矢野経済研究所 ICT・金融ユニット

レポートサマリー
2020.01.08

XR(VR/AR/MR)360°動画市場に関する調査を実施(2019年)

2020年から5G導入が本格化する。2022年以降にはエリアカバレッジをはじめ、5Gの環境整備が進む可能性が高く、5Gの特徴である高速・大容量通信を生かして、XR(VR/AR/MR)360°動画市場も大きく発展する見通し。

株式会社矢野経済研究所(代表取締役社長:水越孝)は、国内外のXR(VR/AR/MR)及び360°動画市場を調査し、地域別世界市場、HMD製品出荷状況などXR・360°動画市場の将来展望を明らかにした。ここでは、2025年までの国内のXR・360°動画市場をカテゴリー別に予測し、公表する。

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XR(VR/AR/MR)360°動画市場の概況

2016年以降、第二次「VR元年」と言われ、HMD(ヘッドマウントディスプレイ)を使用したVR(Virtual Reality;仮想現実)市場は急速な盛り上がりを見せた。 中でもスマートフォンを使用する「スマホVR」は手軽さとコンテンツ流通の仕組みが確立されていることに加え、(米)Googleが対応プラットフォームの開発表明をしていたことから、早期の普及が期待された。しかし、Googleの開発計画が凍結されてしまい、「スマホVR」の先行きは不透明な状況となった。一方、AR(Augmented Reality;拡張現実)についても同時期にスマホゲーム「Pokémon GO」がブレイクした。一度はブームが下火となったARだが、同ゲームの世界的成功により再びARが脚光を集める事となった。更にSNS(ソーシャルメディア)の普及に伴い写真投稿サイト「Instagram」が人気となった。同サービス向けに360°パノラマで撮影した作品を投稿する動きが広まっている。

しかし、市場の期待とは裏腹にXR(VR/AR/MR)360°動画市場の拡大は緩やかであり、2019年の国内XR・360°動画市場規模(事業者売上高ベース)は3,951億円を見込む。ハードウェア、ソフトウェアの問題に加え、ビジネスモデルの構築が進んでいない事がその大きな要因となっている。なお、カテゴリー別にみると、ゲーム:475億円、コンテンツ:84億円、報道・広告・宣伝:75億円、位置情報・旅行:110億円、エンタープライズ:204億円、医療・ヘルスケア:85億円、教育・研修・トレーニング:44億円、SNS:8億円、制作・流通:173億円、劇場・テーマパーク:44億円、VR機器:2,569億円の見込みである。

【図表:国内XR(VR/AR/MR)360°動画市場規模予測】

国内XR(VR/AR/MR)360°動画市場規模予測
  • 矢野経済研究所調べ
  • 注:事業者売上高ベース
  • 注:2019年は見込値、2020年以降は予測値
  • 注:XR(VR、AR、MR)および360°動画のハードウェア、ソフトウェア及び関連サービスを対象として、算出した。

【図表:カテゴリー別 国内XR(VR/AR/MR)360°動画市場規模予測】

カテゴリー別 国内XR(VR/AR/MR)360°動画市場規模予測
  • 矢野経済研究所調べ
  • 注:事業者売上高ベース
  • 注:2019年は見込値、2020年以降は予測値
  • 注:XR(VR、AR、MR)および360°動画のハードウェア、ソフトウェア及び関連サービスを対象として、算出した。

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XR(VR/AR/MR)360°動画市場の注目トピック

■スタンドアローン(自己完結)型ヘッドマウントディスプレイ(HMD)の本格普及
2018年に単独で動作するスタンドアローン(自己完結)型HMDとして、(米)Oculusの「OculusGo(オキュラスゴー)」がリリースされた。同製品は約200ドルの低価格に加え、一体型製品なのでスマホVRと比較して動作環境が安定していること、一部スマホVR向けコンテンツが利用可能であること、開発環境が充実していることなどの特徴を備える。共同開発元の(中国)Xiaomiの製品と併せ、発売以降世界的ヒットとなった。2019年には6DoF(3次元トラッキング)に対応した上位モデルを導入しており、HMDの出荷台数は前年と比較して大きく増加する見通しである。

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XR(VR/AR/MR)360°動画市場の将来展望

2020年から5G(第5世代携帯電話サービス)導入が本格化する。2022年以降にはエリアカバレッジをはじめ、5Gの環境整備が進む可能性が高く、5Gの特徴である高速・大容量通信を生かして、XR(VR/AR/MR)360°動画市場も大きく発展する見通しである。5Gの導入によりコンテンツ・サービスのクラウド化が進むとみられ、メンテナンスやコンテンツ管理の効率化がより進む。また、コンテンツ品質が大きく向上することが期待出来、XRは移動体通信事業者にとっても重要なサービスとなる可能性が高い。 更に個人による360°動画のリアルタイム配信も可能になるなど、5Gの導入はXR(VR/AR/MR)360°動画市場にとって大きな環境変化となる見込みである。そうしたことから、2025年の国内XR(VR/AR/MR)360°動画市場(事業者売上高ベース)は1兆1,952億円になると予測する。

