矢野経済研究所 ICT・金融ユニット

レポートサマリー
2022.09.22

メタバースの国内市場動向調査を実施(2022年)

国内メタバース市場は法人向けが先行。まずビジネス用途のサービス市場が普及し、以降消費者向け市場に浸透していく。

株式会社矢野経済研究所(代表取締役社長:水越孝)は、国内のメタバース市場を調査し、市場概況、メタバース事業者の動向を明らかにした

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【図表:メタバースの国内市場規模予測】

【図表:メタバースの国内市場規模予測】
  • 矢野経済研究所調べ
  • 注:事業者売上高ベース
  • 注:市場規模はメタバースプラットフォーム、プラットフォーム以外(コンテンツ、インフラ等)、XR(VR/AR/MR)機器の合算値、なお、XR(VR/AR/MR)機器のみ、販売価格ベースで算出している、
  • 注:2022年度見込値、2023年度以降予測値

 

メタバース国内市場の概況

メタバース(Metaverse)の言語的由来は、「超越した」を意味する"メタ(Meta)"と「宇宙」を意味する"ユニバース(Universe)"の合成語で、現在、明確に定義されたものはないが、本調査においては、仮想と現実を融合したインターネット上に構築された3次元の仮想空間で、ユーザー同士が自分のアバターを操作して交流したり、様々なサービスやコンテンツが利用できる環境をメタバースと定義する。なお、本調査においてはゲーム専業のサービスを対象外とする。

2021年度の国内メタバース市場規模(メタバースプラットフォーム、プラットフォーム以外(コンテンツ、インフラ等)、XR(VR/AR/MR)機器の合算値)は744億円と推計、2022年度は前年度比245.2%の1,825億円まで大きく成長するものと見込む。

新型コロナウイルスの影響を受け、バーチャル(仮想空間)で代替するサービス、例えば、社内会議をはじめ、法人向けのバーチャル展示会やオンラインセミナー等に対する需要が急増した。一方で、コロナ禍が継続するなかで、リアル(現実)で実施すべきものと、費用対効果という観点から、オンラインでも可能であるものとのすみ分けが明確化しつつあることから、バーチャル関連サービスの需要は今後も継続するものとみる。

こうしたなか、国内メタバース市場は法人向けが先行して立ち上がり、まずビジネス用途のサービスが普及し、以降消費者向け市場に浸透していくと予測する。2020年から2022年にかけて様々なメタバースプラットフォームが立ち上がり、大手企業もメタバース市場に次々と参入し、事業者間の協業や業務提携などにより様々な実証実験を行いながら、今後の事業化を目指している。

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メタバース国内市場の注目トピック

■メタバースのビジネスモデルと主要プレイヤー
メタバースを活用したビジネスは、メタバースプラットフォームを中心に様々なコンテンツが提供されている。メタバースプラットフォームは大きくBtoB/BtoBtoCとBtoCモデルに分類することができるが、現状、国内の主要プラットフォームは前者が多いものとみられる。また、消費者向けに対しては収益化していないプラットフォーマー(プラットフォーム運営事業者)が現時点では多いとみる。

メタバース市場の主要プレイヤーはプラットフォーマーとサービスやコンテンツ提供事業者となるが、プラットフォーマーはサービスやコンテンツ提供事業者に対して、仮想空間を提供し、毎月のシステム利用料(サブスクリプションモデル)、開発費用(要望に応じてカスタム開発)、コンテンツの販売や物販を行った場合の手数料などで収益化している。

しかし、現下、黎明期であることから、プラットフォーマーがサービスやコンテンツを開発して提供するケースやインフラ(開発環境)提供事業者がサービスを提供するケース、企画立案から一気通貫でサービスを提供する事業者など様々であり、各事業者はビジネスモデルを多角化しながら対応しているとみられる。

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メタバース国内市場の将来展望

今後、メタバース事業に参入する企業が増え、仮想空間を利用したオンラインイベント(展示会やセミナー等)やシミュレーション、教育・トレーニング、インターネット通販での接客やショッピング体験など、様々な産業分野において活用が拡大し、さらにハードウェアと技術の進展により消費者向け市場にも広く普及するとみられることから、2026年度には市場規模が1兆円を超えるものと予測する。

