矢野経済研究所 ICT・金融ユニット

レポートサマリー
2018.01.25

カーナビ世界市場に関する調査を実施(2017年)

カーナビデバイスの多様化とともに2022年の世界市場規模は3,117万台に拡大。

「カーナビ世界市場に関する調査を実施(2017年)」 小見出し 一覧

 

市場概況 ~順調に拡大するカーナビ世界市場

2016年のカーナビ世界市場規模は2,296万1,000台で、前年比110.3%と順調に拡大した。世界のカーナビ市場は、自動車販売台 数の拡大に合わせて伸長している。自動車の魅力向上に、音楽・映像配信などのインフォテインメント(情報・娯楽)システムの 果たす役割が大きくなっており、その代表的な存在がカーナビである。自動車に対する消費者の評価において、今後ますますカー ナビを含むインフォテイメントシステムの重要性が高まっていくものと考える。

【図表:カーナビゲーション/PND/DA世界市場推移と予測】

【図表:カーナビゲーション/PND/DA世界市場推移と予測】
  • 矢野経済研究所推計
  • 注:搭載台数ベース。
  • 注:2017年は見込み、2018年以降は予測値。
  • 注:通信機能のないHDD、SD、DVDナビ、eコクピットを含む。
  • 注:eコクピットとは、センターディスプレイ、クラスタディスプレイ、ヘッドアップディスプレイ(HUD)等を統合した車載HMI(Human Machine Interface)システムである。
  • 注:DA(ディスプレイオーディオ)とはナビゲーション機能をもたない「ディスプレイ+AV機能」デバイスである。オプションのリアビューカメラを装着すれば駐車支援システムにもなる。またスマートフォンと連携させれば、スマートフォン上のアプリケーション(音楽配信、ナビゲーション、電話、メッセージング、SNSなど)をDAのモニタ上で表示できる。

▲小見出し一覧に戻る

 

注目すべき動向 ~多様化するカーナビデバイス

カーナビは先進国では自動車メーカー(OEM)による純正化や、eコクピット※1への統合が中心となっていくと同時に、スマートフォンとの連携の在り方が自動車のヘッドユニット(センターディスプレイやインスツルメントパネル領域)の方向性を左右するものとみる。 高級車にはeコクピット、中・小型車にはDIN型カーナビ、主にアジアで展開されている大衆車や米国のKT法※2遵守にはディスプレイオーディオ(DA)※3、新興国ではスマートフォンナビとPND(ポータブルナビゲーションデバイス)といった棲み分けが進む一方で、カーナビやDAによるスマートフォン連携も進んでおり、各国のスマートフォン普及率や政府による大衆車政策などの市場環境等によってカーナビの使われ方が変わる可能性もある。 また、スマートフォンの普及率が高まるにつれ、スマートフォン用ナビゲーションアプリがPNDの市場のある程度を代替しつつある。こうしたなか、車載機とスマートフォンとの連携機能の最適バランスが模索されている。


※1 eコクピットとは、センターディスプレイ、クラスタディスプレイ、ヘッドアップディスプレイ(HUD)等を統合した車載HMI(Human Machine Interface)システムである。 参考資料:「eコクピット世界市場に関する調査を実施(2016年)」(2017年1月23日発表)
※2. 米国では駐車場などで自動車が後退する際の子供を含む歩行者の事故防止のため、後退時の後方確認として、すべての新型車に1台以上のリアカメラとその映像を見るためのモニタ(DAやバックミラーモニター)の搭載を義務付ける法、KT(Kids Transportation Safety Act)法があり、2018年に完全施行が予定されている。
※3. DA(ディスプレイオーディオ)とはナビゲーション機能をもたない「ディスプレイ+AV機能」デバイスである。

▲小見出し一覧に戻る

 

