矢野経済研究所 ICT・金融ユニット

レポートサマリー
2018.03.19

クラウド基盤(IaaS/PaaS)サービス市場に関する調査を実施(2018年)

パブリッククラウド「導入検討中」の34社中、12社がMicrosoft Azureを検討と回答。

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クラウド基盤(IaaS/PaaS)サービス市場概況と将来展望

【図表:クラウド基盤サービス(IaaS/PaaS)市場規模推移と予測】

【図表:クラウド基盤サービス(IaaS/PaaS)市場規模推移と予測】
  • 矢野経済研究所推計
  • 注:事業者売上高ベース
  • 注:市場規模にSaaS(Software as a Service)を含まない
  • 注:表中のCAGRは2015年から当該年までの年平均成長率
  • 注:2018年以降は予測値

2017年の国内クラウド基盤サービス市場は、前年比33.3%増の2,400億円(事業者売上高ベース)と引き続き大きく成長した。既存システムのクラウドへの「リフト&シフト」が市場を牽引し、クラウド基盤サービス市場は順調に伸長を続けている。さらに、近年は業務特性に合わせた利用方法として、ハイブリッドクラウドやマルチクラウドの活用が増加している。その背景には、ユーザー企業が複数のクラウドサービスを使い分けてベンダーロックインを回避することや、クラウドベンダー各社によるPaaSの機能差異化に伴ってシステムの価値が向上したこと、情報システム部門に依頼せずに各事業部門がクラウドを活用するシャドーITが増加していること等があると考える。

クラウド基盤サービス市場の拡大を後押しする動きの1つとして、2017年1月に大手金融グループがAmazon Web Services(AWS)の採用を発表したことが挙げられる。この発表の影響もあり、これまでパブリッククラウドの採用に消極的であった金融業が積極的な活用を始めており、さらに、この動きが他の業種にも波及している。そのため、2018年の同市場(同ベース)は、前年比29.2%増の3,100億円に達する見通しである。

今後は、「デジタルトランスフォーメーション」の進展に伴い、AIやIoTを活用したビジネスやそのトライアルの増加を理由として、既存ユーザー企業によるサービスの従量(使用量)が増加すると考える。また、エンタープライズ分野のシステム案件の増加に伴って、案件自体が大規模化することや、クラウドベンダーとユーザー企業が長期的な関係を構築できるようになる。こうした状況を背景として、クラウド基盤サービス市場は2018年以降も高成長を維持していき、2021年の同市場規模(同ベース)は、6,500億円に達すると予測する。

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クラウド基盤(IaaS/PaaS)サービス市場の注目すべき動向

【図表:導入検討中のパブリッククラウド上位3サービス】

【図表:導入検討中のパブリッククラウド上位3サービス】
  • 矢野経済研究所推計
  • 注:アンケート調査期間;2017年7月~8月、調査(集計)対象;国内民間企業および公的団体・機関などの法人517社のうちパブリッククラウドについて「導入検討中」と回答した34社、調査方法;郵送によるアンケート調査、複数回答、回答数の多い上位3サービスを抜粋した。

■法人アンケート調査ではおよそ35%がMicrosoft Azureを検討

本調査において、2017年7~8月に国内民間企業および公的団体・機関517社に対し、郵送によるアンケート調査を実施した。
そのうち、パブリッククラウドを「導入検討中」と回答した34社に検討中のサービス名称を尋ねたところ、「Microsoft Azure」(マイクロソフト)との回答が35.3%(12社)で1位となった。2位に「Amazon EC2」(Amazon Web Services、以下AWS)が23.5%(8社)、3位に「K5」(富士通)が11.8%(4社)で続いている。

