矢野経済研究所 ICT・金融ユニット

レポートサマリー
2019.12.09

IoT/M2M(機器間通信)市場に関する調査を実施(2019年)

2020年以降もM2Mビジネスは堅調な推移を続け、2023年度の国内M2M市場は2,570億円になると予測。産業用途での5G×IoT/M2Mが登場してくる可能性も。

株式会社矢野経済研究所(代表取締役社長:水越孝)は、国内外のM2M市場を調査し、市場規模、セグメント別の動向、参入企業動向、注目技術動向、将来展望を明らかにした。

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IoT/M2M(機器間通信)市場の概況

2018年度の国内M2M市場(事業者売上高ベース)は2,010億円で、前年度比7.5%増となった。同年度では、LTE(Long Term Evolution)対応の通信モジュールを中心として、主要3通信キャリア及びMVNOのサービスがともに堅調さを維持している。前年度2桁伸長での反動はあったものの、依然としてマーケットは拡大基調にある。
2019年度はLTE対応の通信モジュール導入が一巡したことや、MVNO関連需要もやや鈍化傾向にあり、全体としても伸びが低下したことで、前年度比6.0%増(120億円増)の2,130億円を見込む。

【図表:国内M2M(機器間通信)市場規模推移・予測】

図表:国内M2M(機器間通信)市場規模推移・予測
  • 矢野経済研究所調べ
  • 注:事業者売上高ベース
  • 注;2019年度は見込値、2020年度以降は予測値

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IoT/M2M(機器間通信)市場の注目トピック

■産業向け「5G」× IoT / M2Mの可能性
2020年代の中頃になると、既存の4G/LTEや有線ネットワーク、無線LANなどを代替する形で、産業用途での「5G(第5世代移動体通信システム)」× IoT/M2Mマーケットが登場してくると考える。5G活用に関しては、通信キャリアを中心にITベンダー/SIer、各種研究機関、ユーザ事業者などが連携して様々な実証試験を行っており、課題抽出や検証が進み、PoC(概念実証)に入っている案件も少なくない。

産業向け5G活用としては、当面は交通インフラ(自動車関連)及びエネルギー関連が最大のターゲットになる。交通インフラでは、5Gは自動運転の実現には不可欠なテクノロジーであるが、自動運転では他の要素技術の進展も必要であり、一般車両/公道での実現は2030年前後になると考える。それよりは、車車間通信(V2V)や路車間通信(V2I)、さらには歩車間通信(V2P)での基盤として5Gを活用することで、安全運転支援や遠隔運転支援、スマートシティの実現といったソリューションの高度化が期待される。

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IoT/M2M(機器間通信)市場の将来展望

M2M市場は、2020年度以降も引き続きMVNO関連分野での新規需要開拓が見込まれるものの、マーケット構造として、従来タイプのM2MがIoTに置き換わる流れが継続することで、M2MとIoTとの境界は一層透明化し、場合によってはM2M自体の呼称が消失する可能性もあると考える。実際、大手ITベンダーや通信キャリアなどでは、ここ2~3年でM2Mを冠した組織が急速に消失している。
但し、従来型の携帯電話規格に準じた通信モジュールを使ったM2M通信需要は底堅く、仮に名称が消えたとしても、M2Mビジネスは堅調な推移を続け、2023年度の国内M2M市場(事業者売上高ベース)は2,570億円になると予測する。

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参考:このレポートに掲載されている主なデータ一覧

第Ⅰ章 総論編
  • マーケット概況
    • IoTとM2Mの関連性
    • 市場分析での基準
    • M2M⇒IoTでの展開領域の変化
    • IoTレイヤー別の主要プレイヤー
  • M2M市場規模
    • 国内M2M市場規模推移(M2M売上ベース:2015~2023年度予測)
    • 国内M2M市場規模推移(累計M2M回線数ベース:2015~2023年度予測)
    • 世界M2M市場規模推移(M2M関連売上ベース:2015~2023年度予測)
    • 世界M2M市場規模推移(累計M2M回線数ベース:2015~2023年度予測)
  • M2M市場の内訳
    • M2M/IoTプラットフォーム一覧
    • 国内M2M市場の内訳(2018年度)
    • 海外のM2M/IoT関連プラットフォーム事業者
    • 世界M2M市場の内訳(2018年度)
  • 分野別の国内M2M市場規模推移(国内累計回線数ベース)
    自動車関連
    エネルギー関連
    設備・機器監視/工場関連
    流通関連
    物流関連
    セキュリティ・防犯関連
    健康・ヘルスケア関連
    インフラ関連
    • 分野別のM2M市場規模推移(国内累計回線数)
    • 分野別のM2M構成推移(%)
  • IoT市場規模推移(IoT売上ベース)
    • 国内IoT市場規模推移(IoT売上ベース:2016~2023年度予測)
    • 国内IoT市場の内訳(2018年度)
  • IoTポテンシャルに対する考察
    • IoTが生み出す価値
    • IoT普及の技術的な背景要因
  • IoT周辺領域での注目動向
    • フィールドワーク支援ソリューションの活用イメージ
    • フィールドワーク支援ソリューショングで使うIT技術
    • 製造/建設向けフィールドワーク支援ソリューション事例
    • フィールドワーク支援ソリューションの分野別動向
    • 遠隔監視業務の変化
    • 分野別の収集データ事例
    • 画像認識AIシステム市場規模推移
    • 会話・対話AIシステム市場規模推移
    • 有力AIベンダー一覧
    • AI活用での現在地
    • デジタルマーケティングでの有力ベンダー一覧
  • IoT関連技術/分野別のIoT普及メージ
  • 中・長期的に期待される5GベースのIoT/M2Mソリューション
  • 主要ベンダーのIoT/M2Mビジネス動向
    • IoT/M2M事業の位置づけ
    • IoT/M2Mビジネスの展開状況
    • IoT/M2Mビジネスでのターゲット
    • IoT/M2Mビジネスでの事業目標
  • IoT/M2M関連技術
    • IoT×スマートデバイスの活用イメージ
    • 主なものづくり系IoTプラットフォーム一覧
    • ものづくり系IoTプラットフォームの主旨
    • Sigfoxの特徴/優位点
    • 主要海外事業者のビジネス動向
  • 分野別のIoT活用事例
    • 流通/サービス/イベント関連でのIoT活用事例
    • 社会インフラ関連でのIoT活用事例
    • 運輸/物流・倉庫関連でのIoT活用事例
    • 製造関連でのIoT活用事例
    • 建設・不動産・建物関連でのIoT活用事例
    • 見守り・セキュリティ/安全・安心/防犯関連でのIoT活用事例
    • 農業・畜産関連でのIoT活用事例
    • ヘルスケア/医療分野でのIoT活用事例

