矢野経済研究所 ICT・金融ユニット

レポートサマリー
2019.06.12

自治体向けソリューション市場に関する調査を実施(2019年)

2018年度の市場規模は6,385億円、今後は横這い・微減傾向の見通し。自治体クラウド関連ビジネスは、国の方針もあり好調推移の見込み。

株式会社矢野経済研究所(代表取締役社長:水越孝)は、国内の自治体向けソリューション市場を調査し、市場概況や市場規模推移、将来展望、自治体クラウドビジネスや主要ベンダーの動向などを明らかにした。

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自治体向けソリューションの市場概況

2018年度の国内自治体向けソリューション市場規模(事業者売上高ベース)は6,385億円で、前年度比0.5%減となった。
2018年度の市場は、通常のシステム更新サイクルに沿った更新需要が主体で、ここ数年、当該マーケットを牽引してきたマイナンバー対応や新公会計制度、ネットワーク強靭化、セキュリティクラウドなどの大型案件はほぼ収束した。そのため、これまで保留となっていた基幹系システムや内部情報系システムなどの更新需要や、法制度の変化に対応したシステム改修案件に軸足が移っている。また、総務省が進める自治体クラウドへの移行団体も見られるが、これが本格化するのは2021年度から2023年度頃になる見通しである。

市場を見ると、クラウド活用の拡大に加えて、ここ1~2年では自治体システムへのAIやRPA活用も始まっている。但し、現状ではほとんどのケースがPoC(概念実証)段階であるが、実効性が明らかになったような業務では、実装を検討する自治体も現れている。尚、同時期に実施した地方自治体へのアンケート調査結果をみると、現時点でのRPA導入率は数%に止まっている。

【図表:自治体向けソリューション市場規模推移・予測】

図表:自治体向けソリューション市場規模推移・予測
  • 矢野経済研究所推計
  • 注:事業者売上高ベース。
  • 注:2019年度は見込値、2020年度以降は予測値。
  • 注:地方自治体や中央官庁、独立行政法人等の公共機関で導入される情報システムを指す。
  • 市場規模には、ハードウェアやソフトウエアの購入費、レンタル・リース料、保守・サービスサポート料、回線使用料、ベンダなどからの要員派遣費などを含む。地方自治体側の費目でみると、機器購入費、委託費、安全対策費、各種研修費用、BPOサービス費などを含むが、自治体職員の人件費は含まない。

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自治体向けソリューション市場の注目トピック

■自治体クラウド市場の概況
政府では、財政再建の一環として中央省庁や地方自治体、各種外郭団体を含めた行政システムの効率化、行政コストの抑制を目指している。自治体クラウドも、この施策の一環として導入が図られており、導入団体ではコスト削減に主眼をおいた取り組みが求められている。加えて政府情報システムでは、「クラウド・バイ・デフォルト原則」のもと、クラウドファーストでシステム導入検討を行うことになっているが、この方針は地方自治体においても同様で、この点も自治体クラウド拡大のバックボーンとなっている。

自治体クラウドは、現状では人口規模2万人未満の小規模自治体を中心に導入が進んでおり、同20万人以上の中核市以上の規模での自治体クラウドの導入は限定的である。また自治体クラウドの普及に合わせて、自治体向けBPOサービスが普及している。特に、印刷周辺業務を中心にクラウドサービスとBPOをセット導入するケースが一般的になっている。このように、行政機関においても深刻化する人手不足や改正労働契約法の施行などを背景に、BPOニーズが顕著になっている。

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自治体向けソリューション市場の将来展望

今後、市場ではGISやドローン、IoT/センサーネットワークを活用した現場向け情報システムの普及、防災・災害対策関連システムでのICT活用が進む見通しであり、加えて東京オリンピック・パラリンピックや訪日外国人客の増加を背景にしたシステム投資が見込まれる。一方で、クラウド化の進展やベンダ間での価格を含めた競争の激化、行政コスト削減志向の定着といった傾向も強まる見込みである。以上のような奏功要因と阻害要因が相まって、2020年度以降も横ばい・微減トレンドが継続する見込みである。

このような市場環境の中で、従来のSIやシステム開発主導型から、サービスビジネスやBPOサービスにシフトしており、当該マーケットがサービス型のビジネス構造に転換しつつあると考える。2023年度国内自治体向けソリューション市場規模(事業者売上高ベース)は、2018年度比で4.5%減の6,100億円を予測する。

