株式会社矢野経済研究所(代表取締役社長:水越 孝)は、中国におけるAI市場を調査し、その市場や技術分野別の動向、政府の政策、参入企業の動向、将来展望を明らかにした。
【図表:中国AI市場規模推移・予測】
機械学習や画像認識、自然言語処理、音声認識などのAI技術を利用したソフトウェアやシステムは、中国においても、2017年から2018年頃に市場は前年比150%を越える急成長となったが、2018年以降、追加関税措置など米国の対中国制裁政策の長期化等の影響もあり、成長率は鈍化傾向にある。
2019年の中国AI市場(事業者売上高ベース)は、前年比145.5%の8,000億円となった。2020年には1兆円を超えると予測するが、新型コロナウイルス感染拡大が世界経済に与える影響に加え、米国の中国制裁の更なる強化の可能性もあり、市場は中国国内の内需中心となり、伸び率は徐々に低下する見通しである。
■新型コロナウイルス感染症対策でのAI活用
中国では、新型コロナウイルス感染症対策として、検査や感染状況の把握、濃厚接触者の探索、物資の管理や流通、医療診断、情報発信などあらゆる面で、顔認識・画像認識・位置情報分析などAIやビッグデータ分析技術を活用し、非接触型の仕組みを多用した様々な対策を実施した。
大手や有力なAI企業の多くが製品やサービスを提供しており、現地の市民は生活の安心・安全を確立し感染を抑えたとして高く評価している。その実績は、実社会でのビッグデータに基づくAI活用と、それによるライフスタイルの変化を加速させることに繋がると考える。
2023年の中国AI市場(事業者売上高ベース)は、2兆2,300億円に拡大すると予測する。
他方、マイナス要因としては、世界的な経済の停滞や米中対立の激化がある。特に米国は中国企業に対する制裁を強化するなど、中国に対する警戒感を強めている。従って、当面は中国国内の内需が市場の成長を支える見通しである。
■レポートサマリー
●音声認識市場に関する調査を実施(2021年)
■アナリストオピニオン
●あなたの企業はAIを使っている?「導入率2.9%」の実態と普及に向けた課題
●画像認識技術はなにができる?AI技術のビジネスへの活用法
●ブームの最中にあるAI(人工知能) 2017年~2020年の真の実用性を考える
●音声認識で生活は変わるか?
●人工知能はビジネスをどう変える? AI社会の到来を分野別に予測
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調査対象:中国AI企業
調査期間:2020年3~5月
調査方法:当社専門研究員による直接面談、ならびに文献調査併用
※中国AI市場とは:本調査における中国AI市場とは、機械学習(ディープラーニングを含む)、画像認識、自然言語処理、機械翻訳、音声認識などAI技術を利用したソフトウェア・システムに加え、クラウド基盤(AIプラットフォーム、クラウドサービスなど)、特定業種・業務向けアプリケーション(金融、教育、コールセンターなど)を対象とした。
なお、AI搭載機器などのデバイスや自動運転車などの関連市場は含まない。
<市場に含まれる商品・サービス>
AI技術(機械学習、画像認識、自然言語処理、機械翻訳、音声認識など)を利用したソフトウェア・システム、クラウド基盤(AIプラットフォーム、クラウドサービスなど)、特定業種・業務向けアプリケーション(金融、教育、コールセンターなど)
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