矢野経済研究所 ICT・金融ユニット

レポートサマリー
2019.01.15

クレジットカード市場に関する調査を実施(2018年)

2017年度の市場は58兆円を突破。スマホ決済やQRコード決済の利用拡大などにより、市場は拡大基調で推移し、2023年度には100兆円を超える見通し。

株式会社矢野経済研究所(代表取締役社長:水越孝)は、クレジットカード市場を調査し、現況、参入企業の動向、および将来展望を明らかにした。

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クレジットカード市場の概況

日本政府は経済産業省の「日本復興戦略」をはじめ、様々な場面でキャッシュレス推進の方針を打ち出してきた。2025年頃まで、日本国内で様々な国際イベントが開催される予定であり、インバウンド(訪日外国人客)対応の観点も含め、2027年までに国内におけるキャッシュレス比率を倍増させる目標を設定している。

また政府は、2020年までに訪日外客数を4,000万人まで拡大するという目標を掲げており、訪日外国人客にとっても利便性の高い決済インフラが求められている。2020年の東京オリンピック・パラリンピックの開催決定以降、自国でクレジットカード決済をする習慣が根付いている訪日外国人客が、日本においてもストレスなく支払いが出来るよう、決済インフラの整備が進められている。

2017年度のクレジットカード市場規模(クレジットカードショッピング取扱高ベース)は、約58兆円まで拡大した。主要クレジットカード会社における入会と利用をセットにした各種キャンペーンや、利用金額や回数に応じたポイントや特典の付与などを実施したほか、特定の加盟店での利用に対するインセンティブを与えるなどの施策を展開し、利用機会の拡大に取組んだことが主たる拡大の要因となっている。

【図表:クレジットカード市場規模推移と予測】

図表:クレジットカード市場規模推移と予測
  • 矢野経済研究所推計
  • 注:クレジットカード発行元のショッピング取扱高(利用額)ベース。
  • 注:2018年度以降は予測値。

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クレジットカード市場の注目トピック

■スマートフォン決済の進展とともにクレジットカード市場も拡大基調へ
クレジットカードは認証手段により主に、

  • 従来のカードリーダーを介するコンタクト(接触型)決済
  • 非接触IC規格(NFC)を活用したコンタクトレス(非接触型)決済
  • QRコード決済のようにアプリを介した決済

    がある。なおQRコード決済はアプリに紐づけられる形で、クレジットカードが使用される決済である。

    日本におけるコンタクトレス決済の取扱高は急速に拡大し、なかでもスマートフォンを活用したスマートフォン決済(モバイルコンタクトレス決済)が市場を牽引している。

    スマートフォン決済については、特にiDやQUICPayの認知度の高まりとともに、加盟店数が急速に拡大している。Apple Payの日本展開もあり、2023年度のコンタクトレス決済における取扱高の大部分はスマートフォン決済になると予測する。

    また、スマートフォン決済の拡大に加え、QRコード決済の普及および利用拡大により、クレジットカードの使用も進むことから、市場は拡大基調で推移するとみる。

    なお、QRコード決済に関しては、今までクレジットカード決済が進まなかった中小零細企業での導入が進むことに加えて、ハウスマネー領域における顧客の維持獲得のためのマーケティング施策と連動したQRコード活用が進むことから、徐々に拡大していくと考える。

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クレジットカード市場の将来展望

2023年度のクレジットカード市場規模(クレジットカードショッピング取扱高ベース)は約100兆円を超えると予測する。

市場が拡大する要因としては、政府主導によるキャッシュレス化の推進により、クレジットカード決済環境の整備が進むこと、納税や教育費などの生活関連分野におけるクレジットカード決済領域が拡大すること、Apple PayやQRコード決済をはじめとしたスマートフォン決済(モバイルコンタクトレス決済)の拡大により、ユーザーの利便性や利得性が向上することなどが挙げられる。

また今後はAPI(Application Programming Interface)の公開により、新たな決済事業者の参入を促し、ユーザー向けに高付加価値決済サービスが創出される可能性のあることや、IoTの進展による新たな決済サービスの機会創出が期待されるほか、無人コンビニエンスストアの普及なども想定されることから、クレジットカード市場は拡大基調にあるものと考える。

