レポートサマリー
2022.04.21
IoT/M2M(機器間通信)市場に関する調査を実施(2022年)
2020年度の国内M2M市場は微増で推移。IoT型遠隔監視は製造/工場向けで大手メーカーから普及が始まり、2030年以降にはほぼすべての製造機器・設備のIoT化が実現すると予測。
株式会社矢野経済研究所(代表取締役社長:水越孝)は、国内外のM2M市場を調査し、市場規模、セグメント別の動向、参入企業動向、注目技術動向、将来展望を明らかにした。
【図表:国内M2M市場規模推移・予測】
矢野経済研究所調べ
注:事業者売上高ベース
注:2021年度は見込値、2022年度以降は予測値
注:M2Mを実現するためのネットワーク(ネットワーク機器、通信モジュール、センサー/デバイス、プラットフォーム(クラウド)、システム(アプリケーション、ミドルウェアなど)等を対象とした。
本調査では、人が介在せずに、主に携帯電話 / PHS通信規格に準じた通信モジュールを内蔵した機器・デバイス間で情報のやり取りをするM2M(Machine to Machine:機器間通信)を対象とし、ネットワークを用いたシステム構築やプラットフォームの利用などの動向を調べている。
2020年度の国内M2M市場規模(事業者売上高ベース)は2,130億円で、前年度比1.4%増と微増推移であった。同年度では通年を通してコロナ禍の逆風があり、人手不足や遠隔/リモート志向の高まりといった追い風はあったものの、厳しいビジネス環境であった。
2021年度においても、依然としてコロナ禍における新規受注の低迷や、LTE対応通信モジュール需要の一巡もあって、前年対比2.8%増に止まる2,190億円を見込む。
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■製造/工場向けIoT型遠隔監視システム
製造/工場では、既にIoT型遠隔監視が普及しているエネルギー設備などのファシリティに加えて、‘大型・高額な生産機器・設備’での普及も始まっている。また工場の新設時、及び既存設備の更新時などには、次世代仕様(IoT機能)を組み込んだ機器・設備を導入する動きも顕在化している。 さらにここ数年は、製造業でのビジネスモデルの変革(従来型の機器販売/モノ売りだけではなく、サービス販売/コト売りタイプのビジネスモデル)が起こりつつあり、そこにIoT型遠隔監視システムを組み込む流れもある。
時間軸で見ると、2025年頃までは売上規模3,000億円以上の大手メーカーが主導する。そして2025年以降では、売上規模500~3,000億円の中堅・準大手メーカーへの浸透が見込まれる。大手メーカーでの成功を前提として、 2030年以降にはほぼ全ての製造機器・設備のIoT化が実現すると予測し、その結果中堅・中小メーカーを含めたほぼ全ての製造業で、IoT型遠隔監視システムの活用が可能になると考える。
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2022年度以降では、withコロナが定着してM2M志向も戻ってくることや、5G対応モジュールの登場による新たな需要喚起(5G型M2Mソリューションの登場)も期待される。さらに大手通信キャリアが法人向けIoT/M2M志向を強めていることや、総務省がMVNOへの参入促進による競争環境と新たなサービス創出を狙っていることも奏功要因になってくる。そのため2025年度に向けてのM2Mマーケットは、伸長率的にはやや鈍化するものの、基本的には拡大基調が継続すると考える。
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第Ⅰ章 総論編
■IoT/M2Mマーケット概況
IoT/M2Mの差異点
レイヤー別の主なプレイヤー
市場分析での基準
モバイル5G/ローカル5Gの差異・特徴
従来型IoTから5G型IoTへの流れ
ローカル5Gの分野別の適用見通し
社会インフラ向けITソリューションが期待される背景
社会インフラ向けITソリューション市場規模推移(2019~2025年度予測)
社会インフラ向けIT市場における社会インフラ向けITソリューション比率
集中監視システムの仕組み
集中監視システムのメリット
■M2M市場規模
国内M2M市場規模推移(M2M売上ベース:2017~2025年度予測)
国内M2M市場規模推移(累計M2M回線数ベース:2017~2025年度予測)
世界M2M市場規模推移(M2M関連売上ベース2017~2025年度予測)
世界M2M市場規模推移(累計M2M回線数ベース:2017年~2025年度予測)
■M2M市場の内訳
国内M2M市場の内訳(2020年度)
世界M2M市場の内訳(2020年度)
海外の有力M2M/ IoT関連プラットフォーム事業動向
■分野別の国内M2M市場動向及び市場規模推移(2017~2025年度)
カテゴリー別のM2M市場規模推移(国内累計回線数)
カテゴリー別の構成比推移(%)
■IoT市場動向
国内 IoT市場規模推移(IoT売上ベース:2018~2025年度予測)
国内 IoT市場の内訳(2020年度)
IoTが生み出す価値イメージ
IoTビジネスに影響する社会&技術動向
IoTタイプとローカル5Gの関連
ローカル5Gの普及見通し(製造/工場)
ローカル5Gの普及見通し(農林水産/畜産)
ローカル5G市場規模推移(2020~2030年度予測)
工場/製造現場でIT/IoTが注目される背景
製造業向けシステム投資額推移(2020~2025年度予測)
■製造/工場向けIoT型遠隔監視システムについての考察
遠隔監視システムの対比
工場における設備保全の変遷
工場設備別でのIoT型遠隔監視システムニーズ評価
保守・メンテナンスの実施状況(MA)
保守・メンテナンスでの課金状況
保守・メンテナンスでの収益構造
遠隔保守サービスの提供状況
遠隔保守サービスで提供したい機能
工場/製造でのIoT型遠隔監視システムの普及見通し
■有力ベンダーのM2M/IoTビジネス動向
