矢野経済研究所 ICT・金融ユニット

レポートサマリー
2022.05.12

XR(VR/AR/MR)360°動画対応HMD市場に関する調査を実施(2021年)

AR、MR向けスマートグラスは2022年に新製品が登場し2023年に本格的な普及が始まる見込。また、VR向けHMDの本格的な普及も2023年以降と予測。2022年は市場拡大に向けた準備段階の年に。

株式会社矢野経済研究所(代表取締役社長:水越孝)は、国内外のXR(VR/AR/MR)及び360°動画市場を調査し、地域別世界市場、HMD(ヘッドマウントディスプレイ)製品出荷状況などXR・360°動画市場の将来展望を明らかにした。ここでは、XR(VR/AR/MR)・360°動画対応のHMDの国内出荷台数予測を公表する。

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【図表:XR(VR/AR/MR)・360°動画対応のHMD機器国内出荷台数予測】

【図表:XR(VR/AR/MR)・360°動画対応のHMD機器国内出荷台数予測】
  • 矢野経済研究所調べ
  • 注:メーカー出荷台数ベース
  • 注:2022年は見込値、2023年以降は予測値

【図表:カテゴリ別 HMD機器国内出荷台数予測】

【図表:カテゴリ別 HMD機器国内出荷台数予測】
  • 矢野経済研究所調べ
  • 注:メーカー出荷台数ベース
  • 注:2022年は見込値、2023年以降は予測値

 

XR(VR/AR/MR)360°動画対応HMD市場の概況

HMD(ヘッドマウントディスプレイ)を使用したVR(Virtual Reality:仮想現実)は市民権を得て普及段階に入りつつある。VRはゲームや動画視聴などのコンシューマ用途に加え、コロナ禍に於いて人の移動や集団行動に制約がある現在、教育・研修分野や販売分野等で有用性が認められ、企業向けの導入が急拡大している。
一方、AR(Augmented Reality;拡張現実)はARスマートグラスへの関心は高いものの、ディスプレイ画質・視野角やバッテリー、コスト等の問題に起因して製品化がなかなか進まない。用途としても建築・建設現場や物流等、企業向けが主体である。MR(Mixed Reality;複合現実)は対応する製品が少ない事に加え、コスト高なため企業向けの用途が主体となっているが、自動車メーカーで大々的に導入された事例もある。 現在HMD市場はVR向けが大半を占めており、2021年のXR(VR/AR/MR)・360°動画対応のHMD機器の国内出荷台数は72万台であった。

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XR(VR/AR/MR)360°動画対応HMD市場の注目トピック

■HMD(ヘッドマウントディスプレイ)製品カテゴリ別動向
2021年のXR(VR/AR/MR)・360°動画対応のHMD国内出荷台数をカテゴリ別にみると、スタンドアローン(自己完結)型が28万5,000台、ゲームコンソールが25万2,000台を占める。
2018年に発売された(米)Oculus(現Meta)「Oculus Go(オキュラスゴー) 」以降、HMD市場はスタンドアローン型が中心となって普及してきた。 ゲームコンソールについては、SONY「PlayStationVR」が唯一の製品であり、現行モデル「PlayStation5」に対応した「PlayStationVR2」に大きな期待が集まっている。2021年は有力製品の新型機が導入されず、国内市場は盛り上がりに欠けたが、米国市場では「Meta Quest2」がVRゲーム、動画配信サービス利用者向けに爆発的人気となり、市場は急拡大した。

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XR(VR/AR/MR)360°動画対応HMD市場の将来展望

5G(第5世代移動体通信サービス)は2022年度に入りミリ波への対応が開始され、環境面での整備が加速し始め、総務省も導入スケジュールの前倒しを表明した。一方、XRへの波及はエリアカバー率が上昇し、スマートシティの運用が本格化し始める2024年以降になる見通しである。

VR向けHMDは現在有力なリードデバイス(製品)が不足しており、本格的な普及は既存製品の世代交代が予定されている2023年以降になると予測する。AR、MR向けスマートグラスについては、2022年に幾つかの新製品が市場に登場し2023年には本格的な普及が始まる見込みである。
XR向けアプリケーション・コンテンツは、2021年に続いて企業の教育・研修分野、コンシューマ向けではVRゲーム、動画配信を中心に市場拡大が続き、また今後はメタバース(仮想空間)関連の動きについても注目が集まる見通しである。2022年のXR(VR/AR/MR)・360°動画対応のHMD国内出荷台数は前年比微減の70万8,000台を見込み、2023年の同出荷台数は同161.3%の114万2,000台と予測する。

