矢野経済研究所 ICT・金融ユニット

アナリストオピニオン
2022.01.14

生産現場へのIoT導入で、製造業の業態変換が急速に進む!

製造現場でIoTを基にしたサービス提供モデルが進展

近年、製造現場/工場において、ビジネスモデルの変革が起きている。一例として、機器販売モデル(売切りモデル)からサポートや維持・管理なども含めたサービス提供モデル(従量課金モデル、一括保守契約など)へのシフトが始まっている。
サービス提供モデル化する製造業の業界イメージを整理すると、以下のようになる。

【図表:サービス提供モデル化する製造業イメージ】

【図表:サービス提供モデル化する製造業イメージ】

矢野経済研究所作成

製造現場でIoTが期待される背景

  • 製造現場での自動化や省人化では、PLCに代表される制御が主体であった。しかし各種デジタル技術の進展に伴い、無線型のデータロガーや遠隔監視/モニタリングシステム、タブレットなどを活用したモノづくり現場向けソリューションが登場。特に、2015年頃に話題となった「インダストリー4.0」や「インダストリアルインターネット」への注目が、製造現場でのIoT活用への契機となった。
  • 近年では、センサーを始めとした各種デバイスの低廉化/高機能化、ネットワーク技術の進展、クラウド/IoTプラットフォームの普及、AIを始めとしたデータ解析技術の進展があり、技術面/外部環境面での追い風も強まった。
  • 製造現場では、技術者・技能者/エンジニアの高齢化、後継者問題なども追い風となり、現場の自動化・省人化を後押し。外部環境面では、働き方改革/ワークスタイル変革の流れが、現場作業の効率化、自動化志向を後押しし、さらにコロナ禍により「リモート/遠隔志向」といった特需が現出したことで、製造現場では否応なくIoT活用を求められるようになった。
  • 国内の大規模新設工場の7~8割がデジタル工場化していると言われる。さらに工場新設時や増設時、ライン変更時などでは、次世代仕様/IoTネットワークを織り込んだデジタル工場的な仕様を目指す動きも増えている。
  • 工場IoT化の動きは、まだ一般化はしていないものの、2025年を展望すると大きな流れになる。

【図表:製造現場でIT/IoTが注目される背景】

【図表:製造現場でIT/IoTが注目される背景】

矢野経済研究所作成

工場IoT化によるイノベーションイメージ

日本でも、コネクテッドカーに代表される「つながること/つながる社会」が注目される。このコンセプトは、デジタル工場(つながる工場)として、製造/工場においても浸透が始まっている。
これらの環境変化、特に製造現場でのIoT活用の結果、そこで新たなイノベーションが創出され、製造業でのビジネスモデルに変化が起きている。その変化のイメージ(イノベーションイメージ)を、「IoT×製造」視点で具視化すると以下の通りになる。
この変化(製造現場へのIoT導入)は、製造業の業態変革を引き起こすトリガーとなり、中・長期的には日本の製造業をサービス業化する原動力になると考える。

【「IoT×製造」で実現する効果】

①省電力/エネルギー消費の効率化
②機器・設備の稼働データ収集とデータ分析による生産ラインや生産工程の最適化
③機器・設備の稼働データ収集とデータ分析による保全業務の高度化
④現場作業及び作業者の支援(フィールドワーク支援ソリューション)
⑤高度な自動化・省人化の実現
⑥工場内外のサプライチェーンの高度化
⑦自社製品の‘つながる化’による価値向上
⑧高度な品質保証の実現

 

【図表:「IoT×製造」によるイノベーション】

【図表:「IoT×製造」によるイノベーション】

矢野経済研究所作成

 

※本稿は、弊社資料「IoT活用でサービス化する製造現場/製造業の実態調査 ~BtoB向けモノづくり現場でのサービス提供モデルの可能性~」から抜粋。

早川泰弘

関連リンク

■レポートサマリー
工場デジタル化市場に関する調査を実施(2021年)

■アナリストオピニオン
IoT関連ビジネスへの参入では、成果を可視化しやすい領域へのアプローチを目指せ
産業向けIoTの本命は「製造」or「運輸・物流」or「自動車」?
人手不足が深刻化する中で、ITテクノロジーは回答を出せるのか?
2018年はIoT元年になるか?
注目されるIoT社会実現までの道筋

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早川 泰弘(ハヤカワ ヤスヒロ) 主任研究員
産業調査/マーケティング業務は、「机上ではなく、現場を回ることで本当のニーズ、本当の情報、本当の回答」が見つかるとの信念のもと、関係者各位との緊密な関係構築に努めていきます。日々勉強と研鑽を積みながら、IT業界の発展に資する情報発信を目指していきます。

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