Microsoft Azureは2014年に国内データセンターを開設して以降、衰えることなく高成長を続けており、その一因は、エンタープライズ用途における高い信頼にあると考える。一方、パブリッククラウドでは既にAWSを利用しているユーザー企業が多く、また同サービスも新規導入の際、必ず候補として名前が挙がるなどの認知度の高さを強みにユーザーを増やしていく。しかし、今後基幹系システムをパブリッククラウドに「リフト&シフト」するケースも増えていく中で、エンタープライズ用途に強みを持つMicrosoft Azureが本アンケート結果同様にユーザーを増やし続ければ、AWSとMicrosoft Azureの売上高シェアが逆転する可能性もあると考える。

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参考:このレポートに掲載されている主なデータ一覧

  • クラウドコンピューティングの分類
  • クラウド基盤(IaaS/PaaS)サービス売上高(2015~2021年予測)
  • クラウド基盤(IaaS/PaaS)サービス売上高シェア(2016~2018年予測)
  • 導入検討中のパブリッククラウド(トップ3)
  • パブリッククラウドの利用状況推移(2015~2017)
  • 「一切移行しない」の推移(2014~2017)
  • HCIとパブリッククラウドの比較
  • HCIへの参入意欲
  • クラウド基盤サービス(プライベート)売上高(2017~2021年予測)

■企業個票

  • 株式会社IDCフロンティア
    • IDCFクラウドの進化(2014年10月~2018年1月)
    • Pleasure Dataのサービスイメージ
  • アマゾン ウェブ サービス ジャパン株式会社
    • AWSのイノベーション
  • 株式会社インターネットイニシアティブ
    • IIJ統合運用管理サービス(概念図)
    • IIJ IoTサービス(概念図)
  • NTTコミュニケーションズ株式会社
    • Enterprise Cloudの特長
    • クラウドに関する主な協業(2017年)
  • さくらインターネット株式会社
    • リソースマネージャー概念図
  • GMOクラウド株式会社
    • GMOクラウドの「IoTプラットフォーム」概念図
  • 株式会社セールスフォース・ドットコム
  • 日本アイ・ビー・エム株式会社
    • IBM Cloud Private機能構成
  • 日本電気株式会社
    • NECのクラウドへの取り組み全体像
    • NEC Cloud PaaS体系
  • 日本マイクロソフト株式会社
    • Microsoft Azureのマーケットアプローチ
  • 株式会社日立製作所
    • エンタープライズクラウドサービスイメージ図
    • フェデレーテッドクラウドを支えるサービス
  • 富士通株式会社
    • 「Zinraiプラットフォームサービス」を使ってできること
  • 富士通クラウドテクノロジーズ株式会社
    • ニフクラIoTプラットフォーム概念図
  • クラウドエース株式会社
    • 主な導入運用支援プラン
    • 「IoT Ace」+「リユースPoC」提供概念図

…ほか

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関連リンク

■レポートサマリー
クラウド基盤サービス(IaaS/PaaS)市場に関する調査を実施(2016年)
クラウド基盤サービス(IaaS/PaaS)市場に関する調査結果 2015
クラウド基盤サービス(IaaS/PaaS)市場に関する調査結果 2014

■アナリストオピニオン
なるかクラウド基盤市場変革 妥協のないオラクルクラウド
クラウド基盤サービス(IaaS/PaaS)はキャズムを超えて普及期に突入

■同カテゴリー
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調査要綱

調査対象:国内クラウド基盤サービス提供事業者、国内民間企業等
調査期間:2017年7月~2018年3月
調査方法:当社専門研究員による直接面談、電話・e-mailによるヒアリングを併用、郵送によるアンケート調査

※クラウド基盤(IaaS/PaaS)サービスとは:本調査における IaaS(Infrastructure as a Service)、PaaS(Platform as a Service)とは、いずれもパブリッククラウド(サービス提供事業者のクラウド基盤)を利用し、インターネット経由で提供される仮想化技術、自動化技術等を施したクラウドコンピューティング環境をさす。市場規模は事業者売上高ベースにて算出した。なお SaaS(Software as a Service)は含まない。

※アンケート調査期間:2017年7月~8月、調査対象:国内民間企業および公的団体・機関などの法人517社、調査方法:郵送によるアンケート調査

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