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参考:このレポートに掲載されている主なデータ一覧

  • XR市場全体動向  
    • XR市場規模    
    • XRサービスカテゴリ別市場規模    
    • カテゴリ別市場規模  
      • XRゲーム市場    
      • コンテンツ市場    
      • XR報道・広告・宣伝市場    
      • XR位置情報・旅行市場    
      • XRエンタープライズ市場    
      • XR医療・ヘルスケア市場    
      • XR教育・研修・トレーニング市場    
      • XR SNS市場    
      • XR制作・流通市場    
      • XR劇場・テーマパーク市場    
      • VR向けHMD市場    
      • VR機器市場
     
    • 地域別市場規模  
      • XRスマートフォンゲーム    
      • XRゲームコンソール    
      • XR PC(オンラインゲーム)    
      • XRコンテンツ    
      • XR報道・広告・宣伝    
      • XR位置情報・旅行    
      • XRエンタープライズ    
      • XR医療・ヘルスケア    
      • XR教育・研修・トレーニング    
      • XR SNS    
      • 制作・流通    
      • 劇場・テーマパーク
  • 日本市場  
    • XR市場規模    
    • XR サービスカテゴリ別市場規模    
    • カテゴリ別市場規模  
      • XRゲーム市場    
      • XRコンテンツ市場    
      • XR報道・広告・宣伝市場    
      • XR位置情報・旅行市場    
      • XRエンタープライズ市場    
      • XR医療・ヘルスケア市場    
      • XR教育・研修・トレーニング市場    
      • XR制作・流通市場    
      • XR劇場・テーマパーク市場    
      • VR向けHMD機器市場    
      • VR機器市場
  • アジア・オセアニア市場  
    • XR市場規模    
    • カテゴリ別市場規模  
      • XRゲーム市場    
      • XRコンテンツ市場    
      • XR報道・広告・宣伝市場    
      • XR位置情報・旅行市場    
      • XRエンタープライズ市場    
      • XR医療・ヘルスケア市場    
      • XR教育・研修・トレーニング市場    
      • XR制作・流通市場    
      • XR劇場・テーマパーク市場    
      • VR向けHMD機器市場    
      • VR機器市場
  • 欧州(西欧・中東欧)市場  
    • XR市場規模    
    • カテゴリ別市場規模  
      • XRゲーム市場    
      • XRコンテンツ市場    
      • XR報道・広告・宣伝市場    
      • XR位置情報・旅行市場    
      • XRエンタープライズ市場    
      • XR医療・ヘルスケア市場    
      • XR教育・研修・トレーニング市場    
      • XR制作・流通市場    
      • XR劇場・テーマパーク市場    
      • VR向けHMD機器市場    
      • VR機器市場
  • 北米市場  
    • XR市場規模    
    • カテゴリ別市場規模  
      • XRゲーム市場    
      • XRコンテンツ市場    
      • XR報道・広告・宣伝市場    
      • XR位置情報・旅行市場    
      • XRエンタープライズ市場    
      • XR医療・ヘルスケア市場    
      • XR教育・研修・トレーニング市場    
      • XR制作・流通市場    
      • XR劇場・テーマパーク市場    
      • VR向けHMD機器市場    
      • VR機器市場
  • 中南米市場  
    • XR市場規模    
    • カテゴリ別市場規模  
      • XRゲーム市場    
      • XRコンテンツ市場    
      • XR報道・広告・宣伝市場    
      • XR位置情報・旅行市場    
      • XRエンタープライズ市場    
      • XR医療・ヘルスケア市場    
      • XR教育・研修・トレーニング市場    
      • XR制作・流通市場    
      • XR劇場・テーマパーク市場    
      • VR向けHMD機器市場    
      • VR機器市場
  • 中近東市場  
    • XR市場規模    
    • カテゴリ別市場規模  
      • XRゲーム市場    
      • XRコンテンツ市場    
      • XR報道・広告・宣伝市場    
      • XR位置情報・旅行市場    
      • XRエンタープライズ市場    
      • XR医療・ヘルスケア市場    
      • XR教育・研修・トレーニング市場    
      • XR制作・流通市場    
      • XR劇場・テーマパーク市場    
      • VR向けHMD機器市場    
      • VR機器市場
  • アフリカ市場  
    • XR市場規模    
    • カテゴリ別市場規模  
      • XRゲーム市場    
      • XRコンテンツ市場    
      • XR報道・広告・宣伝市場    
      • XR位置情報・旅行市場    
      • XRエンタープライズ市場    
      • XR医療・ヘルスケア市場    
      • XR教育・研修・トレーニング市場    
      • XR制作・流通市場    
      • XR劇場・テーマパーク市場    
      • VR向けHMD機器市場    
      • VR機器市場
  • XR機器 日本市場  
    • HMD製品カテゴリ別出荷台数    
    • フルスペック機出荷台数    
    • スマートフォン装着型出荷台数    
    • ゲームコンソール出荷台数    
    • スタンドアローン(自己完結)型出荷台数    
    • 360°カメラ出荷台数
  • XR機器市場  
    • HMD製品カテゴリ別出荷台数    
    • 地域別出荷台数    
    • アジア・オセアニア市場製品カテゴリ別出荷台数    
    • 欧州(西欧・中東欧)市場 製品カテゴリ別出荷台数    
    • 北米市場 製品カテゴリ別出荷台数    
    • 中南米市場 製品カテゴリ別出荷台数    
    • 中近東市場 製品カテゴリ別出荷台数    
    • アフリカ市場 製品カテゴリ別出荷台数
  • フルスペック機  
    • メーカー別出荷台数    
    • 地域別出荷台数    
    • アジア・オセアニア市場 出荷台数    
    • 欧州(西欧・中東欧)市場 出荷台数    
    • 北米市場 出荷台数    
    • 中南米市場 出荷台数    
    • 中近東市場 出荷台数    
    • アフリカ市場 出荷台数
  • スマートフォン装着型  
    • メーカー別出荷台数    
    • 地域別出荷台数    
    • アジア・オセアニア市場 出荷台数    
    • 欧州(西欧・中東欧)市場 出荷台数    
    • 北米市場 出荷台数    
    • 中南米市場 出荷台数    
    • 中近東市場 出荷台数    
    • アフリカ市場 出荷台数
  • ゲームコンソール  
    • メーカー別出荷台数    
    • 地域別出荷台数    
    • アジア・オセアニア市場 出荷台数    
    • 欧州(西欧・中東欧)市場 出荷台数    
    • 北米市場 出荷台数    
    • 中南米市場 出荷台数    
    • 中近東市場 出荷台数    
    • アフリカ市場 出荷台数
  • スタンドアローン(自己完結)型  
    • メーカー別出荷台数    
    • 地域別出荷台数    
    • アジア・オセアニア市場 出荷台数    
    • 欧州(西欧・中東欧)市場 出荷台数    
    • 北米市場 出荷台数    
    • 中南米市場 出荷台数    
    • 中近東市場 出荷台数    
    • アフリカ市場 出荷台数
  • 360°カメラ  
    • 360°カメラ メーカー別出荷台数    
    • 地域別出荷台数    
    • アジア・オセアニア市場 出荷台数    
    • 欧州(西欧・中東欧)市場 出荷台数    
    • 北米市場 出荷台数    
    • 中南米市場 出荷台数    
    • 中近東市場 出荷台数    
    • アフリカ市場 出荷台数
  • XR機器メーカー動向  
    • Oculus    
    • HTC    
    • Google    
    • サムスン電子    
    • SONY    
    • Microsoft    
    • Lenovo    
    • 小米(Xiaomi)    
    • その他メーカー

