株式会社矢野経済研究所(代表取締役社長:水越孝)は、2019年度のプリンタ世界市場を調査し、各出力機器の出荷台数・出荷金額、利用動向、参入企業シェア・動向、将来展望を明らかにした。
【図表1:プリンタ(出力機器)世界市場推移と予測】
【図表2:テキスタイル専用プリンタ世界市場推移と予測】
2019年度のプリンタ(出力機器)の世界出荷台数は前年度比93.6%の6,896万4,000台、出荷金額は同95.4%の2兆2,632億4,100万円(いずれもメーカー出荷ベース)となった。各機器で状況は異なるものの、全体的な動向としては、新製品リリースの狭間となり製品更新の一巡感があることや、ペーパーレス化・出力環境の変化などでプリント需要が減退していることなどを要因とする既存の減少トレンドがある。さらには、第4四半期(2020年1~3月)に新型コロナウイルスの影響による経済活動の停滞があったことで、設備投資が後ろ倒しになるなど、出荷台数・出荷金額ともに減少する形となった。
■テキスタイル専用プリンタ
テキスタイル専用プリンタとは、ポリエステルや綿など布地、織物に直接印刷し、アパレル製品を製作できるインクジェットプリンタを指す。ダイレクト捺染プリンタ、ガーメント(Tシャツやバッグ等)プリンタ、昇華転写プリンタ専用機を対象としており、インクジェット方式LFP(Large Format Printer)の内数となっている。
2019年度のテキスタイル専用プリンタの世界出荷台数は前年度比111.3%の1万3,131台、同出荷金額は同103.2%の230億2,100万円(いずれもメーカー出荷ベース)となった。出荷好調の要因としては、2018年度までの新製品リリースの狭間の時期による停滞感の反動や、低価格帯のガーメントプリンタの伸長などが挙げられる。
テキスタイル専用プリンタは今後も期待できる需要先が多く考えられるため、2020年度は新型コロナウイルス感染症の影響で落ち込むものの、その後は再び好調に推移するとみられる。
2020年度は新型コロナウイルス感染拡大の影響により、第1四半期(2020年4~6月)は営業活動が軒並み停滞し、製品供給体制の乱れや製品の納入遅延などもあり、軟調な出だしとなった。また、第2四半期以降も景気の減速感による設備投資の抑制と後ろ倒しが生じており、例年通りの出荷台数まで回復しないと推察する。在宅学習や在宅勤務の実施によるホームプリント需要の拡大で、インクジェットプリンタ/MFPやレーザプリンタの出荷台数が他製品カテゴリと比較して伸長するものの、全体の減少分を補うほどにはならない見通しである。
こうしたことから、2020年度のプリンタ(出力機器)の世界出荷台数は、前年度比90.2%の6,222万台、同出荷金額は同85.6%の1兆9,371億6,300万円(いずれもメーカー出荷ベース)になると予測する。
■レポートサマリー
●3Dプリンタ世界市場に関する調査を実施(2021年)
■アナリストオピニオン
●MFP(複合機)の概念が変わる?新ソリューション/ITサービスの台頭
●世界レベルの活用へ HPの3Dプリンティング
■同カテゴリー
●[周辺機器]カテゴリ コンテンツ一覧
調査対象:プリンタメーカー・販売店/パートナー・各種部材メーカー
調査期間:2020年4月~7月
調査方法:当社専門研究員による直接面接取材、および電話やe-mailによるヒアリング併用
※プリンタ(出力機器)とは:本年度より調査対象の出力機器を変更し、①インクジェットプリンタ、②インクジェットMFP(複合機)、③レーザプリンタ、④レーザMFP、⑤シリアル・インパクト・ドット・マトリクス(SIDM)プリンタ、⑥プロダクションプリンタ、⑦電子写真方式LFP(Large Format Printer、プロッタ)、⑧インクジェット方式LFPを対象とした。但し、④レーザMFPは日本国内の台数、金額のみとする。 また、プリンタ世界市場の内数だが、テキスタイル専用プリンタ(ダイレクト捺染プリンタ、ガーメントプリンタ、昇華転写プリンタ専用機)、ラテックスプリンタ、UVプリンタ、LFP(卓上・小型機)プリンタ、デジタルラベル印刷機を含む。
<市場に含まれる商品・サービス>
インクジェットプリンタ/MFP、レーザプリンタ/MFP、シリアル・インパクト・ドット・マトリクスプリンタ、プロダクションプリンタ、LFP(電子写真方式、インクジェット方式)、テキスタイル専用プリンタ、ラテックスプリンタ、UVプリンタ、LFP(卓上・小型機)プリンタ、デジタルラベル印刷機
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