将来予測 ~2022年には3,117万台に拡大

2022年のカーナビ世界市場規模は、3,117万台に拡大すると予測する。小型車への浸透に加え、高級車では純正化やeコクピットへの統合が進展するものとみる。一方で、カーナビの代替候補であるPNDは、スマートフォンナビに浸食されて大きく縮小する見通しであるが、スマートフォンの普及拡大は、カーナビとDAのスマートフォン連携といった新たな需要分野としても成長が期待できる。 また、カーナビの価格低下傾向は、世界的に見られ、参入企業間の競争により厳しさを増している。ただしeコクピットのような走行系連携のハイエンドシステムは主に高級車に搭載され、先進国を中心に成長していくと予想する。 その他の新興国では、各国のモータリゼーションに伴い、カーナビも成長するが、ディスプレイオーディオ(DA)とスマートフォンナビや、スマートフォンの単体利用が多くを占めるものになるとみられ、さほど急激な伸びにはならないとみる。また、アジア圏のカーオーディオナビゲーション(AVN)はDA+ナビカードのタイプが多くなるものと考える。 スマートフォンナビは、ある程度のカーナビ需要を侵食すると思われるが、欧米ではカーナビ市場はまだ伸び続けていることもあり、カーナビ普及の阻害要因にはならないものと考える。ただし前述したように、DINカーナビのままではなく、スマートフォンと車載機との連携やeコクピットのような情報通信・表示システムに進化した上で市場が動いていく可能性が高い。 今後の車載情報端末はeコクピット、カーナビ、PND、DA、スマートフォンナビといった複数の種類の各々の製品が、各国の文化や言語、生活環境といった市場環境や特性を反映しつつ、地域別需要に適合しながら、共存していくものとみる。

▲小見出し一覧に戻る

 

参考:このレポートに掲載されている主なデータ一覧

1.総論 ―自動車市場推移と車載情報通信端末の多様化―

  • 世界自動車生産/販売の推移とカーナビ市場への影響
  • 世界の主要国別自動車販売台数推移(2015~2022年、千台)
  • 四輪自動車生産台数推移(国内)
  • 四輪自動車販売台数推移(国内)
  • 四輪自動車輸出台数推移(日本)
  • 世界のカーナビ市場規模推移(2011~2022年,台数,日・欧・米・中・インド・ブラジル)
  • 世界PND市場規模推移予測 (2013~2022年度,台数)
  • PNDの米国メーカシェア(2016年、台数ベース)
  • PNDの欧州メーカシェア(2016年、台数ベース)
  • スマホナビと車載機連携システム、PND、カーナビの位置精度比較
  • スマホ連携の状況
  • スマホナビと車載機連携システムの可能性
  • 国内の車種グレード別/車載機搭載予測(2020年時点)」
  • 次世代車載情報端末の品目分類
  • eコクピットの概念図
  • DIN型カーナビ
  • 車載機の将来像予測
  • PNDの例
  • ディスプレイオーディオ(DA)の概念図
  • 主なスマートフォン向けカーナビアプリ(日本国内)
  • 主な自動車メーカ(ブランド)によるインフォテイメント(2017/7時点)
  • 自動車ブランド別のAndroid Auto, CarPlay対応車種数(2017/7時点)
  • カーナビ・PND・DAの市場規模推移と予測

第2章 カーナビ/PND/DA/車載機の 世界市場

  • 日本における乗用車のカーナビ/PND/DA搭載実数・比率
  • カーナビの台数ベース市場規模推移 2015年度/2016年度(国内)
  • カーナビの台数ベース市場規模推移 2016年度/2017年度(国内)
  • カーナビゲーション市場規模/メーカシェア(国内2015年度、台数)
  • カーナビゲーション市場規模/メーカシェア(国内2016年度、台数)
  • チャネル別市場規模/メーカシェア(国内2015年度、台数)
  • チャネル別市場規模/メーカシェア(国内2016年度、台数)
  • 2015年度 国内カーナビ市場メーカシェア
  • 2015年度 国内市販カーナビ市場メーカシェア
  • 2015年度 国内DOP・MOPカーナビ市場メーカシェア
  • 2016年度 国内カーナビ市場メーカシェア
  • 2016年度 国内市販カーナビ市場メーカシェア
  • 2016年度 国内DOPカーナビ市場メーカシェア
  • 2016年度 国内MOPカーナビ市場メーカシェア
  • 国内カーナビメーカの主な動向(純正市場)
  • 国内カーナビメーカの主な動向(市販市場)
  • 2016年度 国内PNDメーカシェア(台数ベース、推定値)
  • PNDの国内市場規模推移予測 2013~2022年度(台数)
  • 米国における自動車のカーナビ/PND/DA/バックミラーモニタ搭載実績・比率
  • 西欧における自動車のカーナビ/PND/DA搭載実績・比率
  • 中国における自動車のカーナビ/PND/DA搭載実績・比率
  • タイにおける自動車のカーナビ/PND/DA搭載実績・比率
  • インドネシアにおける自動車のカーナビ/PND/DA搭載実績・比率
  • マレーシアにおける自動車のカーナビ/PND/DA搭載実績・比率
  • インドにおける自動車のカーナビ/PND/DA搭載実績・比率