メタバースの普及には、バーチャル(仮想)とリアル(現実)をシームレスに連携する技術やサービスも重要になってくるものと考える。

XR(VR/AR/MR)機器を用いて入る世界を本質的なメタバースとみる事業者もいるが、現状のハードウェアと技術では制約が多い。今後、このような技術の進展がどう進むかによって、メタバース市場の成長速度も変わる可能性があり、ハードウェアと技術の進展はメタバース市場成長の重要な要因になる。

参入事業者は、まずはPCやスマートフォンを中心にサービス提供を行うものとみており、ユーザー(消費者)が日常的に利用可能なサービスから普及するとみているが、将来的にはXR機器の技術的進化、バリエーションの増加、普及台数の拡大とともに、消費者向けが大きく成長し、メタバース国内市場全体も拡大するものと考える。

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参考:このレポートに掲載されている主なデータ一覧

  • 「second Life(セカンドライフ)」の概要
  • メタバースの市場可能性に注目が集まった背景
  • Metaメタバース関連実績
  • NVIDIA売上推移
  • メタバースプラットフォームのビジネス構造とステークホルダー
  • ステークホルダーの定義
  • 主要メタバースプラットフォーム一覧
  • メタバース関連団体
  • メタバースの国内市場規模予測

■イベント

  • 「バーチャル新卒採用EXPO2022」メタバース上で採用イベント(日本)
  • 「XR Kaigi 2021」メタバース技術「めちゃバース」を活用したバーチャル会場(日本)
  • 「Blockeley 2020 Commencement in Minecraft」UCバークレー大学Minecraft上でのバーチャル卒業式(米国)
  • 「MAILLEFER PRODUCT MARKETING PROJECT」メタバース上で新製品展示会(スイス)
■仮想オフィス
  • 「Virbela(バーベラ)」 世界中から社員が仮想オフィスに"出社"(日本)
  • 「花動タウン」メタバースプラットフォーム「ARK」で制作した花動伝媒社の仮想オフィス(中国)
  • 「Metapolis」、「Soma(グローバル版)」不動産プラットフォームzigbangの仮想オフィスプラットフォーム(韓国)
■トレーニング・訓練
  • 「ひなんじょクラフト」マイクラHUGワークショップ‘防災×ゲーム’(日本)
  • 「アバター de 防災訓練」NTTのVR空間プラットフォーム「DOOR」を活用した足立区の防災訓練プロジェクト(日本)
  • 「home360room」メタバースで土木技術のリモート研修(日本、ザンビア共和国)
  • 「VTB-X」メタバースによる警察官の安全な訓練(韓国)
■教育
  • 「VR School」を活用した近畿大学のメタバース授業(日本)
  • 「Smart Tutor」VR・AIを活用した英会話練習ソリューション(日本)
■EC/ショッピング
  • 「REV WORLDS」スマートフォン向け仮想都市空間プラットフォームで仮想伊勢丹新宿店をオープン(日本)
  • 「バーチャル大丸・松坂屋ブラウザ会場」ECサイトへの誘導および3D食品モデルの販売(日本)
  • 「Forever 21 Shop City」ROBLOX上でアバター向けファッションを販売(米国)
  • 「MiraiLab」×「LiveCall」メタバースECとオンライン接客サービスが連携(日本)
  • 「そらのうえショッピングモール」キャラクターショップが集まるメタバース・ショッピングモール(日本)
■マーケティングツール
  • 「My House/ZEPETO」Samsungの「空間装飾体験」メタバースサービス(韓国)
  • 「NISSAN CROSSING」、「NISSAN SAKURA Driving Island」日産自動車のメタバースギャラリー、仮想試乗ワールド(日本
■医療
  • 「順天堂バーチャルホスピタル」メタバース上の仮想病院(研究段階)(日本)
  • 「HIKALY」VR遠隔心理カウンセリング・プラットフォーム(日本)
  • 「Healthcare simulation training」メタバースプラットフォーム「Glue Platform」を使用した医療従事者向けマルチユーザー教育訓練システム(フィンランド)
■観光
  • 「Virtual AKIBA World」世界初のメタバース・ステーション(日本)
  • 移動車中でのメタバース観光事前体験/「フォートナイト」を活用した実証実験(日本)
■その他(共同作業、障がい者就労支援)
  • 「BMWのデジタルツイン工場」NVIDIA Omniverceを使った仮想工場計画ツール(ドイツ)
  • メタバースプラットフォーム「GAIA TOWN」を活用した障がい者就労支援(日本)