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参考:このレポートに掲載されている主なデータ一覧

  • 自治体向けソリューションの内容及び主要ベンダ
  • 自治体向けソリューション市場規模推移(2017~2023年度予測)
  • 有力ベンダの位置づけ
  • 自治体向けソリューションベンダ一覧/シェア(2018年度実績)
  • 自治体向けソリューションでの奏功要因
  • 自治体クラウド市場規模推移(百万円)
  • 基幹系システムの運用状況
  • 内部情報幹系システムの運用状況
  • 現場系システムの運用状況
  • 基幹系システムの満足度
  • データセンターの所在に対する要望
  • 今後のクラウド活用について
  • 東日本エリアにおける自治体クラウドグループの概要
  • 「市場の概況」まとめ
  • 「ターゲットと営業スタイル」まとめ
  • 「自治体向けソリューションと注力サービス」まとめ
  • 「クラウドソリューションへの取り組み」まとめ
  • 「防災・災害対策関連ソリューションへの取り組み」まとめ
  • 災害時の被災者情報管理業務システムの整備状況の推移(グラフ・表)
  • 「官庁・公企業向けソリューションへの取り組み」まとめ
  • 「BPOサービスへの取り組み」まとめ
  • 「他社との差別化ポイント」まとめ
  • 「アライアンス戦略」まとめ
  • 「課題及び解決の方向性」まとめ
  • 「市場の将来展望」まとめ
  • 「今後の事業展開」まとめ
  • RKKコンピューターサービスの自治体向けソリューション
  • アイシーエスの自治体向けソリューション
  • 「第二回 行政データ活用セミナー」の講演内容
  • WebRingsのシステムラインナップ
  • クラウドインテグレーションサービスの体系
  • ALANDISのソリューション一覧
  • COUSの自治体向けソリューション一覧
  • IIJの自治体向けソリューション
  • AGSの主な自治体向けソリューション
  • 自治体に対するArcGIS利用支援プログラム・サービス
  • ArcGISの主なソリューション
  • NECネクサソリューションズの住民情報・内部情報ソリューション
  • 減災コミュニケーションシステムの概要
  • Probono-Acro住民情報の概要
  • ジーウェイブの自治体向け主要ソリューション一覧
  • ジャパンシステムの自治体向けソリューション
  • シンクの主な自治体向けソリューション
  • TKCの自治体向けソリューション
  • トーテックアメニティの自治体向けソリューション
  • 日本電気の自治体向けソリューション
  • 日本電気の主な官公庁・公企業向けソリューション
  • 日本電子計算の自治体向けソリューション
  • 総合行政システムの主な対象業務
  • 日立グループの自治体向けソリューションの主な製品体系
  • 「CYDEEN」製品群
  • 富士通の自治体向けソリューション
  • 両備システムズの自治体向けソリューション
  • 両備システムズの行政機関向けサービスメニュー
  • 両毛システムズの自治体向けソリューション

…ほか

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関連リンク

■レポートサマリー
自治体向けソリューション市場に関する調査を実施(2017年)
自治体向けソリューション市場に関する調査結果2016
自治体向けソリューション市場に関する調査結果2015
自治体向けソリューション市場に関する調査結果 2014
自治体向けBPO(ビジネスプロセスアウトソーシング)市場に関する調査結果2016
社会インフラ向けIT市場に関する調査結果2015

■アナリストオピニオン
行政コスト削減に向けて自治体クラウド導入が加速

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調査要綱

調査対象:ITベンダやパッケージベンダ、地方自治体や中央官庁・独立行政法人等
調査期間:2018年11月~2019年5月
調査方法:当社専門研究員による直接面談、ならびに電話調査を併用

※自治体向けソリューションとは:本調査における自治体向けソリューションとは、地方自治体や中央官庁・独立行政法人等の公共機関で導入される情報システムを指す。市場規模には、ハードウェアやソフトウェアの購入費、レンタル・リース料、保守・サービスサポート料、回線使用料、ベンダなどからの要員派遣費などを含む。地方自治体側の費目でみると、機器購入費、委託費、安全対策費、各種研修費用、BPOサービス費などを含むが、自治体職員の人件費は含まない。

<市場に含まれる商品・サービス>
地方自治体や中央官庁・独立行政法人等の公共機関向けの基幹系ソリューション、内部情報系ソリューション、現場向けソリューションなど

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