矢野経済研究所 ICT・金融ユニット

レポートサマリー
2018.02.23

アフィリエイト市場に関する調査を実施(2017年)

2017年度のアフィリエイト市場規模は前年度比113.5%の2,275億8,700万円の見込み。

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アフィリエイト市場の概況

広告主の出稿量の拡大とサービスに参入するASP(アフィリエイトサービスプロバイダ、以下ASP)の企業数の増加により、国内のアフィリエイト市場は拡大している。 近年、スマートフォンの普及により一般消費者のインターネット利用方法が多様化してきており、SNSやキュレーションメディアなどアフィリエイトの対象となるインターネットメディアも増加している。主要ASP各社の売上拡大の要因としては、広告主における成果報酬型広告の利用拡大があげられるとともに、アフィリエイトサイト側において、スマートフォン経由でのユーザー集客やコンバージョンの向上によるASPの売上拡大が挙げられる。
こうした状況により、2016年度の国内アフィリエイト市場規模を2,004億7,700万円(前年度比117.2%)と推計し、2017年度の同市場規模は2,275億8,700万円(前年度比113.5%)まで成長すると見込む。

【図表:国内アフィリエイト市場規模推移と予測】

【図表:国内アフィリエイト市場規模推移と予測】
  • 矢野経済研究所推計
  • 注:アフィリエイト市場規模は、アフィリエイト広告の成果報酬額、手数料、諸費用(初期費用、月額費用、オプション費用等)などを合算し算出した。
  • 注:2017年度は見込値、2018年度以降は予測値。

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アフィリエイト市場の注目すべき動向

■ITPへの対応が急務となるASP
ITP(Intelligent Tracking Prevention)とは、2017年9月にAppleがリリースしたブラウザ「Safari 11.0」にデフォルトで搭載されているトラッキング防止機能である。これにより、ASPは特定のブラウザを経由したトラッキングの利用が制限されることになる。具体的には、サードパーティー(ブラウザ使用者が訪問しているホームページ以外のドメイン名を持つ)の Cookieは24時間以上経過後からは使用できなくなるため、24時間以内にコンバージョンされない場合は、ASPはそれ以降のコンバージョンが把握できない。同機能はあくまでもブラウザ使用者のプライバシー保護のために作られたが、結果的にCookieを利用したトラッキングを使用するインターネット広告に大きな影響を与えている。
これに対し、ASP各社はCookieを使用しないトラッキング手法などの対応策を講じている。但し、現状、多くの広告主においては、アフィリエイト以外にも複数のインターネット広告を利用しており、その管理のためにワンタグシステムを導入している企業が多い。そのため、同トラッキング防止機能への対応はASPの範囲に留まらず、同じくサードパーティーとなるワンタグシステム提供事業者自身の対応も必要となってくる。

■金融分野での需要の拡大
主要大手ASP各社において、従来からのクレジットカードやカードローン用途に加え、証券会社やFX事業者、仮想通貨取引所など、アフィリエイトの採用が金融分野における新しい業種にまで拡大している。金融分野においては、広告主となる銀行やクレジットカード会社、仮想通貨取引所等でのアフィリエイトへの予算投入により、広告主内での広告予算に占めるアフィリエイトの割合が増えている。

■アフィリエイト向けのSaaSサービス提供事業者の台頭
アフィリエイト向けのSaaSサービスを提供する外資系のプラットフォーマーが存在感を増している。プラットフォーマーは、テクノロジーを駆使したソフトウェアを開発・活用し、広告主と広告掲載媒体を直接つなぐサービスを提供している。主たる特徴としては、広告主と広告掲載媒体の双方でデータの見える化ができる点や、外資系という強みを生かしグローバルでの利用が可能な点が挙げられる。費用対効果やマーケティングの自由度などから、自社でアフィリエイトを実施する広告主が増えると、トラッキングだけに強みを持つASPにおいては、アフィリエイト向けのSaaSサービスを提供するプラットフォーマーの存在は脅威となる可能性がある。

