矢野経済研究所 ICT・金融ユニット

レポートサマリー
2022.07.21

ERP市場動向に関する調査を実施(2022年)

2021年のERPパッケージライセンス市場は1,278億円と2桁成長。コロナ禍の停滞を脱し成長軌道に。2022年は電子帳簿保存法やインボイス制度への対応に関心が高まる。

株式会社矢野経済研究所(代表取締役社長:水越孝)は、国内のERPパッケージライセンス市場を調査し、参入企業・ユーザ企業の動向、将来展望を明らかにした。

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【図表:ERPパッケージライセンス市場規模推移・予測】

【図表:ERPパッケージライセンス市場規模推移・予測】
  • 矢野経済研究所調べ
  • 注:ERPパッケージベンダーのライセンス売上高(クラウドのサブスクリプション売上高含む)を、エンドユーザー渡し価格ベースで算出した。
  • 注:2022年以降は予測値。

 

ERP市場の概況

2021年のERPパッケージライセンス市場は、エンドユーザ渡し価格ベースで1,278億円、前年比10.1%増となった。2020年は新型コロナウイルス感染拡大を要因とする、ユーザ企業の業績悪化懸念などから案件の先送りが発生したため前年比1.4%増とほぼ横ばいだったが、2021年は一転して2桁成長となった。
2021年はコロナ禍によるマイナス影響が小さくなったことに加え、先送りされた案件の多くが順当にスタートし、2020年の先送り分が追加需要として上乗せされたことも市場を押し上げた。ERPパッケージライセンス市場は一時的な停滞を脱し、成長軌道に戻ったと考える。また、コロナ禍によって企業活動のデジタル化が進んだことから、クラウドでERPを利用する企業も着実に増加している。

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ERP市場の注目トピック

■2022年は電子帳簿保存法やインボイス制度への対応に関心が高まる
2022年は電子帳簿保存法やインボイス制度といった法制度対応への注目度が高い。電子帳簿保存法は2022年1月の改正で要件が緩和されたとともに、電子取引における電子保存の義務化に2023年12月末まで2年間の猶予が認められることとなった。また、2023年10月にはインボイス制度の施行を控えており、ERPパッケージベンダーは猶予期間中にインボイス制度を含めた法制度対応の支援を進める考えである。
なお、ERPパッケージでの法制度対応の機能変更は、保守サポートの範囲で無償または安価に提供されることがほとんどであり、それをきっかけにERPパッケージライセンス市場で特需が起きることはない。しかし、ユーザ企業側の制度変更への関心は高いため、セミナーやキャンペーンのテーマに掲げ集客を図るなど、市場の活性化が期待されている。

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ERP市場の将来展望

2022年のERPパッケージ市場は前年比5.2%増の1,345億円になると予測する。
2021年には前年に先送りされた案件が上乗せされるという特需的な要因があったのと比べると伸び率は下がるが、老朽化したレガシーシステムのリプレイス、DXの一環としての経営基盤強化といったニーズが市場の成長を支える。コロナ禍で加速したクラウド化(クラウドでのERP利用)はERP導入における継続的なトレンドとなり、クラウドへのシフトはいっそう進展する見通しである。システム基盤にIaaSやPaaSを利用する形態が中心だが、SaaSの利用も拡大すると見込まれる。

なお、成長を鈍化させる要因となりうるのは、ウクライナ情勢の影響による資源価格の高騰や物価上昇、急速に進む円安などによる外部環境の悪化である。しかし、ユーザ企業では、経営環境の変化に対応するための手段としてERPに投資する前向きな姿勢が強まっており、景気後退が起きたとしても、ERPへの投資凍結や大幅な予算削減に直結することはない見通しである。