 

  • 主要メタバース事業者の市場参入の経緯一覧
  • 主要メタバース事業者のサービス概要一覧
  • 主要メタバース事業者のビジネスモデル/料金体系一覧
  • 主要メタバース事業者の事業戦略/サービスの特徴・強み一覧
  • 主要メタバース事業者の業績動向一覧
  • 主要メタバース事業者の顧客動向一覧
  • 主要メタバース事業者の業務提携の状況一覧
  • 主要メタバース事業者の事業拡大のための取組み一覧
  • 主要メタバース事業者の課題と市場の課題一覧
  • 主要メタバース事業者の考える市場の見通し一覧
  • XRの定義
  • 国内XR(VR/AR/MR)市場規模推移/予測
  • Fungible TokenとNFTの違い
  • 国内におけるNFTマーケットプレイス運営事業者
  • 主たるゲームソフト会社による取り組み有無
  • ブロックチェーンの定義
  • ブロックチェーン技術を活用したサービス
  • ブロックチェーンを活用したサービス市場規模推移
  • ブロックチェーンを活用したサービス市場規模予測
  • NTTグループ(XR World、DOOR)
  • oVice株式会社(oVice)
  • 株式会社ガイアリンク(Virbela)
  • クラスター株式会社(cluster)
  • KDDI株式会社(バーチャルシティ/都市連動型メタバース)
  • 株式会社Psychic VR Lab(STYLY)
  • 株式会社Synamon(メタバース総合プラットフォーム)
  • 株式会社ハシラス(めちゃバース)
  • 株式会社HIKKY(Vket Cloud)
  • 株式会社メタバーズ(CYZY SPACE)
  • 株式会社理経

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関連リンク

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XR(VR/AR/MR)360°動画対応HMD市場に関する調査を実施(2021年)

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調査要綱

調査対象:メタバース関連の技術やサービスを提供する国内事業者
調査期間:2022年4月~7月
調査方法:当社専門研究員による直接面接取材(オンライン含む)、一部アンケート調査、ならびに文献調査併用

※メタバースとは:メタバース(Metaverse)の言語的由来は、「超越した」を意味する"メタ(Meta)"と「宇宙」を意味する"ユニバース(Universe)"の合成語で、現在、明確に定義されたものはないが、以下のような特徴をもつ前提で認識されることが多い。

  • 現実世界と同様に時間が途切れることなく永続性を持つ。
  • ユーザーは自分の分身となるアバターを通じて仮想空間内で活動する。
  • 複数のユーザーが同時に参加し、リアルタイムで交流することができる。
  • VR機器だけではなくPC、スマートフォンなどからもアクセスが可能。
  • 仮想空間内でユーザーは社会的、文化的、経済的生活を送ることが可能。

<本調査におけるメタバースの定義>
​本調査におけるメタバースとは、仮想と現実を融合したインターネット上に構築された3次元の仮想空間で、ユーザー同士が自分のアバターを操作して交流したり、様々なサービスやコンテンツが利用できる環境をメタバースと定義する。なお、本調査においてはゲーム専業のサービスを対象外とする。市場規模はメタバースプラットフォーム、プラットフォーム以外(コンテンツ、インフラ等)、XR(VR/AR/MR)機器を合算し、事業者売上高ベースで算出しているが、XR(VR/AR/MR)機器のみ、販売価格ベースで算出している。

<市場に含まれる商品・サービス>
メタバースを活用した各種サービス

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業界の皆様の新たなアイディアを整理し、方向性を提示することもリサーチャーの役割と思います。 常に市場変化を敏感に観察しながら、業界の皆様に価値のあるデータが提供できるよう精進して参ります。

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