矢野経済研究所 ICT・金融ユニット

レポートサマリー
2020.09.09

ERP市場動向に関する調査を実施(2020年)

2019年のERPパッケージ市場は1,198億3,000万円、DXを追い風に前年比7.0%増の成長。新型コロナウイルスの影響、業績悪化による投資減退で2021年の市場はマイナス成長に転じると予測。

株式会社矢野経済研究所(代表取締役社長:水越孝)は、国内のERPパッケージライセンス市場を調査し、参入企業・ユーザ企業の動向、クラウド化の状況、将来展望を明らかにした。

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【図表1:ERPパッケージライセンス市場規模推移・予測】

図表1:ERPパッケージライセンス市場規模推移・予測
  • 矢野経済研究所調べ
  • 注:エンドユーザ渡し価格ベース
  • 注:2020年以降は予測値

【図表2:ERPパッケージのクラウド利用率の推移・予測】

図表2:ERPパッケージのクラウド利用率の推移・予測
  • 矢野経済研究所調べ
  • 注:2020年、2021年は予測値

ERPパッケージ市場の概況

2019年のERPパッケージ市場は、エンドユーザ渡し価格ベースで前年比7.0%増の1,198億3,000万円となった。2019年は、2018年の伸び率(4.4%増)を上回る成長を遂げた。

2019年の市場拡大は、DX(デジタルトランスフォーメーション)が後押ししたと考える。DXは多義的な表現だが、「レガシーな情報システムを刷新する」「ビジネスの変革やデジタル化の推進に伴い経営基盤を見直す」という双方の意味で、ERPのリプレイスが進んだ。

2020年以降は新型コロナウイルス感染症による影響が懸念されるものの、2020年8月時点では上期(1~6月)までのERPパッケージベンダー事業への影響は軽微である。2020年通年でみても、好調だった前年に決まった受注案件への対応もあるため、2020年のERPパッケージ市場は1,241億6,000万円、前年比3.6%増とプラス成長を維持する見通しである。

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ERPパッケージ市場の注目トピック

■コロナ禍でクラウド化は加速、2021年には利用率が63.5%になると予測
2019年のクラウド利用率(IaaS/PaaS利用とSaaS利用の合計)は38.3%まで拡大した。

これまでも順調にクラウド化が進んでいたが、コロナ禍においてさらに加速するとみられる。非対面が推奨され、モバイルワークの利用率が高い状況においてはクラウドの利便性が高い。今後のERP利活用においては、ユーザ企業の経理や人事担当者がテレワークをしながら利用できること、ベンダーがメンテナンスや不具合対応をリモートで行えること、なども一層重視されるようになる。

今後のERPの導入においては、クラウド型のERPが優先して選択される傾向が強まる見通しである。2021年にはクラウドの利用率がオンプレミスを上回り、63.5%になると予測する。

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ERPパッケージ市場の将来展望

現時点でも新型コロナウイルス感染症の終息時期が見通せず、さまざまな業種において一層の業績悪化が見込まれるため、ユーザ企業におけるERPへの投資減退も避けられないと考える。ERPパッケージ市場の影響は2020年下期以降に表出し、2021年には前年比マイナスに転じると予測する。

しかし、2019年までの市場を牽引した基幹システムの見直し需要は底堅く、IT投資の優先度は引き続き高い可能性がある。さらに、ウィズコロナ時代のニューノーマルに対応するためにDXを推進し、それに伴うERPのリプレイスを行う企業も多いと見込まれる。そのため、リーマン・ショック後のような大幅な市場の落ち込みには至らず、2021年のERPパッケージ市場は、エンドユーザ渡し価格ベースで前年比2.7%減、1,208億円に留まると予測する。