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アフィリエイト市場の将来予測

今後のEC市場のさらなる拡大によるEC分野の既存広告主の売上拡大に加え、新たにアフィリエイトを採用するその他分野の広告主が増えることが、アフィリエイト市場拡大に結び付くと予測する。
既存広告主に関しては、アフィリエイトが成果報酬型であり、費用対効果が高いことから、引き続き、アフィリエイト広告を継続的に利用していくと考える。新規広告主のアフィリエイト採用に関しては、美容・健康食品を中心としたEC分野や金融分野に留まらず、アフィリエイトへの認知拡大により、仮想通貨や単品ECサイトなど様々な需要分野においても新たにアフィリエイトを採用する動きがみられる。新規広告主と合わせて、アフィリエイトを利用する広告主数が拡大することが、アフィリエイト市場拡大につながる見通しである。
また、アフィリエイト向けのSaaSサービスを提供するプラットフォーマーのプレゼンスが高まっていくと、新規広告主のなかでも、自社が広告主となりアフィリエイトを提供する自社アフィリエイトを採用する企業が増えると考える。
これらの要因から、アフィリエイト市場は今後も確実に成長を続け、2021年度の国内アフィリエイト市場規模は4,058億円になると予測する。

※単品ECサイトとは、多数の商品を陳列する形式ではなく、商品を絞り込んで主力販売商品を明確にして、消費者に対して分かりやすく訴求するインターネット通販サイトである。

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参考:このレポートに掲載されている主なデータ一覧

第Ⅰ章 総論

  • アフィリエイト市場規模推移(2014年度~2017年度見込)   
  • アフィリエイト総市場規模   
  • PCアフィリエイト市場規模   
  • モバイルアフィリエイト市場規模
  • アフィリエイト市場規模予測(2018年度~2021年度予測)   
  • アフィリエイト総市場規模予測   
  • PCアフィリエイト市場規模予測   
  • モバイルアフィリエイト市場規模予測

第Ⅱ章 主要ASPの動向と戦略

  • アフィリエイト市場規模推移とシェア   
  • 市場規模推移(2014年度~2017年度見込)   
  • アフィリエイト市場シェア     
  • アフィリエイト市場シェア推移     
  • アフィリエイト市場シェア(2017年度見込)     
  • アフィリエイト市場シェア(2016年度)     
  • アフィリエイト市場シェア(2015年度)
  • 主要ASPの需要分野業種別構成比
  • アフィリエイト市場予測と将来展望   
  • アフィリエイト市場予測(2018年度~2021年度)
  • アフィリエイターの実態   
  • アフィリエイトを始めてからの年数   
  • アフィリエイト運営にかける時間   
  • ひと月のアフィリエイト収入   
  • アフィリエイト収入の増減

第Ⅲ章 主要ポイントサイトの動向と戦略

  • ポイントサイト/ポイントモール市場規模推移(2014年度~2017年度見込)
  • ポイントサイト/ポイントモール市場規模予測(2018年度~2021年度)

第Ⅳ章 参考資料

  • クレジットカードの市場規模推移
  • クレジットカード市場規模予測

…ほか

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関連リンク

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調査要綱

調査対象:主要アフィリエイトサービス事業者、ポイントサイト/ポイントモールサービス事業者
調査期間:2017年5月~12月
調査方法:当社専門研究員による直接面談、電話・e-mailによるヒアリング、ならびに文献調査併用

※アフィリエイトとは:アフィリエイトとは、Web サイトやSNS、メールマガジンなどに、ある企業サイトへの広告(リンク)を張り、閲覧者がそのリンクを経由して当該企業のサイトで会員登録したり商品を購入したり(コンバージョン)すると、WebサイトやSNS、メールマガジン(アフィリエイトサイト)のオーナーに成果の発生内容に応じて一定額の報酬が支払われるという広告手法を指す。 本調査におけるアフィリエイトとは、各種広告主とアフィリエイトサイトオーナーを仲介する代理店方式のASP(アフィリエイトサービスプロバイダ)型や、仮想ショッピングモール運営企業がアフィリエイト機能を提供するショッピングモール型、自社のショッピングサイトにある商品の販売促進を目的として、自社が広告主となりアフィリエイトを提供する独自型、ASPや広告主に対してアフィリエイトに必要なトラッキングシステムや分析ツールなどの機能を持つプラットフォームを提供するプラットフォーム型を対象とした。

※アフィリエイト市場とは:本調査におけるアフィリエイト市場は、アフィリエイト広告の成果報酬額、手数料、諸費用(初期費用、月額費用、オプション費用等)などを合算し、市場規模を算出した。

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高野 淳司(タカノ ジュンジ) 主任研究員
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