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参考:このレポートに掲載されている主なデータ一覧

  • XR(VR/AR/MR/SR)の定義
  • VR・AR・MR市場これまでの流れ
  • VRが注目される背景
  • 主なVRヘッドセット(HMD)の製品カテゴリ
  • VRビジネス参入企業一覧
  • VR市場参入企業 アプリケーション・コンテンツ
  • VR市場参入企業 ゲーム
  • VR市場参入企業 アプリケーションプラットフォーム開発・受託
  • VR市場参入企業 ハードウェア
  • VR市場参入企業 開発デバイス
  • VR市場参入企業 プラットフォーム
  • VR対応ヘッドマウントディスプレイ(ARスマートグラス含む)メーカー別出荷台数実績/予測
  • 2021年 VR対応ヘッドマウントディスプレイ(ARスマートグラフ含む)メーカー別出荷台数
  • 360°カメラによる撮影動作
  • 360°カメラ製品カテゴリ
  • 360°カメラ撮影における課題
  • スマートグラス製品一覧
  • スマートウォッチ・スマートグラスの比較

■VRプラットフォーム概要

  • Meta「Quest2」
  • HTC 「Vive Focus」
  • HTC 「Vive FLOW」
  • SONY「PlayStationVR」
  • Microsoft「Microsoft HoloLens2」
  • Lenovo「MirageSolo」
  • PiMAX「Pimax8K/ 8K X/8K Plus」「Pimax Artisan」
  • Pico「G2 4K」「Pico neo3/neo3Proeye」
  • Nreal Air
  • MagicLaep[MagicLeap1」
  • OPPO「AirGlass」
  • XRプラットフォーム動向
  • ARスマートグラス開発動向
■VR対応コンテンツ開発動向
  • 概要
    • 医療・ヘルスケア
    • 企業研修、企業案内
    • 災害訓練・防災教育
    • 設計・プロダクトデザイン
    • 作業支援
    • サービス業での活用
    • シミュレーション
    • 遠隔コミュニケーション
  • XRコンテンツ制作会社
    • 積木製作
    • ジョリーグッド
    • ネストビジュアル
    • VR PARTNERS
    • セカンドサイド
    • Kadinche(カディンチェ)
    • カヤック(面白法人カヤック)
    • HASHILUS
    • サイバネットシステム
    • ソリッドレイ研究所
    • ナーブ
    • リコー
■主なXRコンテンツ制作 市場規模(売上高)実績/予測
■学校教育におけるVR導入ロードマップ

 