 

第Ⅱ章 各論編 ~カテゴリー別の動向~
  • エネルギー関連でのM2M市場規模推移(2016~2023年度予測)
  • 流通/運輸・物流関連でのM2M市場規模推移(2016~2023年度予測)
  • 設備・機器監視分野でのM2M市場規模推移(2016~2023年度予測)
  • 自動車関連でのM2M市場規模推移(2016~2023年度予測)
  • 自動車関連でのM2M/IoTアプリケーション
  • その他分野でのM2M市場規模推移(2016~2023年度予測)
  • 厳しい作業環境のある現場
  • 農業・畜産・水産でのIoT活用事例

 

第Ⅲ章 企業個票編
  • 国内企業
    • IFSジャパン(株)
    • KDDI(株)
    • (株)NTTドコモ
    • (株)インターネットイニシアティブ
    • エヌ・ティ・ティ・コミュニケーションズ(株)
    • (株)ソラコム
    • 沖電気工業(株)
    • 京セラコミュニケーションシステム(株)
    • 東芝デジタルソリューションズ(株)
    • 日本システムウエア(株)
    • 日本ユニシス(株)/ユニアデックス(株)
    • 日本電気(株)
    • パナソニック ソリューションテクノロジー(株)
    • ビジネスエンジニアリング(株)(旧東洋ビジネスエンジニアリング(株))
    • (株)日立製作所
    • 三井物産エレクトロニクス(株)
  • 海外企業
    • Digi International(米国)
    • Ericsson(スウェーデン)
    • Cisco Jasper(アメリカ)
    • IBM(米国)
    • Microsoft Corporation(米国)
    • PTC(Parametric Technology Corporation:アメリカ)
    • Telefonica,S.A.(スペイン)
    • Telenorグループ(ノルウェー)

    …ほか

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関連リンク

■レポートサマリー
国内M2M市場に関する調査を実施(2018年)
国内M2M(機器間通信)市場に関する調査を実施(2017年)
国内M2M市場に関する調査を実施(2016年)
M2M(機器間通信)世界市場に関する調査結果 2014

■アナリストオピニオン
産業向けIoTの本命は「製造」or「運輸・物流」or「自動車」?
2018年はIoT元年になるか?
注目されるIoT社会実現までの道筋
将来的にM2Mの社会インフラ化が進む

■同カテゴリー
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調査要綱

調査対象:ITベンダー / SIer(システムインテグレーター)、通信キャリア / MVNO(Mobile Virtual Network Opetator)、プラットフォームベンダー、海外ベンダーなど
調査期間:2019年5月~10月
調査方法:当社専門研究員による直接面談、電話やアンケート調査、ならびに文献調査併用

※M2M市場とは:本調査におけるM2M(Machine to Machine:機器間通信)とは、人が介在せずに、主に携帯電話 / PHS通信規格に準じた通信モジュールを内蔵した機器・デバイス間で情報のやり取りをする仕組みを指す。
また、本調査におけるM2M市場規模とは、M2Mを実現するためのネットワーク(ネットワーク機器、通信モジュール、センサー/デバイス)、プラットフォーム(クラウド)、システム(アプリケーション、ミドルウェアなど)などを対象として、各事業者の売上高ベースで算出した。

※IoTとは:IoT(Internet of Things)は、既存のM2M通信領域に加えて、家電製品や家具、パソコン、スマートフォン、タブレット端末、人(SNSなどの情報)、畜産・ペット、運輸・物流、防犯・セキュリティ、見守りサービスなど、ネットワーク接続環境下にある全てのモノやコトを対象とする。そのため、マーケット構造として、IoTは本調査におけるM2Mを包括する上位概念に位置する。

<市場に含まれる商品・サービス>
国内・世界のM2M市場、M2M累計回線数、国内IoT市場

関連マーケットレポート
早川 泰弘(ハヤカワ ヤスヒロ) 上級研究員
産業調査/マーケティング業務は、「机上ではなく、現場を回ることで本当のニーズ、本当の情報、本当の回答」が見つかるとの信念のもと、関係者各位との緊密な関係構築に努めていきます。日々勉強と研鑽を積みながら、IT業界の発展に資する情報発信を目指していきます。

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