株式会社矢野経済研究所(代表取締役社長:水越孝)は、国内のITアウトソーシングサービス市場を調査し、現況、領域別の動向、および将来展望を明らかにした。
2018年度の国内ITアウトソーシングサービス市場規模(事業者売上高ベース)は前年度比102.4%、4兆1,175億円の見込みである。
本調査におけるITアウトソーシングサービス市場は大きく、「データセンター関連サービス」および「オンサイト運用・保守サービス」から構成される。まず、データセンター関連サービスにおいてはクラウドの普及によりクラウドサービス提供事業者によるデータセンター利用が加速している。
次にオンサイト運用・保守サービスは、ユーザー企業がデータセンター関連サービスへのシフトを進めており、引き続き利用が減少している傾向にある。特にIT機器単価の下落による保守サービス料金の低下や仮想化技術の普及により、サーバーのみならずストレージ、ネットワークまで統合した、ハイパーコンバージドインフラ(HCI:Hyper Converged Infrastructure)製品の登場も影響し、保守対象となるICT機器の台数が減少傾向にあることが影響していると考える。
【図表:ITアウトソーシングサービス市場規模推移と予測】
■ハイパースケーラーの存在感が益々高まる
国内のデータセンター需要のけん引役として、クラウドサービスの急速な広がりがある。クラウドサービスは当初、ゲーム業界などのネットビジネス分野での利用が中心あったが、その後、スマートフォンの急激な普及などもあり、モバイルアプリケーション分野でのクラウドサービス利用が進んだ。
最近では、海外のハイパースケーラーを中心としたクラウドサービス提供事業者が日本国内にデータセンターを積極的に開設しており、大きなけん引役として存在感を益々高めつつある。また、既存のデータセンター事業者との提携も積極的に進めている。
クラウドサービスなども含めたデータセンター関連サービスの利用が増加している一方で、オンサイト運用・保守サービスの利用が減少しているものの、ITアウトソーシングサービス市場全体としては、引き続き拡大しており、今後も安定した成長を見込む。
2016年度から2021年度までの国内ITアウトソーシングサービス市場全体の年平均成長率(CAGR)は2.1%で推移し、2021年度の同市場規模(事業者売上高ベース)は4兆3,579億円に達すると予測する。
■レポートサマリー
●ITアウトソーシングサービス市場に関する調査を実施(2016年)
●ITアウトソーシングサービス市場に関する調査結果 2015
●ITアウトソーシングサービス市場に関する調査結果 2014
■同カテゴリー
●[ICT全般]カテゴリ コンテンツ一覧
●[情報サービス/ソリューション]カテゴリ コンテンツ一覧
●[コンピュータ/システム]カテゴリ コンテンツ一覧
●[エンタープライズ]カテゴリ コンテンツ一覧
●[その他]カテゴリ コンテンツ一覧
以下の 利用方法を確認する ボタン↓から詳細をご確認ください。
利用方法を確認する
調査対象:コンピューターメーカー、システムインテグレーター(SIer)、データセンター専業者等のITアウトソーシングサービス提供事業者
調査期間:2018年7月~9月
調査方法:当社専門研究員による直接面談、電話・e メールによる取材、ならびに文献調査を併用
※ITアウトソーシングサービス市場とは:IT アウトソーシングサービスとは、情報システムのハードウェアやソフトウェアの運用保守業務を代行するサービスのことを指す。本調査では、システム利用企業内にあるシステムの運用保守を代行する「オンサイト運用・保守サービス」と、データセンター内にあるシステムの運用保守を代行する「データセンター関連サービス」を対象とし、サービス提供事業者の売上高ベースで市場規模を算出した。
<市場に含まれる商品・サービス>
ユーザーの企業内にある情報システムのハードウェアやソフトウェアの運用保守業務を支援するサービス、データセンター内に設置されたシステムのハードウェアやソフトウェアの運用保守業務を支援するサービス
YanoICT(矢野経済研究所ICT・金融ユニット)は、お客様のご要望に合わせたオリジナル調査を無料でプランニングいたします。相談をご希望の方、ご興味をお持ちの方は、こちらからお問い合わせください。
YanoICTサイト全般に関するお問い合わせ、ご質問やご不明点がございましたら、こちらからお問い合わせください。