矢野経済研究所 ICT・金融ユニット

レポートサマリー
2018.02.27

CAD/CAM/CAEシステム市場に関する調査を実施(2017年)

保守的な方針の企業が多く、エンジニアリング分野のクラウド化は大きなインパクトを与えるには至っていない。

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CAD/CAM/CAEシステム市場概況と展望

■2017年度のCAD/CAM/CAEシステム市場は前年度比3.5%増の見込
日本国内のCAD/CAM/CAEシステム市場規模(メーカー出荷金額ベース)は、2016年度は前年度比6.3%増となる3,513億円となった。2016年度は個人消費が伸び、公共投資も拡大したことから、景気は緩やかな回復を続けた。また、補正予算で採択された地域未来投資促進事業(革新的ものづくり・商業・サービス開発支援事業、いわゆる「ものづくり等補助金」)の影響などもあり、中小企業の製造業を中心とした設備投資は回復し、CAD/CAM/CAEシステム市場にも好影響を与えた。

2017年度については、雇用・所得環境が引き続き改善し、経済の好循環が進展するなかで、ひきつづき民需を中心とした景気回復が見込まれる。設備投資についても、生産の増加や企業収益の改善等により、前年度比3~4%程度の増加となると見込まれる。こうしたことを背景に、2017年度のCAD/CAM/CAEシステム市場(同ベース)は、3,637億円(前年度比3.5%増)になると見込む。

【図表:CAD/CAM/CAEシステム市場規模推移】

【図表:CAD/CAM/CAEシステム市場規模推移】
  • 矢野経済研究所推計
  • 注:CAD/CAM/CAEシステムメーカー出荷金額ベース
  • 注:2017年度は見込値

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CAD/CAM/CAEシステム市場の注目される動向

■時期尚早だったサブスクリプションへの移行
これまでのCAD/CAM/CAEシステムメーカーのビジネスモデルは、その大半がライセンス販売であったが、外資系大手ベンダーがサブスクリプション方式に切り替えつつある。サブスクリプション方式とは、ソフトウェアの利用形態のひとつで、ユーザーはソフトウェアを買い取るのではなく、一定期間のみ借りて、利用した期間に応じて料金を支払う方式である。
しかし、サブスクリプションへの移行は成功しているとはいえず、時期尚早だったと言えそうだ。サブスクリプション方式は、クラウド経由での提供を前提としたものとなるが、製造業を中心とした日本国内のユーザー企業は、エンジニアリング分野においては、まだクラウドを本格利用するに至っていない。同時に、日本国内のCAD/CAM/CAEシステム市場は、巨大な販売パートナーが多く、かつ、その多くが複数のCAD/CAM/CAEシステムメーカーとパートナー契約を結んでいる。サブスクリプション方式は販売パートナーにとってはメリットが乏しく、従来型の提供形態をとる他メーカー製品への移行提案が起こりやすい。

■CAD/CAM/CAEシステムと昨今のデジタル革命の動き
昨今、AIが注目されているが、CAD/CAM/CAEシステム市場においては、まだ大きなインパクトを与えてはいない。しかし、ディープラーニングのようなAIは画像処理と相性が良いことから、いずれ利用が進むと考えられる。利用方法としては、例えば、CAEの解析結果をポスト処理した後の画像に適用することで、簡単な一次スクリーニングを行うなどが考えられる。また、過去の図面データを読み込むことで、新たに設計するに際し、類似データを検索するといったことも可能になってくるだろう。
また、プラットフォーム化の進展も注目される動向であるが、上述したようにユーザー企業がエンジニアリング分野においてはクラウドコンピューティングに対し、まだまだ保守的な姿勢が残っているため、それほど大きなインパクトを与えていない。しかしながら、CAD/CAM/CAEシステムメーカー各社とも製造業向けのプラットフォームサービスを提供開始しており、いずれは移行していくものと考えられる。プラットフォームの成否はCAD/CAM/CAEシステム市場の業界地図を大きく変えうる可能性があることから、今後の動向が注目される。

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参考:このレポートに掲載されている主なデータ一覧

  • 主要CAD/CAM/CAEメーカー92社の売上高の積み上げ結果
  • アプリケーション分野別集計
  • 機械系CAD/CAM/CAEシステム
    • 機械系CAD/CAM/CAEメーカー64社の売上高積み上げ結果
    • 機械系CAD/CAM/CAE主要メーカー64社売上高ランキング
    • 機械系CAD/CAM/CAE アプリケーション分野別集計結果
    • ソフトウェア/サービス別集計結果
    • 2次元/3次元別集計結果
    • 各アプリケーション分野別集計
    • 機械系CAD/CAM/CAE主要ベンダー15社の売上高ランキング
  • EDAシステム
    • EDA主要メーカー9社の売上高積み上げ結果
    • EDA主要メーカー9社の売上高ランキング
    • EDAアプリケーション分野別集計結果
    • EDAソフトウェア/サービス別集計結果
    • アプリケーション分野別集計
  • 土木・建築系CADシステム
  • 土木・建築系CAD主要メーカー19社の売上高積み上げ結果
  • 土木・建築系CAD主要メーカー19社の売上高ランキング
  • 土木・建築系CAD アプリケーション分野別集計結果
  • 土木・建築系CADソフトウェア/サービス別集計結果
  • アプリケーション分野別集計
  • 機械系CAD/CAM/CAEシステムメーカー/ベンダー
    アンシス・ジャパン、ヴァイナス、エムエスシーソフトウェア、NTTデータエンジニアリングシステムズ、オートデスク、CAD SOLUTIONS、コダマ コーポレーション、C&Gシステムズ、シーメンスPLMソフトウェア、ジェービーエム、ソフトウェアクレイドル、ソリッドワークス・ジャパン、ダッソー・システムズ、電通国際情報サービス、日本ユニシスグループ、PTCジャパン、富士通(以上50音順)
  • EDAシステムメーカー
    ジーダット、図研、日本ケイデンス・デザイン・システムズ、日本シノプシス、メンター・グラフィックス・ジャパン(以上50音順)
  • 土木・建築系CADシステムメーカー
    福井コンピュータグループ、ベントレー・システムズ(以上50音順)

…ほか

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調査要綱

調査対象:機械系CAD/CAM/CAEシステムメーカー、EDA(Electronic Design Automation)システムメーカー、土木・建築系CADシステムメーカー
調査期間:2017年6月~11月
調査方法:当社専門研究員による直接面談及び電話・メールによるヒアリング

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