国内におけるキャッシュレス決済は着実に進んできており、クレジットカードはポイントプログラムなどの周辺サービスと連携しながら、キャッシュレス決済の拡大を牽引していくものと考える。

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参考:このレポートに掲載されている主なデータ一覧

第Ⅰ章 総論

  • 訪日外客数推移(2003~2017年)
  • 経済産業省の日本復興戦略
  • 経済産業省の取組み
  • アクワイアラーと加盟店の契約パターン
  • FinTechにおける新たな取組みのカテゴリー
  • 金融におけるAIの適応領域
    • 主な適応領域と適用例
  • ショッピング取扱高推移(イシュアベース)
  • ショッピング取扱高シェア(イシュアベース:2017年度)
  • カード発行会社の業績推移
    • 主要23社の営業収益
    • 主要18社の業績推移
  • ショッピング取扱高予測(イシュアベース)
  • コンタクトレス決済の取扱高予測(イシュアベース)
  • モバイル決済市場規模予測

第Ⅱ章 カード会社の業績及び事業実績

  • 営業収益
  • 経常利益
  • 当期純利益
  • 有効会員数 稼動会員比率
  • カード取扱高(ショッピング・キャッシング合計)
  • カード取扱高(ショッピング)
  • カード取扱高(キャッシング)
  • ショッピングリボ・分割払い残高
  • キャッシング残高
  • ポイント引当金残高

第Ⅲ章 業態・出資母体別の動向分析

  • 主要会社一覧
  • 特徴、強み
  • 業績動向
  • 基本戦略

■銀行系、独立系カード会社
三菱UFJニコス、JCB、クレディセゾン、セディナ

■信販系カード会社
オリエントコーポレーション、ジャックス、アプラス、ライフカード

■流通系カード会社(GMS、スーパー、コンビニ)
イオンフィナンシャルサービス、セブン・サービス、UCS、ポケットカード、ゆめカード

■流通系カード会社(百貨店)
エムアイカード、東急カード

■自動車メーカー、交通系カード会社
トヨタファイナンス、日産フィナンシャルサービス

■オンラインモール、通信キャリア、IT系カード会社
楽天カード、ワイジェイカード、NTTドコモ

第Ⅳ章 カード会社の各種サービス等への取組み

  • 主要カード発行会社のポイント優遇サービス一覧
  • 主要カード会社の情報システム投資一覧

第Ⅴ章 新決済サービス及び周辺サービスの動向分析

  • 日本におけるコンタクトレス決済の動向
    • Apple Pay対応イシュアの状況
    • 主要事業者のApple Payへの取組み状況
    • Google Payの対応ブランドやイシュアの状況
    • 主要事業者のGoogle Payへの取組み状況
  • アメリカにおけるキャッシュレスの動向
  • アメリカにおけるコンタクトレス決済の状況
  • アメリカにおけるFinTech関連のトピックス
  • イギリスにおけるキャッシュレスの動向
  • 中国におけるキャッシュレスの状況
  • 主要カード会社のFinTechに関する取組み、考え方

第Ⅵ章 個別企業の実態

楽天カード、三菱UFJニコス、三井住友カード、イオンフィナンシャルサービス、JCB、クレディセゾン、トヨタファイナンス、セディナ、オリエントコーポレーション、NTTドコモ、ジャックス、エムアイカード、ワイジェイカード、セブン・カードサービス、ライフカード、UCS、アプラスフィナンシャル、ポケットカード、東急カード、ゆめカード、ユーシーカード

…ほか

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調査要綱

調査対象:主要カード発行会社等
調査期間:2018年8月~11月
調査方法:当社専門研究員による直接面談、電話によるヒアリング、郵送アンケート、文献調査併用

※クレジットカード市場とは:本調査におけるクレジットカード市場とは、国内のクレジットカード会員が国内外の店舗やオンラインショップ等におけるクレジットカードを利用したショッピングを対象とし、市場規模はクレジットカード発行元のショッピング取扱高(利用額)ベースで算出している。

<市場に含まれる商品・サービス>
クレジットカード

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高野 淳司(タカノ ジュンジ) 主任研究員
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