…ほか

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関連リンク

■レポートサマリー
5G(第5世代移動体通信システム)の世界市場に関する調査を実施(2019年)

■アナリストオピニオン
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【ショートレポートに掲載されているオリジナル情報】
セグメント別の動向
  グローバル XR(VR/AR/MR)・360°動画市場規模
注目トピックの追加情報
  教育・研修、医療、防災向けVRコンテンツが台頭
将来展望の追加情報

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調査要綱

調査対象:VR/AR/MR製品開発企業、ならびに関連サービス事業者
調査期間:2019年7月~9月
調査方法:当社専門研究員による国内・海外(中国、台湾)直接面接調査、ならびに文献調査、当社DBデータからの考察

※XR・360°動画市場とは:本調査におけるXR・360°動画市場とは、VR(Virtual Reality;仮想現実)やAR(Augmented Reality;拡張現実)、MR(Mixed Reality;複合現実)、360°動画(視聴者が操作すると360°全方位を見渡せる動画)のハードウェア、ソフトウェア、関連サービスを対象として、算出した。

VR(Virtual Reality)は「人間の感覚器官に働きかけ、現実のように感じられる環境を人工的に作り出す技術の総称」とされ、頭部に装着するヘッドマウントディスプレイ(HDM)に3次元空間内に利用者の身体を投影し、ヴァーチャル空間への没入感を発生させる。VR空間内では視聴者自身は移動や行動が可能で、視聴者同士の対話性・双方向性も備えており、情報伝達はディスプレイ・スピーカー、ヘッドフォンを用いた視聴覚に加え、体や手へ振動・触覚・圧迫感を伝達する仕組みが実用化されている。
VRは「人工的に生成した空間」で運用されるが、「現実の光景や音声」を組み合わせて運用する「テレイグジステンス」(telexistence)・「テレプレゼンス」(telepresence)技術によって運用するAR(Augmented Reality)、MR(Mixed Reality)が存在する。ARでは透過型デバイス(スマートグラス)を使用し、現実世界に投影するのに対し、MRはHMDを使用し投影する対象物に対し、背景は現実世界の映像を使用する。

<市場に含まれる商品・サービス>
HMD(ヘッドマウントディスプレイ)、スマートグラス、VR、AR、MR、360°動画

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新興国が先進国に取って替わり世界経済を牽引している現在、市場が成熟化するスピードも早くなっています。そのような状況下でお客様にとって本当に価値ある情報を最適なタイミングでご提供出来る様、常に心掛けております。

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