディングス株式会社
    • 矢崎総業株式会社
    • 株式会社LIXILグループ
  • サービス業
    • 株式会社大林組
    • 株式会社JTB
    • 大和ハウス工業株式会社
    • 東京地下鉄株式会社
    • 東京電力ホールディングス株式会社
    • 株式会社ニチイ学館
    • 株式会社博報堂
    • 株式会社ベネッセホールディングス
    • 三井倉庫ホールディングス株式会社
    • ヤマトホールディングス株式会社
  • 流通業
    • 伊藤忠商事株式会社
    • ウエルシアホールディングス株式会社
    • 株式会社セブン&アイ・ホールディングス
    • 株式会社ニトリホールディングス
    • 株式会社ビックカメラ
  • 金融業
    • オリックス株式会社
    • 東京海上ホールディングス株式会社
    • 野村證券株式会社
    • 株式会社三井住友フィナンシャルグループ
    • 株式会社ゆうちょ銀行
  • DXに関するIT業界の動向
    • エヌ・ティ・ティ・コミュニケーションズ株式会社
    • 株式会社エヌ・ティ・ティ・データ
    • KDDI株式会社
    • トレンドマイクロ株式会社
    • 日本電気株式会社
    • 株式会社野村総合研究所
    • 株式会社日立製作所
    • 富士通株式会社
    • LINE株式会社

 

■技術年表(2018~2040年)

■業種

  • 売上高規模別 業種
  • 従業員数規模別 業種
■売上高規模
  • 業種別 売上高規模
  • 従業員数規模別 売上高規模
■従業員数規模
  • 業種別 従業員数規模
  • 売上高規模別 従業員数規模
■情報システム要員数規模
  • 業種別 情報システム要員数規模
  • 売上高規模別 情報システム要員数規模
  • 従業員数規模別 情報システム要員数規模
■DXに対する取り組み意欲
■DXの実施状況・関心
  • 業種別 DXの実施状況・関心
  • 売上高規模別 DXの実施状況・関心
  • 従業員数規模別 DXの実施状況・関心
■DXに期待するもの(MA)
  • 業種別 DXに期待するもの(MA)
  • 売上高規模別 DXに期待するもの(MA)
  • 従業員数規模別 DXに期待するもの(MA)
■経営層が中心となった取り組み
  • 業種別 経営層が中心になった取り組み
  • 売上高規模別 経営層が中心になった取り組み
  • 従業員数規模別 経営層が中心になった取り組み
■共創を促進する場の利用
  • 売上高規模別 共創を促進する場の利用
  • 従業員数規模別 共創を促進する場の利用

 

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関連リンク

■レポートサマリー
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調査要綱

調査対象:国内DX関連ベンダ、民間企業および公的機関・団体等
調査期間:2020年5月~7月
調査方法:当社専門研究員による文献調査、電話・e-mailによるヒアリング調査、ならびに法人アンケート調査併用

※DX(デジタルトランスフォーメーション)とは:経済産業省の「DX推進ガイドライン」によると、DX(デジタルトランスフォーメーション)とは、IT(データとデジタル技術)を活用して競争上の優位性を確立することを示している。
本調査では、革新的な製品やサービスの開発、ビジネスモデルの変革、イノベーションを実現する「革新的な取り組み(攻めのDX)」、基幹システムの刷新やテレワーク対応、既存業務効率化、業務プロセス・組織風土・企業文化を変革する「IT刷新(守りのDX)」の2つにDXを分類し、DXを実現するためのデジタルサービス / ソリューションの動向を明らかにした。

<市場に含まれる商品・サービス>
デジタルトランスフォーメーション(DX)

小山 博子(コヤマ ヒロコ) 主任研究員
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