IoT/M2M事業の位置づけ
IoT/M2Mビジネスの展開状況
IoT/M2Mビジネスでのターゲット
IoT/M2Mビジネスでの事業目標
有力海外事業者のビジネス動向
■分野別のM2M/IoT活用事例
製造関連でのM2M/IoT活用事例
運輸/物流・倉庫関連でのM2M/IoT活用事例
建設・不動産・建物関連でのM2M/IoT活用事例
流通/サービス/イベント関連でのM2M/IoT活用事例
見守り・セキュリティ/安全・安心/防犯関連でのM2M/IoT活用事例
農業・畜産関連でのM2M/IoT活用事例
社会インフラ関連でのM2M/IoT活用事例
ヘルスケア/医療関連でのM2M/IoT活用事例
第Ⅱ章 各論編 ~カテゴリー別の動向~
■エネルギー関連
エネルギー関連でのM2M市場規模推移(2017~2025年度予測)
各省庁主導による各種都市マネジメント、大規模エリア開発構想一覧
電力各社のスマートメーター導入計画(低圧=家庭用)
エネルギー関連での注目分野・施設・需要先の潜在性一覧
■流通/運輸・物流関連
運輸/物流関連でのM2M市場規模推移(2017~2025年度予測)
宅配便等取扱個数の推移
大手CVSでのセルフレジの導入状況
流通/運輸・物流関連での注目分野・施設・需要先の潜在性一覧
流通関連での高度な画像解析の活用
■設備・機器監視
市場規模推移(国内累計M2M回線数ベース)
設備・機器監視関連でのM2M市場規模推移(2017~2025年度予測)
製造/工場でのM2M/IoT活用の見通し
■自動車関連
自動車関連でのM2M市場規模推移(2017~2025年度予測)
自動車運転のレベル別内容
自動車関連でのM2M/IoTアプリケーション
■その他分野
その他分野関連でのM2M市場規模推移(2017~2025年度予測) (2)分野別の動向
厳しい作業環境のある現場事例
建設後50年以上経過する社会資本
国土交通省での防災ITの関連する内訳状況
「国土強靭化予算」での防災ITの関連する内訳状況
インフラ対象/インフラ構造物の定量データ
第Ⅲ章 企業個票編
■国内企業
(株)GUGEN(グゲン)
(株)NTTドコモ
(株)インターネットイニシアティブ
(株)ウフル
沖電気工業(株)
(株)京セラコミュニケーションシステム
(株)ソラコム
東芝デジタルソリューションズ(株)
日本電気(株)
日本ユニシス(株)/ユニアデックス(株)
パナソニック ソリューションテクノロジー(株)
(株)日立製作所
富士通(株)
■海外企業
Cisco(米国)
Digi International(米国)
Ericsson(スウェーデン)
IBM(米国)
Microsoft Corporation(米国)
PTC(Parametric Technology Corporation:米国)
Telefonica,S.A.(スペイン)
Telenorグループ(ノルウェー)
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■レポートサマリー
●IoT/M2M(機器間通信)市場に関する調査を実施(2020年)
●IoT/M2M(機器間通信)市場に関する調査を実施(2019年)
■アナリストオピニオン
●生産現場へのIoT導入で、製造業の業態変換が急速に進む!
●IoT関連ビジネスへの参入では、成果を可視化しやすい領域へのアプローチを目指せ
●産業向けIoTの本命は「製造」or「運輸・物流」or「自動車」?
●2018年はIoT元年になるか?
●注目されるIoT社会実現までの道筋
●将来的にM2Mの社会インフラ化が進む
■同カテゴリー
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セグメント別の動向
設備・機器監視関連
エネルギー関連
流通/運輸・物流関連
注目トピックの追加情報
LPガスでの遠隔モニタリング(集中監視システム)
5G型IoT(モバイル5G型IoT/ローカル5G型IoT)
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調査要綱
調査対象: 通信キャリア / MVNO、ITベンダー、SIer(システムインテグレーター)、プラットフォームベンダーなど
調査期間: 2021年11月~2022年3月
調査方法: 当社専門研究員による直接面談(オンライン含む)、電話・メールによるヒアリング調査併用
※M2M市場とは: M2M(Machine to Machine:機器間通信)とは、人が介在せずに、主に携帯電話 / PHS通信規格に準じた通信モジュールを内蔵した機器・デバイス間で情報のやり取りをする仕組みを指す。
また本調査におけるM2M市場規模とは、M2Mを実現するためのネットワーク(ネットワーク機器、通信モジュール、センサー/デバイス)、プラットフォーム(クラウド)、システム(アプリケーション、ミドルウェアなど)等を対象として、各事業者の売上高ベースで算出した。
※IoT市場とは: IoT(Internet of Things)は、既存のM2M通信領域に加えて、家電製品や家具、パソコン、 スマートフォン、タブレット端末、人(SNSなどの情報)、畜産・ペット、運輸・物流、防犯・セキュリティ、見守りサービスなど、ネットワーク接続環境下にある全てのモノやコトを対象とする。そのためマーケット構造として、IoTは本調査におけるM2Mを包括する上位概念に位置する。
<市場に含まれる商品・サービス>
ネットワーク・回線利用料/通信費、通信モジュール、センサー/デバイス、プラットフォーム/クラウド利用料、システム/アプリケーション開発費、パッケージ/ミドルウェア料、運用管理費など
関連マーケットレポート
早川 泰弘(ハヤカワ ヤスヒロ) 主任研究員
産業調査/マーケティング業務は、「机上ではなく、現場を回ることで本当のニーズ、本当の情報、本当の回答」が見つかるとの信念のもと、関係者各位との緊密な関係構築に努めていきます。日々勉強と研鑽を積みながら、IT業界の発展に資する情報発信を目指していきます。