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参考:このレポートに掲載されている主なデータ一覧

  • ERPパッケージライセンス売上高推移(エンドユーザ渡し価格ベース)
  • 景気動向指数
  • 日銀短観  
  • 法人景気予測調査 貴社の景況
  • 脱炭素化に向けた取組の状況
  • ERPパッケージのクラウド売上高の推移
  • 2021年 全体市場におけるライセンス売上高シェア(エンドユーザ渡し価格ベース)
  • 2021年 大手企業向け(年商500億円以上)ライセンス売上高シェア(エンドユーザ渡し価格ベース)
  • 2021年 中堅中小企業向け(年商500億円未満)ライセンス売上高シェア(エンドユーザ渡し価格ベース)
  • ERPパッケージ売上高 業種別比率(エンドユーザ渡し価格ベース)
  • 業種別ERPライセンス売上高の推移(エンドユーザ渡し価格ベース)
  • ERP市場の業務モジュール別比率(エンドユーザ渡し価格ベース)
  • 業務ソリューション別ERPライセンス売上高の推移(エンドユーザ渡し価格ベース)
  • ERP市場の企業規模別比率(エンドユーザ渡し価格ベース)
  • ユーザ企業の年商規模別ERPライセンス売上高推移(エンドユーザ渡し価格ベース) 5 ERP 市場における注目動向
  • クラウドの区分と定義
  • ERPパッケージのクラウド売上高の推移(エンドユーザ渡し価格ベース)
  • 2021年 クラウド全体(IaaS・PaaSとSaaSを含む)の売上高シェア(エンドユーザ渡し価格ベース)
  • 2021年 クラウド(SaaSのみ)の売上高シェア(エンドユーザ渡し価格ベース)
  • クラウド利用のパターン
  • 企業規模によるクラウド利用形態の傾向
  • 外資系ベンダーのクラウドへの取組
  • 国内ベンダーのクラウドへの取組
  • サステナビリティに関するコーポレートガバナンス・コードの改定内容
  • TCFDとは
  • 脱炭素化に向けた取組の状況
  • 気候変動リスクへの対応に関する情報開示の動向
  • オラクルによるサステナビリティの支援ソリューション
  • ITベンダーのサステナビリティ・脱炭素支援ソリューションの取組み
  • 電子帳簿保存法
  • 働き方改革法の施行日
  • ERPパッケージのエンドユーザ渡し価格によるライセンス売上高推移(2017年~2024年予測)
  • ERPパッケージのベンダー出荷価格によるライセンス売上高推移(2017年~2024年予測)
  • ERPのベンダー出荷価格による総売上高推移(2017年~2024年予測)
  • ユーザ企業の年商規模別ERPライセンス売上高推移(2017年~2022年予測)
  • 大手企業/SMBにおけるERPライセンス売上高推移(2017年~2022年予測)
  • 業務ソリューション(モジュール)別ERPライセンス売上高推移(2020年~2022年予測)
  • 業種別ERPライセンス売上高推移(2020年~2022年予測)
  • ERPパッケージのクラウド売上高推移(2020年~2023年予測)
  • 総市場におけるERPライセンス売上高シェア(エンドユーザ渡し価格ベース)
  • 総市場におけるERPライセンス売上高シェア(ベンダー出荷価格ベース)
  • 大手企業向け(年商500億円以上)ERPライセンス売上高シェア
  • 大手企業向け(年商1,000億円以上)ERPライセンス売上高シェア
  • 中堅・中小企業向け(年商500億円未満)ERPライセンス売上高シェア
  • 中堅・中小企業向け(年商100億円未満)ERPライセンス売上高シェア
  • 中堅・中小企業向け(年商50億円未満)ERPライセンス売上高シェア
  • 財務会計管理ソリューション(モジュール)のライセンス売上高シェア
  • 人事給与管理ソリューション(モジュール)のライセンス売上高シェア
  • 販売・在庫管理ソリューション(モジュール)のライセンス売上高シェア
  • 生産・物流管理ソリューション(モジュール)のライセンス売上高シェア
  • 年商50億円未満の企業向け財務会計管理ソリューションのライセンス売上高シェア
  • 年商50億円未満の企業向け人事給与管理ソリューションのライセンス売上高シェア
  • 年商50億円未満の企業向け販売・在庫管理ソリューションのライセンス売上高シェア
  • 年商50億円未満の企業向け生産・物流管理ソリューションのライセンス売上高シェア
  • 年商100億円未満の企業向け財務会計管理ソリューションのライセンス売上高シェア
  • 年商100億円未満の企業向け人事給与管理ソリューションのライセンス売上高シェア
  • 年商100億円未満の企業向け販売・在庫管理ソリューションのライセンス売上高シェア
  • 年商100億円未満の企業向け生産・物流管理ソリューションのライセンス売上高シェア
  • 年商100-500億円未満の企業向け財務会計管理ソリューションのライセンス売上高シェア
  • 年商100-500億円未満の企業向け人事給与管理ソリューションのライセンス売上高シェア
  • 年商100-500億円未満の企業向け販売・在庫管理ソリューションのライセンス売上高シェア
  • 年商100-500億円未満の企業向け生産・物流管理ソリューションのライセンス売上高シェア
  • 中堅・中小企業(年商500億円未満)向け財務会計管理ソリューションのライセンス売上高シェア
  • 中堅・中小企業(年商500億円未満)向け人事給与管理ソリューションのライセンス売上高シェア