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参考:このレポートに掲載されている主なデータ一覧

  • ERPパッケージライセンス売上高推移(エンドユーザ渡し価格ベース)
  • 景気動向指数
  • 日銀短観
  • 法人景気予測調査 貴社の景況
  • 企業のテレワーク導入率の推移
  • 全体市場におけるライセンス売上高シェア(エンドユーザ渡し価格ベース)
  • 大手企業向け(年商500億円以上)ライセンス売上高シェア(エンドユーザ渡し価格ベース)
  • 中堅中小企業向け(年商500億円未満)ライセンス売上高シェア(エンドユーザ渡し価格ベース)
  • ERPパッケージ売上高 業種別比率(エンドユーザ渡し価格ベース)
  • 業種別ERPライセンス売上高の推移(エンドユーザ渡し価格ベース)
  • ERP市場の業務モジュール別比率(エンドユーザ渡し価格ベース)
  • 業務ソリューション別ERPライセンス売上高の推移(エンドユーザ渡し価格ベース)
  • ERP市場の企業規模別比率(エンドユーザ渡し価格ベース)
  • 大手企業/SMB におけるERP ライセンス売上高の推移(エンドユーザ渡し価格ベース)
  • クラウド利用のパターン
  • 外資系ベンダーのクラウドへの取組
  • 国内ベンダーのクラウドへの取組
  • クラウドの区分と定義
  • ERPパッケージのクラウド売上高の推移
  • クラウド全体(IaaS・PaaSとSaaSを含む)の売上高シェア
  • クラウド(SaaSのみ)の売上高シェア
  • ERPにおけるAI/RPAの活用例
  • ERPベンダーのAI・RPAへの取組
  • ERPパッケージのエンドユーザ渡し価格によるライセンス売上高推移(2015年~2022年予測)(エンドユーザ渡し価格ベース)
  • ERPパッケージのベンダー出荷価格によるライセンス売上高推移(2015年~2022年予測)(ベンダー出荷ベース)
  • ERPのベンダー出荷価格による総売上高推移(2015年~2022年予測)(ベンダー出荷ベース)
  • ユーザ企業の年商規模別ERPライセンス売上高推移(2015年~2020年予測)(エンドユーザ渡し価格ベース)
  • 大手企業/SMBにおけるERPライセンス売上高推移(2015年~2020年予測)(エンドユーザ渡し価格ベース)
  • 業務ソリューション(モジュール)別ERPライセンス売上高推移(2018年~2020年予測)(エンドユーザ渡し価格ベース)
  • 業種別ERPライセンス売上高推移(2018年~2020年予測)(エンドユーザ渡し価格ベース)
  • ERPパッケージのクラウド売上高推移(2018年~2021年予測)(エンドユーザ渡し価格ベース)
  • 総市場におけるERPライセンス売上高シェア(エンドユーザ渡し価格ベース)
  • 総市場におけるERPライセンス売上高シェア(ベンダー出荷価格ベース)
  • 総市場におけるERP総売上高シェア(ベンダー出荷価格ベース)
  • 大手企業向け(年商500億円以上)ERPライセンス売上高シェア
  • 大手企業向け(年商1,000億円以上)ERPライセンス売上高シェア
  • 中堅・中小企業向け(年商500億円未満)ERPライセンス売上高シェア
  • 中堅・中小企業向け(年商100億円未満)ERPライセンス売上高シェア
  • 中堅・中小企業向け(年商50億円未満)ERPライセンス売上高シェア
  • 財務会計管理ソリューション(モジュール)のライセンス売上高シェア
  • 人事給与管理ソリューション(モジュール)のライセンス売上高シェア
  • 販売・在庫管理ソリューション(モジュール)のライセンス売上高シェア
  • 生産・物流管理ソリューション(モジュール)のライセンス売上高シェア
  • 年商50億円未満の企業向け財務会計管理ソリューションのライセンス売上高シェア
  • 年商50億円未満の企業向け人事給与管理ソリューションのライセンス売上高シェア
  • 年商50億円未満の企業向け販売・在庫管理ソリューションのライセンス売上高シェア
  • 年商50億円未満の企業向け生産・物流管理ソリューションのライセンス売上高シェア
  • 年商100億円未満の企業向け財務会計管理ソリューションのライセンス売上高シェア
  • 年商100億円未満の企業向け人事給与管理ソリューションのライセンス売上高シェア
  • 年商100億円未満の企業向け販売・在庫管理ソリューションのライセンス売上高シェア
  • 年商100億円未満の企業向け生産・物流管理ソリューションのライセンス売上高シェア
  • 年商100-500億円未満の企業向け財務会計管理ソリューションのライセンス売上高シェア
  • 年商100-500億円未満の企業向け人事給与管理ソリューションのライセンス売上高シェア
  • 年商100-500億円未満の企業向け販売・在庫管理ソリューションのライセンス売上高シェア
  • 年商100-500億円未満の企業向け生産・物流管理ソリューションのライセンス売上高シェア
  • 中堅・中小企業(年商500億円未満)向け財務会計管理ソリューションのライセンス売上高シェア
  • 中堅・中小企業(年商500億円未満)向け人事給与管理ソリューションのライセンス売上高シェア
  • 中堅・中小企業(年商500億円未満)向け販売・在庫管理ソリューションのライセンス売上高シェア
  • 中堅・中小企業(年商500億円未満)向け生産・物流管理ソリューションのライセンス売上高シェア
  • 年商500-1,000億円未満の企業向け財務会計管理ソリューションのライセンス売上高シェア
  • 年商500-1,000億円未満の企業向け人事給与管理ソリューションのライセンス売上高シェア
  • 年商500-1,000億円未満の企業向け販売・在庫管理ソリューションのライセンス売上高シェア
  • 年商500-1,000億円未満の企業向け生産・物流管理ソリューションのライセンス売上高シェア
  • 年商1,000億円以上の企業向け財務会計管理ソリューションのライセンス売上高シェア
  • 年商1,000億円以上の企業向け人事給与管理ソリューションのライセンス売上高シェア
  • 年商1,000億円以上の企業向け販売・在庫管理ソリューションのライセンス売上高シェア
  • 年商1,000億円以上の企業向け生産・物流管理ソリューションのライセンス売上高シェア
  • 大手企業(年商500億円以上)向け財務会計管理ソリューションのライセンス売上高シェア
  • 大手企業(年商500億円以上)向け人事給与管理ソリューションのライセンス売上高シェア
  • 大手企業(年商500億円以上)向け販売・在庫管理ソリューションのライセンス売上高シェア
  • 大手企業(年商500億円以上)向け生産・物流管理ソリューションのライセンス売上高シェア
  • 加工組立製造業向けライセンス売上高シェア
  • プロセス製造業向けERPライセンス売上高シェア
  • 流通業向けERPライセンス売上高シェア
  • サービス業向けERPライセンス売上高シェア
  • クラウド全体(IaaS・PaaS+SaaS)売上高シェア
  • クラウド(SaaSのみ)売上高シェア
  • IFSジャパン株式会社
  • インフォアジャパン株式会社
  • 株式会社内田洋行
  • SAPジャパン株式会社
  • SCSK株式会社
  • 株式会社NTTデータ ビズインテグラル
  • 株式会社OSK
  • 株式会社オービック
  • 株式会社オービックビジネスコンサルタント
  • GRANDIT株式会社
  • 株式会社クレオ
  • スーパーストリーム株式会社
  • 日本オラクル株式会社
  • 日本電気株式会社(EXPLANNER)
  • 日本電気株式会社(FlexProcess)
  • 日本マイクロソフト株式会社
  • ビジネスエンジニアリング株式会社
  • 株式会社日立ソリューションズ/株式会社日立システムズ
  • 富士通株式会社
  • 株式会社ミロク情報サービス
  • 株式会社Works Human Intelligence
  • ワークデイ株式会社
  • IFSジャパン株式会社
  • インフォアジャパン株式会社
  • 株式会社内田洋行
  • SAPジャパン株式会社
  • SCSK株式会社
  • 株式会社NTTデータ ビズインテグラル
  • 株式会社OSK
  • 株式会社オービック
  • 株式会社オービックビジネスコンサルタント
  • GRANDIT株式会社
  • 株式会社クレオ
  • スーパーストリーム株式会社
  • 日本オラクル株式会社(Oracle ERP Cloud)
  • 日本オラクル株式会社(NetSuite)
  • 日本電気株式会社(EXPLANNER)
  • 日本電気株式会社(FlexProcess)
  • 日本マイクロソフト株式会社
  • ビジネスエンジニアリング株式会社(mcframe)
  • ビジネスエンジニアリング株式会社(mcframeGA)
  • 株式会社日立ソリューションズ/株式会社日立システムズ
  • 富士通株式会社(GLOVIA iZ/GLOVIA きらら/GLOVIA smart)
  • 富士通株式会社(GLOVIA SUMMIT)
  • 株式会社ミロク情報サービス(MJSLINK)
  • 株式会社ミロク情報サービス(Galileopt)
  • 株式会社ワークスアプリケーションズ
  • 株式会社Works Human Intelligence
  • ワークデイ株式会社