  • The VR Fund「VR Industry Landscape」
  • digi-Capital「VR/AR LEADERS」
  • 経済産業省「日本産業分類」
  • XRカテゴリ別世界規模実績/予測
  • XRゲーム世界市場規模実績/予測
  • コンテンツ世界市場規模実績/予測
  • テーマパーク世界市場規模実績/予測
  • 位置情報・旅行世界市場規模実績/予測
  • 産業分野 市場規模実績/予測
  • HMD 世界市場規模実績/予測
  • XR機器世界市場規模実績/予測
  • XRゲーム(全体)地域別市場規模実績/予測
  • HMD(スマートフォン含)ゲーム地域別市場規模実績/予測
  • XR ゲームコンソール地域別市場規模実績/予測
  • XR PC(オンラインゲーム)地域別市場規模実績/予測
  • XRコンテンツ 地域別市場規模実績/予測
  • 劇場・テーマパーク 地域別市場規模実績/予測
  • XR 位置情報・旅行地域別市場規模実績/予測
  • XR産業分野 地域別市場規模実績/予測
    • 日本市場
    • アジア・オセアニア市場
    • 欧州(西欧・中東欧)市場
    • 北米市場
    • 中南米市場
    • 中近東市場
    • アフリカ市場
  • XR 市場規模実績/予測
  • XR サービスカテゴリ別 市場規模2019年実績/2020年・2021年・2025年予測
  • XR ゲーム市場規模実績/予測
  • XR コンテンツ市場規模実績/予測
  • XR 劇場・テーマパーク市場規模実績/予測
  • XR 位置情報・旅行市場規模実績/予測
  • XR 産業分野市場規模実績/予測
  • VR向けHMD機器市場規模実績/予測
  • XR機器市場規模実績/予測
  • HMD 日本市場カテゴリ別出荷台数実績/予測
  • フルスペック機 日本市場出荷台数実績/予測
  • スマートフォン装着型 日本市場出荷台数実績/予測
  • ゲームコンソール日本市場出荷台数実績/予測
  • スタンドアローン型 日本市場出荷台数実績/予測
  • その他(ARグラス含)日本市場出荷台数実績/予測
  • 360°カメラ 日本市場出荷台数実績/予測
  • HMD 製品カテゴリ別出荷台数実績/予測
  • HMDメーカー別出荷台数実績・予測
  • HMD 地域別出荷台数実績/予測
  • 製品カテゴリ別出荷台数実績/予測
    • アジア・オセアニア市場
    • 欧州(西欧・中東欧)市場
    • 北米市場
    • 中南米市場
    • 中近東市場
    • アフリカ市場
  • フルスペック機 メーカー別出荷台数実績/予測
  • フルスペック機 地域別出荷台数実績/予測
    • アジア・オセアニア市場
    • 欧州(西欧・中東欧)市場
    • 北米市場
    • 中南米市場
    • 中近東市場
    • アフリカ市場
  • スマートフォン装着型 メーカー別出荷台数実績/予測
  • スマートフォン装着型 地域別出荷台数実績/予測
    • アジア・オセアニア市場
    • 欧州(西欧・中東欧)市場
    • 北米市場
    • 中南米市場
    • 中近東市場
    • アフリカ市場
  • ゲームコンソール メーカー別出荷台数実績/予測
  • ゲームコンソール 地域別出荷台数実績/予測
    • アジア・オセアニア市場
    • 欧州(西欧・中東欧)市場
    • 北米市場
    • 中南米市場
    • 中近東市場
    • アフリカ市場
  • スタンドアローン型 メーカー別出荷台数実績/予測
  • スタンドアローン型 地域別出荷台数実績/予測
    • アジア・オセアニア市場
    • 欧州(西欧・中東欧)市場
    • 北米市場
    • 中南米市場
    • 中近東市場
    • アフリカ市場
  • その他「ARグラス含む」 メーカー別出荷台数実績/予測
  • その他「ARグラス含む」 地域別出荷台数実績/予測
    • アジア・オセアニア市場
    • 欧州(西欧・中東欧)市場
    • 北米市場
    • 中南米市場
    • 中近東市場
    • アフリカ市場
  • 360°カメラ メーカー別出荷台数実績/予測
  • 360°カメラ 地域別出荷台数実績/予測
    • アジア・オセアニア市場
    • 欧州(西欧・中東欧)市場
    • 北米市場
    • 中南米市場
    • 中近東市場
    • アフリカ市場
  • Meta(Oculus)
  • HTC
  • Lenovo
  • SONY
  • Microsoft
  • VUZIX
  • Pico
  • Nreal
  • OPPO
  • Xiaomi
  • Apple

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関連リンク

■レポートサマリー
XR(VR/AR/MR)360°動画対応HMD市場に関する調査を実施(2020年)

■アナリストオピニオン
スマートグラスは普及するか?

■同カテゴリー
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調査要綱

調査対象:国内外HMDメーカー、XRコンテンツ開発企業、半導体メーカー、ODM/EMS、アミューズメント企業等
調査期間:2021年10月~2022年2月
調査方法:当社専門研究員による直接面談(オンライン含む)、メールによる調査、ならびに文献調査併用

※XR・360°動画市場とは:本調査におけるXR・360°動画市場とは、VR(Virtual Reality;仮想現実)やAR(Augmented Reality;拡張現実)、MR(Mixed Reality;複合現実)、360°動画(視聴者が操作すると360°全方位を見渡せる動画)のハードウェア、ソフトウェア、関連サービスを対象とした。
VRは、「人間の感覚器官に働きかけ、現実のように感じられる環境を人工的に作り出す技術の総称」とされ、頭部に装着するヘッドマウントディスプレイ(HMD)で3次元空間内に利用者の身体を投影し、ヴァーチャル空間への没入感を発生させる。VR空間内では視聴者自身は移動や行動が可能で、視聴者同士の対話性・双方向性も備えており、情報伝達はディスプレイ・スピーカー、ヘッドフォンを用いた視聴覚に加え、体や手へ振動・触覚・圧迫感を伝達する仕組みが実用化されている。VRは「人工的に生成した空間」で運用されるが、「現実の光景や音声」を組み合わせて運用する「テレイグジステンス」(telexistence)・「テレプレゼンス」(telepresence)技術によって運用するAR(Augmented Reality)、MR(Mixed Reality)が存在する。ARでは透過型デバイス(スマートグラス)を使用し、現実世界に投影するのに対し、MRではHMDを使用し投影する対象物に対し、背景は現実世界の映像を使用する。

<市場に含まれる商品・サービス>
VR、AR、MR、360°動画、HMD(ヘッドマウントディスプレイ)、スマートグラス、360°カメラ

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新興国が先進国に取って替わり世界経済を牽引している現在、市場が成熟化するスピードも早くなっています。そのような状況下でお客様にとって本当に価値ある情報を最適なタイミングでご提供出来る様、常に心掛けております。

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