  • 中堅・中小企業(年商500億円未満)向け販売・在庫管理ソリューションのライセンス売上高シェア
  • 中堅・中小企業(年商500億円未満)向け生産・物流管理ソリューションのライセンス売上高シェア
  • 年商500-1,000億円未満の企業向け財務会計管理ソリューションのライセンス売上高シェア
  • 年商500-1,000億円未満の企業向け人事給与管理ソリューションのライセンス売上高シェア
  • 年商500-1,000億円未満の企業向け販売・在庫管理ソリューションのライセンス売上高シェア
  • 年商500-1,000億円未満の企業向け生産・物流管理ソリューションのライセンス売上高シェア
  • 年商1,000億円以上の企業向け財務会計管理ソリューションのライセンス売上高シェア
  • 年商1,000億円以上の企業向け人事給与管理ソリューションのライセンス売上高シェア
  • 年商1,000億円以上の企業向け販売・在庫管理ソリューションのライセンス売上高シェア
  • 年商1,000億円以上の企業向け生産・物流管理ソリューションのライセンス売上高シェア
  • 大手企業(年商500億円以上)向け財務会計管理ソリューションのライセンス売上高シェア
  • 大手企業(年商500億円以上)向け人事給与管理ソリューションのライセンス売上高シェア
  • 大手企業(年商500億円以上)向け販売・在庫管理ソリューションのライセンス売上高シェア
  • 大手企業(年商500億円以上)向け生産・物流管理ソリューションのライセンス売上高シェア
  • 加工組立製造業向けライセンス売上高シェア
  • プロセス製造業向けERPライセンス売上高シェア
  • 流通業向けERPライセンス売上高シェア
  • サービス業向けERPライセンス売上高シェア
  • クラウド全体(IaaS・PaaS+SaaS)売上高シェア
  • クラウド(SaaSのみ)売上高シェア
  • IFSジャパン株式会社
  • インフォアジャパン株式会社
  • 株式会社内田洋行
  • SAPジャパン株式会社
  • SCSK株式会社
  • 株式会社NTTデータ ビズインテグラル
  • 株式会社OSK
  • 株式会社オービック
  • 株式会社オービックビジネスコンサルタント
  • GRANDIT株式会社
  • 株式会社クレオ
  • スーパーストリーム株式会社
  • 日本オラクル株式会社
  • 日本電気株式会社(EXPLANNER)
  • 日本電気株式会社(FlexProcess)
  • 日本マイクロソフト株式会社
  • ビジネスエンジニアリング株式会社
  • 株式会社日立システムズ/株式会社日立ソリューションズ
  • 富士通株式会社/富士通Japan株式会社
  • 株式会社ミロク情報サービス
  • ワークスアプリケーションズ
  • 株式会社Works Human Intelligence
  • IFSジャパン株式会社
  • インフォアジャパン株式会社
  • 株式会社内田洋行
  • SAPジャパン株式会社
  • SCSK株式会社
  • 株式会社NTTデータ ビズインテグラル
  • 株式会社OSK
  • 株式会社オービック
  • 株式会社オービックビジネスコンサルタント
  • GRANDIT株式会社
  • 株式会社クレオ
  • スーパーストリーム株式会社
  • 日本オラクル株式会社(Oracle Fusion Cloud ERP)
  • 日本オラクル株式会社(Oracle NetSuite)
  • 日本電気株式会社(EXPLANNER)
  • 日本電気株式会社(FlexProcess)
  • 日本マイクロソフト株式会社
  • ビジネスエンジニアリング株式会社(mcframe)
  • ビジネスエンジニアリング株式会社(mcframeGA)
  • 株式会社日立システムズ/株式会社日立ソリューションズ
  • 富士通株式会社/富士通Japan株式会社(GLOVIA iZ/GLOVIA きらら/GLOVIA smart)
  • 富士通株式会社/富士通Japan株式会社(GLOVIA SUMMIT)
  • 株式会社ミロク情報サービス(MJSLINK)
  • 株式会社ミロク情報サービス(Galileopt)
  • 株式会社ワークスアプリケーションズ
  • 株式会社Works Human Intelligence
  • ワークデイ株式会社

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調査要綱

調査対象:ERPパッケージベンダー
調査期間:2022年4月~6月
調査方法:当社専門研究員による直接面談(オンライン含む)、ならびに文献調査併用

※ERPパッケージライセンス市場とは:ERP(Enterprise Resource Planning)パッケージとは、財務会計、人事給与、販売管理、生産管理などの基幹業務データを統合する情報システムを構築するための基幹業務管理パッケージソフトウェアを指す。
本調査におけるERPパッケージライセンス市場は、ERPパッケージベンダーのライセンス売上高(クラウドのサブスクリプション売上高を含む)をエンドユーザ渡し価格ベースで算出した。なお、コンサルティング・SI等、保守サポートなどの関連売上高は含まない。

<市場に含まれる商品・サービス>
ERPパッケージ

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小林 明子(コバヤシ アキコ) 主席研究員
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