矢野経済研究所 ICT・金融ユニット

レポートサマリー
2018.12.05

国内クラウドファンディング(ソーシャルファンディング)市場の調査を実施(2018年)

2017年度の市場規模は新規プロジェクト支援額ベースで前年度比127.5%増の1,700億円。支援者数は延べ137万人。

株式会社矢野経済研究所(代表取締役社長:水越孝)は、2017年度の国内クラウドファンディング市場を調査し、市場規模(新規プロジェクト支援額)、新規支援プロジェクト件数、支援者数、類型別の動向、参入企業動向、将来展望を明らかにした。

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国内クラウドファンディング(ソーシャルファンディング)の市場規模

 

【図表:国内クラウドファンディングの新規プロジェクト支援額(市場規模)推移】

図表:国内クラウドファンディングの新規プロジェクト支援額(市場規模)推移
  • 矢野経済研究所推計
  • 注:年間の新規プロジェクト支援額ベース
  • 注:2018年度は見込値
  • 注:クラウドファンディング運営企業の扱い分野を見直したため、2016年度の全体および類型別の新規プロジェクト支援額を再算出した

2017年度(2017年4月~2018年3月)の国内クラウドファンディング市場規模は、新規プロジェクト支援額ベースで前年度比127.5%増の1,700億円と推計した。
類型別に新規プロジェクト支援額をみると、購入型が約100億円(構成比5.9%)、寄付型は約7億円(同0.4%)、ファンド型約50億円(同3.0%)、貸付型(ソーシャルレンディング)約1,534億円(同90.2%)、株式型が約9億円(同0.5%)となった。 最も構成比が高い類型は貸付型で、全体の9割を占め依然として市場拡大に大きく寄与している。購入型はサービス参入企業数が最も多いが構成比では5.9%であった。

市場拡大の背景には、貸付型の拡大のほか、一つには、2015年に金融商品取引法が改正され、非上場株式の発行を通じた資金調達を行なうための制度として創設された「株式型」が、2017年4月からサービス提供が始まったことがある。
また、地方自治体でのクラウドファンディング活用の広がりに加え、大手メディアや運輸業、製造業、物販業等々からの新規参入が続いており、サイト運営事業者と金融機関との事業連携も進み、資金調達の新たな門戸として定着しつつある。そのような中、インターネットを介して銀行取引が可能なネット銀行もファンド型で新規参入を果たしている。こうしたことなどから、今後さらに国内クラウドファンディング市場は拡大する見込みである。

【図表:2017年度の国内クラウドファンディングにおける類型別構成比】

図表:2017年度の国内クラウドファンディングにおける類型別構成比
  • 矢野経済研究所推計
  • 注:年間の新規プロジェクト支援額ベース

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国内クラウドファンディング(ソーシャルファンディング)の注目トピック

■購入型では大型プロジェクトの達成が続く
2017年度は新規プロジェクト支援者数が前年度比で倍増し、年度内で延べ137万人となり、15,321プロジェクトを支援した。中でも、購入型が大きく寄与しており、支援者数全体の58%(79万人)を占めた。

また、新規支援プロジェクト件数をみると、2016年度の購入型の件数シェアは約6割程度を占めていたが、2017年度は貸付型(ソーシャルレンディング)の件数が増加したことで、新規支援プロジェクト件数では購入型と貸付型が二分している。
貸付型については依然として、利回り競争が過熱しており、投資期間が比較的短期で支援者の投資意欲が旺盛なことから、組成本数の増加に拍車をかけている。
一方、 購入型では、2016年度に続き「地方活性化・創生」プロジェクトやものづくりなどの「プロダクト系」が件数増加を後押しした形となり、堅調に推移した。新規支援プロジェクトの傾向として、購入型は1プロジェクト当たり「10万円未満」の小規模のプロジェクトから、「1億円以上」の大規模プロジェクトまで幅広い成立実績がある。

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国内クラウドファンディング(ソーシャルファンディング)の将来展望

2018年度はいずれの類型も支援額は増加見込であり、2018年度の国内クラウドファンディング市場は新規プロジェクト支援額ベースで、前年度比20.3%増の2,044億円の見込みである。
特に、ファンド型においては、以前から扱われていた事業性ファンド等に加え、2017年に不動産特定共同事業法が改正され、小規模不動産に限ってインターネットで投資が出来る、クラウドファンディングを活用した投資環境が整う見込みで、不動産ファンドが扱えるようになることで拡大の見込みである。国土交通省の強い推進によって、不動産事業者が使いやすく、かつ投資家の保護を図る環境が整う見通しである。

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参考:このレポートに掲載されている主なデータ一覧

第Ⅰ章 総論編

  • 業界動向
    • 業界を取巻く環境と参入企業の動き
    • 業界と参入企業の主な動向
    • クラウドファンディング業界の類型別・サイト開設参入企業数推移
    • サイト開設年が判明した企業の類型別の構成
    • 資本金別の企業構成
    • 従業員数別の企業構成
    • 主なサイト
    • 主なサイトの類型別シェア
  • クラウドファンディングの市場規模
    • 市場規模(全体)(類型別)
    • 市場規模(類型別)の構成比推移
    • 各社の事業実績
    • 主な企業(サイト)の年間支援額推移
    • 類型別の支援額構成
    • 支援プロジェクト件数(全体)(類型別)
    • 支援プロジェクト件数(類型別)の構成比推移
    • 主な企業の年間支援プロジェクト件数推移
    • 年間支援者数の推移(全体)(類型別)
    • 年間支援者数(類型別)の構成比推移
    • 主な企業の年間支援者の推移
    • 各社の登録会員数
  • 将来展望
    • 業界展望、市場の見方
  • 業界の課題と自社の対策

