矢野経済研究所 ICT・金融ユニット

レポートサマリー
2018.09.18

EC決済サービス市場に関する調査を実施(2018年)

EC決済サービス市場規模は、前年度比7.2%増の見通し。後払い決済やID決済などの新決済サービスや利用率の拡大により、2022年度には18兆円規模を予測。

株式会社矢野経済研究所(代表取締役社長:水越孝)は、国内のEC決済サービス市場を調査し、現況、参入企業の動向、および将来展望を明らかにした。

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EC決済サービスの市場概況

経済産業省のデータによると、国内のEC市場規模(BtoC)は年々拡大をしている。スマートフォンの普及などもあり、ECサイトでは時間や場所を選ばずに、ショッピングができる環境が整っている。

決済代行業者やPSP(Payment Service Provider)は、EC加盟店向けの決済サービスを中心に展開してきたが、近年では、手数料率の引き下げ競争が続くなど、競争環境が激化しており、収益維持が厳しい状況となっている。そのため、決済サービスの提供に留まらず、加盟店におけるインターネット広告やCRM(Customer Relationship Management)の提案などのサイト集客支援や販促支援、トランザクションレンディング(決済を担保とした融資)などの融資サービス等により、決済手段以外の付加価値を提供することで差別化を図っている。また、このような決済関連事業は、加盟店の売上拡大支援となるため、加盟店の売上拡大による取扱高の向上につながり、決済代行業者やPSP自身の事業拡大に繋げている。

こうした要因などを背景に、2017年度のEC決済サービス市場規模(ECサイト向け決済サービス提供事業者の取扱高ベース)は、前年度比7.2%増の約10兆7,000億円の見通しである。

【図表:EC決済サービス市場規模推移と予測】

図表:EC決済サービス市場規模推移と予測
  • 矢野経済研究所推計
  • 注:ECサイト向け決済サービス提供事業者の取扱高ベース
  • 注:2017年度以降は予測値

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EC決済サービスの注目トピック

■新決済サービスの拡大
インターネットの進化やスマートフォンの普及に加え、クラウドの進展及びAPI(Application Programming Interface)経済圏の拡大の推進を背景に、オンライン決済サービスを提供するスタートアップ企業が増加している。新決済サービスにおいては、数行のコードを貼り付けるだけで、決済サービスを導入できるサービスも提供されており、決済サービスの導入障壁が格段に低くなっている。

また、グローバルで携帯通信事業者を統合して決済サービスを提供するキャリアビリングアグリゲーションサービス事業者に関しても、確実に拡大している。加えて、電話番号やメールアドレスなどで与信をして、加盟店の消費者向けに後払いサービスを提供する事業者においても、導入実績を積み上げており、さらなる成長を見込んでいる。今後台頭する可能性のある決済サービスとしては、クリプトカレンシー(仮想通貨)を活用した決済サービスがあげられる。

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EC決済サービスの将来展望

EC決済サービス市場は、EC市場(BtoC)の拡大基調の見通しを背景に、引き続き伸長すると考える。EC決済においては、後払い決済やID決済などの新決済サービスが拡大しており、今後も存在感を高めていくと予測する。決済領域の拡大に関しては、今まで現金決済が主流であった生活関連分野(公共料金や家賃、教育、冠婚葬祭など費用)における決済サービスの利用率の更なる拡大により、EC決済サービス市場も拡大基調を維持していくものとみる。

こうしたなか、2022年度のEC決済サービス市場規模(ECサイト向け決済サービス提供事業者の取扱高ベース)は、約18兆7,288億円まで拡大すると予測する。

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参考:このレポートに掲載されている主なデータ一覧

  • オンライン決済サービスプロバイダー市場の全体像
  • オンライン決済サービスプロバイダーの流通総額
  • アクワイアラーと加盟店の契約パターン
  • クレジット取引セキュリティ対策協議会の概念図
  • オンライン決済サービスプロバイダーの市場予測
  • EC市場推移
  • ECにおける決済サービス別の市場規模とシェア(2016年度)
  • 決済方式別シェア(2016年度)
  • EC市場規模予測
  • 主要参入企業一覧
  • EC決済サービス提供事業者の流通額(eコマースのみ)
  • 主要オンライン決済さーびスプロバイダーの実績
    • 取扱高とシェア
    • 営業収益推移
    • 決済件数
    • 加盟店数
  • 主要EC決済サービス提供事業者の決済方式一覧
  • 決済サービスプロバイダーの決済サービス拡充に関する取組み
  • 主要決済サービス提供事業者のECにおける重点分野と加盟店拡大のための取組み
  • 主要決済サービス提供事業者のリアル展開にむけた取組み
  • 主要サービス提供事業者の割賦販売方法の改正に伴うシステム投資の動向
  • 主要サービス提供事業者のFinTech関連サービスに関する取組み、見解
  • 主要サービス提供事業者の将来展望
  • 主要サービス提供事業者の課題
  • 主要決済代行業者のサービス動向
  • 主要決済代行業者のシステムやサービスの対応状況
  • EC決済市場規模予測
  • 流通額(eコマースのみ)予測
  • 主要決済サービスのポジショニング
  • EC決済におけるFinTech系のスタートアップの市場規模予測
  • 後払い決済サービス市場
    • 主要参入企業とサービス/開始時期一覧
    • 主要参入企業の本体事業分野別強味の傾向
    • 主要参入企業の主要提携先
    • 主要参入企業の料金体系
    • 決済額(取引金額推移)
    • 決済額(取引金額推移)2017年~2022年予測
  • 個別企業の実態
    GMOペイメントゲートウェイ、ソフトバンク・ペイメント・サービス、ヤマトフィナンシャル、佐川フィナンシャル、デジタルガレージ フィナンシャルテクノロジー・セグメント(ベリトランス/イーコンテクスト)、ソニーペイメントサービス、.ペイジェント、ゼウス、ネットプロテクションズ、ユニヴァ・ペイキャスト、ROBOT PAYMENT、ルミーズ、キャッチボール、エクスチェンジコーポレーション(PAIDY)、SPIKE、STRIPE、BOKU NETWORK SERVICES, INC

…ほか

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調査要綱

調査対象:ECサイト向けの決済サービス提供事業者、及び関連事業者等
調査期間:2017年12月~2018年2月
調査方法:当社専門研究員による直接面談、電話・e-mailによるヒアリング、ならびに文献調査併用

※EC決済サービス市場とは:本調査におけるEC決済サービスとは、ECサイト運営事業者と決済サービス提供事業者との間に入り、ECサイト運営事業者において発生する決済業務を代行するサービスをさす。本調査におけるEC決済サービス市場規模は、ECサイト向け決済サービス提供事業者の取扱高ベースで算出している。

<市場に含まれる商品・サービス>
PSP:ペイメントサービスプロバイダー、モバイル・キャリアビリング・アグリゲーター等を含む。

高野 淳司(タカノ ジュンジ) 主任研究員
数多くの取材を通して得ることの出来た「生の情報」を元に、お客様が抱えている問題にしっかり耳を傾け、もっとも効果的な解決方法を発見できる調査を提案することをモットーとしています。

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