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関連リンク

■レポートサマリー
ERP市場動向に関する調査を実施(2016年)
ERP市場動向に関する調査結果 2015
ERP市場動向に関する調査結果 2014

■アナリストオピニオン
ERP市場と「2025年」を巡る問題
「次世代ERP」のリリースラッシュが起きているのはなぜか
ERPをクラウド化する3つの理由
戦略的な経営を実現するクラウドERP NetSuiteが支える企業変革
ERPパッケージの顧客ロイヤルティ調査で人事・給与分野において最高評価を得たZeeM
ERPパッケージ顧客満足度調査結果 総合満足度でトップとなったのはSuperStream
製造業の国際競争力強化をITから支援するERP
成熟したERP市場で求められる経営支援力
厳しい環境下で高まるユーザ企業のERPへの期待

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調査要綱

調査対象:ERPパッケージベンダー
調査期間:2020年6月~8月
調査方法:当社専門研究員による直接面談に電話・文献調査を併用

※ERPパッケージライセンス市場とは:ERP(Enterprise Resource Planning)パッケージとは、財務会計、人事給与、販売管理、生産管理などの基幹業務データを統合する情報システムを構築するための基幹業務管理パッケージソフトウェアを指す。
本調査におけるERPパッケージライセンス市場は、ERPパッケージベンダーのライセンス売上高(クラウドのサブスクリプション売上高を含む)をエンドユーザ渡し価格ベースで算出した。なお、コンサルティング・SI等、保守サポートなどの関連売上高は含まない。

<市場に含まれる商品・サービス>
ERPパッケージ

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小林 明子(コバヤシ アキコ) 主任研究員
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