第Ⅱ章 各論編

  • 経営戦略、事業戦略
    • 経営戦略、事業戦略の現状
    • 各社の経営戦略、事業戦略の課題
    • 経営戦略、事業戦略の今後
  • 業界内における各社の強み
  • 収益性、業績
    • 収益性、今後
    • 営業収益
    • 営業利益
    • 当期純利益
    • 手数料率
    • 投資者への平均利回り
  • 資金管理、決済、プロジェクト履行管理等
    • 支援者/投資者の決済手段
    • 資金管理、決済フロー
    • プロジェクト不成立時などの対応と管理
    • 区分管理の有無と方法、今後
    • 資金の不正流出防止対策
  • 顧客(支援者/投資者)情報の管理
    • 顧客情報の管理方法
    • 顧客情報流出に対するセキュリティ対策
  • プロジェクト政策(営業・販促面、情報発信・提供、ツール、他)
  • プロジェクトの動向変化の要因と背景
  • プロジェクトの成立方式
  • 法人と個人の割合と変化
  • ジャンル、業種・業態の割合と変化
  • コンセプト、支援内容の変化
  • 1件当たりの成立プロジェクト規模
  • 募集額の動向と変化
  • プロジェクトのターゲット層
  • サイトアップの基準(与信基準)
  • 達成率(サクセス率)
  • 達成率(サクセス率)向上のための施策
  • プロジェクト達成後/募集成立後のフォロー、リピート策
  • 不成立プロジェクトのフォロー
  • 海外企業(海外プロジェクト)への対応
  • 支援者/投資者政策(営業・販促面、情報発信・提供、ツール、他)
    • 支援者/投資者の年代、男女比
    • 1プロジェクト当たりの支援者1人当たり単価
    • 支援者の動向、変化
    • 支援/投資の促進策
    • 支援者のターゲット層
    • 既存支援者の囲い込みの施策
    • 海外在住者をサイト会員にすることへの是非と対応策
  • サイトの認知度アップ策
    • プロジェクトへの認知度アップ策
    • 年間新規顧客獲得数の推移
    • 支援者へのサイト認知度アップ策
  • レギュレーション対応へのコスト、技術対策(Reg Tech)
  • プロジェクト企業からみたクラウドファンディングの利用評価
  • クラウドファンディング利用の経緯
  • 利用サイトとサイト選定理由
  • 調達金額、調達期間、用途
  • 金融機関利用とサイト利用の比較におけるメリット、デメリット
  • サイト利用後に感じたサイトへの要望、改善点、利用の留意点
  • クラウドファンディングの今後の利用意向

    第Ⅲ章 個別企業編
    <サイト運営企業>

    • 購入型
      • 【Makuake】(株)マクアケ
      • 【Motion Gallery】(株)Motion Gallery
      • 【GREEN FUNDING】(株)ワンモア
      • 【A-port】(株)朝日新聞社
      • 【BOOSTER】(株)パルコ
      • 【COUNTDOWN】アレックス(株)
    • 株式型
      • 【EMERADA EQUITY】エメラダ(株)
    • ファンド型
      • 【Sony Bank GATE】ソニー銀行(株)
      • 【Crowd Realty】(株)クラウドリアルティ
      • 【ハロー! RENOVATION】(株)エンジョイワークス
      • 【小規模不動産特定共同事業者の国内初参入】
    • 貸付型
      • 【maneo】maneo(株)
      • 【Crowd Bank】日本クラウド証券(株)
      • 【LC LENDING】(株)LCレンディング
      • 【クラウドクレジット】クラウドクレジット(株)
      • 【J.LENDING】(株)ジャルコ

    <プロジェクト企業>

    • 自然動物公園 東筑波ユートピア【復活をかけた「イノシシ牧場」】

    …ほか

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調査要綱

調査対象:クラウドファンディング運営企業、利用企業等
調査期間:2018年8月~10月
調査方法:当社専門研究員による直接面談、ならびに電話・e-mail等によるヒアリングを併用

※クラウドファンディングとは:本調査におけるクラウドファンディングとは、資金を必要とするプロジェクト等がインターネットを介して不特定多数の人々から比較的少額な資金を調達する手段で、「購入型」、「寄付型」、「ファンド型」、「貸付型(ソーシャルレンディング)」、「株式型」を対象とし、年間の新規プロジェクト支援額を市場規模として算出した。
また、クラウドファンディング運営企業の扱い分野を見直したため、2016年度の全体および類型別の新規プロジェクト支援額を再算出した。

★ご注意:本リリースは、情報提供を目的としており、投資・支援その他の行動を勧誘し、特定企業を推奨するものではありません。

<市場に含まれる商品・サービス>
社会貢献、芸術、イベント、復興、地域創生、新技術・開発、製造・販売等への支援、事業者向け貸付、不動産投資、未上場株式投資

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