  

第3章 車載用情報通信システム (カーナビ以外)の品目別市場実態と将来予測

  • 国内VICS搭載端末(カーナビ・PND)市場(2015~2017年度)
  • ETC→DSRCシステム/サービスの変化
  • DSRCシステムの概念図
  • ETC車載機市場推移予測 2010~2017年度
  • EU加盟国のeCall導入の国別現状 (2016年4月時)
  • 欧米の主要OEMが提供する緊急通報システム(TPS eCall)
  • AutoNet 2030の概要
  • AutoNet 2030で想定するユースケース
  • 拡張CAM(協調認識メッセージ)の詳細
  • C2C-CCのV2X用途(アプリケーション)別ロードマップ
  • C2C-CCのV2X技術要素別ロードマップ
  • 自動運転レベル別メッセージ
  • Vehicle Automationプログラムの構成
  • Basic Safety Message(基本的安全関連メッセージ)の内容
  • V2X通信規格
  • 主要国・地域別カーオーディオ需要推移予測(2013~2020年)
  • カーオーディオ世界市場需要推移(2013~2020年)
  • カーオーディオ日本市場需要推移(2013~2020年)
  • カーオーディオ中国市場需要推移(2013~2020年)
  • カーオーディオ米国市場需要推移(2013~2020年)
  • カーオーディオ西欧市場需要推移(2013~2020年)
  • カーオーディオブラジル市場需要推移(2013~2020年)
  • カーオーディオロシア市場需要推移(2013~2020年)
  • カーオーディオインド市場需要推移(2013~2020年)
  • 準天頂衛星によって常時可視となる衛星数(仰角20度以上)
  • 準天頂衛星の8の字軌道
  • 準天頂衛星の効果-GPS補完機能
  • 衛星測位の利用分野とユーザ規模-GPS補強機能
  • 準天頂衛星システムの利用による新たに見込まれるサービス

…ほか

▲小見出し一覧に戻る

 

関連リンク

■レポートサマリー
eコクピット世界市場に関する調査を実施(2016年)

■アナリストオピニオン
「あなたは見られている!」 ドライバモニタリングの裏側で密かに進む自動運転時代のビジネスモデル

■同カテゴリー
[ICT全般]カテゴリ コンテンツ一覧
[情報サービス/ソリューション]カテゴリ コンテンツ一覧
[通信/放送/ネットワーク]カテゴリ コンテンツ一覧
[アプライアンス(専用端末)]カテゴリ コンテンツ一覧

▲小見出し一覧に戻る


調査要綱

調査対象:カーナビゲーション、DA(ディスプレイオーディオ)メーカー、自動車メーカー(OEM)、一次 部品メーカー(Tier1)等
調査期間:2017年8月~12月
調査方法:当社専門研究員による直接面談、電話・e-mailによるヒアリング、ならびに文献調査併用

※カーナビとは:本調査におけるカーナビは主に乗用車向けであり、自動車メーカー(OEM)が工場で装着 するメーカーオプション(MOP)、ディーラーで装着されるディーラーオプション(DOP)、カー用品店等で購入される市販品をさ す。また、自動車のインスツルメントパネルやセンターディスプレイに一体して組み込まれるeコクピットを含む。 なおeコクピットとはセンターディスプレイ、クラスタディスプレイ、ヘッドアップディスプレイ(HUD)等を統合した車載HMI (Human Machine Interface)システムである。

関連マーケットレポート
古舘 渉(フルダテ ワタル) 主任研究員
新規事業コンサルティング部門、上海現地法人、海外部門を歴任し、新規市場開拓のお手伝いには自信があります。

YanoICT(矢野経済研究所ICT・金融ユニット)は、お客様のご要望に合わせたオリジナル調査を無料でプランニングいたします。相談をご希望の方、ご興味をお持ちの方は、こちらからお問い合わせください。

YanoICTサイト全般に関するお問い合わせ、ご質問やご不明点がございましたら、こちらからお問い合わせください。

東京カスタマーセンター

03-5371-6901
03-5371-6970

大阪カスタマーセンター

06-6266-1382
06-6266-1422