矢野経済研究所 ICT・金融ユニット

レポートサマリー
2021.07.30

eKYC市場に関する調査を実施(2021年)

2020年度のeKYC市場規模は40億8,300万円。犯収法改正により、非対面での本人確認までの工程が減少し、顧客利便性も向上。金融機関においては、引き続き導入が進む見込み。

株式会社矢野経済研究所(代表取締役社長:水越孝)は、国内のeKYC市場を調査し、現況、参入企業の動向、および将来展望を明らかにした。

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【図表:eKYC市場規模推移・予測】

図表:eKYC市場規模推移・予測
  • 矢野経済研究所調べ
  • 注:サービス提供事業者売上高ベース
  • 注:2021年度以降は予測値

 

eKYC市場の概況

eKYC(electronic Know Your Customer)とは、非対面、デジタルによるオンライン上で行う本人確認サービスである。2018年11月、犯罪による収益の移転防止に関する法律(以下、犯収法)改正を契機として、金融機関を中心にサービス導入の検討が進み、2020年には実際に稼働するケースが増加した。市場が拡大したことで、2020年度の国内eKYC市場規模(事業者売上高ベース)は前年比270.0%の40億8,300万円となった。

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eKYC市場の注目トピック

■犯収法改正により、非対面での本人確認までの工程が減少
2018年11月犯収法に関する法律施行規則の一部を改正する命令が公布され、非対面における本人確認方法が変更となった。
従来、非対面での本人確認では本人確認書類の写し1点に加えて、本人限定郵便を送付することが必要であった。法改正により、専用のソフトウェアを利用することで、郵送が不要となる本人確認方法が追加され、eKYCによる本人確認が認められることとなった。郵送が不要となることで、これまでよりも本人確認完了までの時間が短くなり、迅速なサービスが可能となる。また、本人確認までの工程が減ったことで、顧客利便性も向上することになる。

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eKYC市場の将来展望

2024年度のeKYC市場(事業者売上高ベース)は63億円に達すると予測する。 金融機関においては、引き続き導入・活用が進む見込みである。2021年5月末現在、都市銀行においては全ての銀行で導入済あるいは導入が決定している。地方銀行では62行中17行、第二地方銀行では38行中3行で導入されており、残りの銀行においても、今後導入が進む見通しである。
また、身元確認行為が義務ではない業界においても、実際のトレンドとして、C2C関連サービスやマッチングアプリ、レンタルサービスなどで、サービス利用上の安全性向上や、コミュニティ内の信頼性向上のために、身元確認の強化に踏み切るサービス事業者も多い。オンラインでの安全性なサービス提供のための手段として、今後、eKYCは利用されていくと考える。

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参考:このレポートに掲載されている主なデータ一覧

  • 本人確認について
  • 2018年11月法改正に係る変更内容
  • 2020年4月法改正に係る変更内容
  • 本人確認手法「ホ」について
  • 本人確認手法「ヘ」について
  • 本人確認手法「ト」について
  • 公的個人認証の利用フロー
  • 公的個人認証サービスの民間事業者および活用事例
  • eKYCの市場規模(2019年度~2021年度)
  • eKYC市場予測(2019~2024年)
  • サービス提供企業一覧
  • サービス機能比較
  • eKYCサービス提供企業の特徴、方針
  • 銀行におけるeKYC導入状況
  • 銀行における店舗の削除および店舗効率化に関する方針
  • 金融業界におけるeKYC導入状況
  • 非金融業界におけるeKYC導入状況
  • 日立製作所
  • 日本電気
  • NTTデータ
  • ACSiON(アクシオン)
  • TRUSTDOCK
  • Liquid
  • ポラリファイ
  • 三菱UFJフィナンシャル・グループ
  • みずほフィナンシャルグループ
  • 福岡銀行
  • 北陸銀行
  • 九州フィナンシャルグループ

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関連リンク

■レポートサマリー
電子契約サービス市場に関する調査を実施(2020年)
リーガルテック市場に関する調査を実施(2019年)

■アナリストオピニオン
オンライン上での本人確認「eKYC」の活用進む
個人起点のデータ活用“情報銀行”

■同カテゴリー
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調査要綱

調査対象:eKYCベンダー、金融機関等
調査期間:2021年2月~6月
調査方法:当社専門研究員による直接面談(オンライン含む)、ならびに文献調査等併用

※eKYC市場とは:eKYCとはelectronic Know Your Customerの略であり、非対面、デジタルによるオンライン上で行う本人確認サービスを指す。2018年11月の犯罪による収益の移転防止に関する法律(犯収法)の改正により、非対面時の本人確認手法の変更がなされ、郵送等が不要な、オンラインで完全に完結する本人確認手法が認められることとなった。
本調査におけるeKYC市場とは、オンラインで完結する本人確認(eKYC)サービス提供事業者のeKYCに関連する事業売上髙を対象として、市場規模を算出した。

<市場に含まれる商品・サービス>
eKYC

石神 明広(イシガミ アキヒロ) 研究員
現在の市場の分析だけでなく、それによって何がもたらされるか、どう変化していくかといった将来像に目を向けていきたいと考えております。一歩踏み込んだ調査を心掛け、皆様のお役に立てるよう精進を重ねて参ります。

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