矢野経済研究所 ICT・金融ユニット

レポートサマリー
2019.01.07

3Dプリンタ世界市場に関する調査を実施(2018年)

大きく伸長する金属3Dプリンタ。3Dプリンタ世界市場は2021年には48万台を予測。

株式会社矢野経済研究所(代表取締役社長:水越孝)は、世界の3Dプリンタ市場の調査を実施し、需要分野別の動向、参入企業動向、将来展望を明らかにした。

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3Dプリンタ世界市場の概況

2017年の世界の3Dプリンタ市場規模は、前年比18.4%増の27万台(メーカー出荷数量ベース)となった。市場では60万円未満のローエンド3Dプリンタ(ローエンド 装置)と60万円以上のハイエンド3Dプリンタ(ハイエンド装置)の二極化が進行している。2018年は前年比16.7%増の31万5,000台を予測する。

3Dプリンタは装置や材料の進化によって欧米を中心に航空・宇宙や自動車、医療、家電、金型関連分野などで最終製品の造形や量産に向けた動きが活発である。試作やデザインの確認に留まりがちなローエンド装置は、STEAM教育に関心が高い教育機関などを中心に導入が増加しているものの、以前と比較すると成長は鈍化して いる。一方、ハイエンド装置については、特に金属を材料にする装置の伸びが顕著である。

また、2017年の世界の3Dプリンタ市場(メーカー出荷数量ベース)における日本の占める割合は3.5%で、この割合は2021年には2.0%にまで縮小すると予測する。 日本の3Dプリンタ活用に対する意識は今のところ海外と比較すると低いものとみられるが、最近はより多く、また様々なものを造形するために複数台の3Dプリンタを所有するユーザー企業が増加基調にあるほか、よりハイエンド装置へのリプレイス(更新・代替)需要もあるなど、3Dプリンタを活用することに一定のメリットを見出したユーザー企業における3Dプリンタへの活用意欲は増している。

※STEAM教育とはScience(科学)、Technology(技術)、Engineering(工学)、 Art(芸術)、Mathematics(数学)それぞれの単語の頭文字をとったもので、こ れらを重視する教育である。以前はSTEM教育であったが、デザイン思考の重要性などからArtが加わり、STEAM教育となった。

【図表:3Dプリンタの世界市場規模推移と予測 】

【図表:3Dプリンタの世界市場規模推移と予測 】
  • 矢野経済研究所調べ
  • 注:メーカー出荷数量ベース
  • 注:2018年以降は予測値
  • 注:CAGRは2015年から当該年までの年平均成長率

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3Dプリンタ世界市場の注目トピック

■問われているのは3Dプリンタを使いこなす力量
近年、ものづくり産業における競争力の源泉は品質や価格、納期ではなく、「モノ」を通じて市場にどのような付加価値をもたらすのか、という点に移りつつある。3Dプリンタは複雑な造形物を一体で作ることができるが、この特性を活かした設計等が行われないままになっているなど、日本のものづくりは3Dプリンタを活用しきれておらず、こうした変化に十分な対応ができていないように見受けられる。

国内における3Dプリンタ市場がこれまで以上のスピードで成長するためには、3Dプリンタを活用する上での付加価値の在り方や、こうしたものづくりの源泉を見極めた上で、3Dプリンタを活用できる人材育成などについて考えていく必要がある。

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3Dプリンタ世界市場の将来展望

3Dプリンタは造形や材料の交換等の自動化、遠隔モニタリング、造形サイズの大型化などが進み、製造工場にも組み込まれはじめている。3Dプリンタは他の工作機械と比較すると、精度等の観点で未だ劣るところもあるものの、従来技術と相互補完の関係を維持しながら装置、材料、ソフトウェアが三位一体で進化し、用途の拡大 とともに市場は成長を続けるものと考える。この背景には、中国において国が補助金を出して3Dプリンタを普及させる動きがあり、ポーランドにおいては政府系機関の資金を活用して3Dプリントセンターを設立するなど、国家戦略として3Dプリンタを普及させる政策等も継続して実施されていることがある。

こうしたなか、世界の3Dプリンタ市場規模(メーカー出荷数量ベース)の2015年から2021年までの年平均成長率(CAGR)は16.7%で推移し、2021年には48万台になると予測する。

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参考:このレポートに掲載されている主なデータ一覧

  • 3Dプリンタ市場規模(2015~2021年予測/世界/台数/売上高)
  • 3Dプリンタ市場規模(2015~2021年予測/国内/台数/売上高)
  • 3Dプリンタの出荷台数/売上高(2015~2021年予測/世界)
  • 3Dプリンタの出荷台数/売上高(2015~2021年予測/国内)
  • 世界に占める国内の3Dプリンタ出荷台数割合の推移(2015~2021年予測)
  • ローエンド/ハイエンド別 3Dプリンタの出荷台数(2017~2021年予測/国内)
  • 方式別 3Dプリンタの出荷台数推移(2017~2019年予測/国内)
  • 需要分野別 3Dプリンタの出荷台数推移(2017~2019年予測/国内)
  • 「Connected Industries」5つの重点取組分野
  • ビジネスモデルと消費スタイルを検討軸とした4シナリオ
  • 人材確保の状況
  • デジタル人材の業務上の必要性(規模別含む)
  • デジタル人材が業務上不要な理由(規模別含む)
  • 専門大学等の制度化
  • 社会人学生数の推移
  • 3Dプリンタ材料の世界市場規模推移と予測(2015~2020年予測)
  • 造形サービス売上高(2017~2021年予測/国内)
  • Ⅲ 企業個票
    • 株式会社アスペクト  
      • RaFaElⅡシリーズで使用可能な材料
    • 株式会社エイチ・ティー・エル
    • XYZプリンティングジャパン株式会社  
      • 2018年第3四半期から投入する産業用3Dプリンタ
    • シーメット株式会社
    • 株式会社ストラタシス・ジャパン
    • 株式会社スリーディー・システムズ・ジャパン
    • 株式会社ソディック
    • 株式会社ミマキエンジニアリング
    • 武藤工業株式会社
    • 株式会社リコー
    • 株式会社NTTデータエンジニアリングシステムズ
    • JBサービス株式会社
      • リモートAssist for 3D Printerの仕組み
    • 丸紅情報システムズ株式会社
    • オートデスク株式会社
      • オートデスクの積層造形ソリューション

      …ほか

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関連リンク

■レポートサマリー
3Dプリンタ世界市場に関する調査を実施(2016年)
3Dプリンタ世界市場に関する調査結果 2014

■アナリストオピニオン
デジタル人材の育成は急務
一般消費者層への3Dプリンタ普及

■同カテゴリー
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調査要綱

調査対象: 3Dプリンタメーカー、販売代理店、ソフトウェア関連企業等
調査期間:2018年8月~11月
調査方法:当社専門研究員による直接面談、電話・e-mailによるヒアリング、ならびに文献調査併用

※3Dプリンタとは:本調査における3Dプリンタとは、3次元データをもとに樹脂や金属などの積層によって、立体物を造形する装置を指し、 主な製品タイプとしては造形方式や使用する材料の違いにより、熱溶解積層方式、光造形方式、粉末焼結方式、インクジェット方式などがある。

<市場に含まれる商品・サービス>
ハードウェアの出荷台数

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