矢野経済研究所 ICT・金融ユニット

アナリストオピニオン
2009.08.24

「WEBサイト展開企業の集客実態」再考

矢野経済研究所では2009年2~3月、WEBサイト展開企業に対して集客・販促戦略に関するアンケート調査を実施した。この調査結果については、2009年5月12日発表のレポートサマリ「WEBサイトの集客・販促戦略に関する調査」ですでに一度ご紹介したが、本編では改めて、この調査結果のポイントについて解説していきたい。

データで見る「WEBサイトの集客戦略の実態」

ECサイトを中心としたWEBサイト展開企業の集客実態は、以下の通りとなっている。 「アフィリエイト」が最も多く、82社中64社が実施している。これに、「SEO」と「自然なクチコミを発生させるため、商品力やサービスレベルの向上に努める」がそれぞれ58社、「リスティング広告」が55社と続いた。
また、大半のWEBサイト展開企業は上記集客方法も含め複数の集客・販促手法を組み合わせて利用しており、「アフィリエイト」や「SEM」を主軸に、さまざまななWEBサイトへの集客手法が併用されている状況が明らかとなった。

 

【図表】WEBサイト展開企業における「新規顧客獲得の集客方法」
【図表】WEBサイト展開企業における「新規顧客獲得の集客方法」

矢野経済研究所調べ
n=82,複数回答

WEBサイトはどんな販促戦略を採っているか

WEBサイト(とくにECサイト)運営にあたり、WEBサイトへの集客と並んで重要となるのが、コンバージョン率向上のための販促戦略である。WEBサイト展開企業の販促戦略実態は以下の通りとなっている。

  • コンバージョン率向上のための方策
    「商品提案(関連商品の提示など)」「他店舗との差別化(サービスレベルの向上などにより)」「商品自体の良さの訴求(クチコミ、サンプル視聴など)」「機会損失の軽減(品揃えの増強、入荷お知らせメールなど)」が上位。「他店舗との差別化(サービスレベルの向上などにより)」がトップ
  • 「商品の探しやすさの提案」の有効策
    「商品の性質を軸としたカテゴライズ(素材、色、価格など)」「ランディングページから商品までの経路の最短化を図る」が同率トップ
  • 「商品自体の良さの訴求」のための有効策
    「クチコミ、レビューの設置」がトップ。
  • 「商品提案」の有効策
    「(他のユーザーの購入履歴からの)レコメンドの提示」「関連商材の提示」が上位。
  • 「他店舗との差別化」を図るための有効策
    「商品内容の充実(サイトオリジナル商品の提供など)」「サービスレベルの向上(決済方法の多さ、配送の速さなど)」が上位。
  • 客単価向上のための方策
    「【まとめ買い誘引】まとめ買いによるインセンティブの提供(~円以上送料無料、割引、ポイント付与など)」がトップ。
  • ユーザーとのリテンションを図るための方策
    「メルマガ配信(クーポンメールなど含む)」がトップ。
  • 価格競争に対する有効な課題解決方法
    「サービスの質を向上させ他店舗との差別化を図る(配送日程の短縮など)」がトップ。
  • 機会損失軽減のための有効策
    「商品の探しやすさの提供(サイト内検索、ナビゲーションなど)」がトップ。
  • サイト運営に関する有効な課題解決方法
    「社内の組織上の体制を見直し、社内で運営業務の効率化を図る」がトップ。

WEBサイトの集客・販促戦略の今後

WEBサイト展開企業が今後注力したい新規顧客獲得のための方策は、「リスティング広告への出稿」「SEOの実施」「アフィリエイト」が上位。「リスティング広告への出稿」がトップとなっている。

今後も「SEM」や「アフィリエイト」を中心とした集客方法を、引き続き採用することが予測される。ただ、同じ広告を多数の企業が利用する事は、その広告への依存が高くなり、WEBサイトにとって問題となる可能性が高い。このため、広告に依存しない方策が戦略的に採用されよう。
広告に依存しない集客手法として、「ユーザーに(自社のサイト名やブランド名で)自発的に検索してもらう手法」が指向され、「間接的な集約方法」が重要となろう。

「ユーザーに自発的に検索してもらう手法」には、1)サービスレベルの向上などにより、ブログやリアルの場で自然発生的なクチコミを発生させる手法と、2)マスメディアなどを使い、「取扱商材=サイト名(ブランド名)」をユーザーに定着させる手法などがある。
このような「ユーザーに自発的に検索してもらう手法」が実現すれば、集客を広告に依存する必要がないため、リスティング広告は補完的に利用するといった集客方法が一般化すると予測される。

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西川 徹(ニシカワ トオル) 専門研究員
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