矢野経済研究所 ICT・金融ユニット

レポートサマリー
2018.01.17

FX(外国為替証拠金取引)の動向調査を実施(2017年)

FX(外国為替証拠金取引)は、英国のEU離脱決定、米大統領選など相場変動激しく、預り残高と口座数は増加、取引高は減少。

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FX(外国為替証拠金取引)の市場環境

  • 依然、市場規模は拡大。増収増益を続ける企業もあるが、取引高減少で減収。
    更なる収益の安定化をめざしてカバー収益の最適化、顧客基盤の拡大に注力。
  • 新商品開発、アライアンスによるグループ内でのワンストップ化で、FX専業からの脱却進む。
  • 法規制にらみ、更なるリスク管理体制強化、財務基盤強化を意識。

 

【図表:FX(外国為替証拠金取引)の市場動向】
【図表:FX(外国為替証拠金取引)の市場動向】
  • 矢野経済研究所作成

2017年3月期の店頭FX(外国為替証拠金取引)市場は、2016年1月末に決定した日本銀行によるマイナス金利の導入などを背景に急激な円高に見舞われ、顧客資産が減少したところから期初を迎えた。大手を含めた有力企業では2016年4月~5月までは預り証拠金が積み上がったものの、英国の国民投票によるEU離脱が決定した2016年6月は為替相場が激しく動いたことから預り証拠金残高は減少した。その後は2017年3月まで、米国大統領選挙や米国景気の動向などにより上下動の激しい1年となったが、先行き不透明感が拭われず相場動向の割には投資家の投資行動は様子見が続いた。 こうした環境下において業界各社では、投資行動を促進するため、スマートフォンの利用率が高まってきていることを背景にスマートフォン取引ツールの充実や、準富裕層の取り込み、法人顧客の開拓、異業種とのアライアンスによる取扱商品の多様化などにも一層注力し、新たな顧客層の開拓を進めた。 一方、法整備等の進展の動きもある。国際的な議論も背景にあるが、市場急変時に投資家が決済できずに、日本発の金融システム不安を誘発するのを未然に防ぐことを目的に、店頭FXにおけるレバレッジ規制強化への動きもあり、業界の緊張感が高まっている状況にある。

※準富裕層:一般的に金融業界では富裕層(総資産1億円超)の少し下のクラスであり、総資産数千万円あたりを所有する、中間層と富裕層の間をさす。

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FX(外国為替証拠金取引)の市場概況

店頭FX市場全体では、預り証拠金残高、口座数は増加したが、年間取引高は比較的高位で推移したものの、前年同期比で減少した。 上述した通り、相場変動要因となる事象が幾つか続いたが、先行きの不透明感が強かったことから投資行動をとりづらく、2017年3月期の市場規模(預り証拠金残高)は、顧客資産の増減もあり、前年同期比で4.8%増の1兆3,178億円であった。2017年3月期の口座数は依然増加基調にあるものの、鈍化傾向が強まり前年同期比で8.8%増の626.1万口座であった。2017年3月期の店頭FXの年間取引高は、前年同期比で3.4%減の4,835兆7,124億円(※百万通貨は1億円として換算)と推計した。

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FX(外国為替証拠金取引)の市場予測

【図表:FX(外国為替証拠金取引)の預り証拠金残高(市場規模)推移】
【図表:FX(外国為替証拠金取引)の預り証拠金残高(市場規模)推移】
  • 矢野経済研究所推計
  • 注:(予)は予測値
【図表:FX(外国為替証拠金取引)の口座数推移】
【図表:FX(外国為替証拠金取引)の口座数推移】
  • 矢野経済研究所推計
  • 注:(予)は予測値
【図表:FX(外国為替証拠金取引)の年間取引高推移】
【図表:FX(外国為替証拠金取引)の年間取引高推移】
  • 矢野経済研究所推計
  • 注:(予)は予測値

FX業界では、米ドル/円取引への偏重から新興国通貨などのスプレッド狭小化による分散投資を進めている。また、新たな投資家の開拓を図るため、商品の多様化、スマートフォン向けの取引ツールの充実も図られている。こうした企業姿勢や取引環境の向上、為替相場変動要因となる事象の発生などの動向から、2018年3月期の市場規模(預り証拠金残高)は前年同期比3.8%増の1兆3,674億円、口座数は同6.5%増の667.1万口座、また、年間取引高は2017年4~6月までの有力企業における取引高などから同11.2%減少の4,293兆円(※百万通貨は1億円として換算)を予測する。

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参考:このレポートに掲載されている主なデータ一覧

第Ⅰ章.総論編

  • 店頭FX取引の市場規模
    • 預り証拠金残高(市場規模)推移
    • 預り証拠金残高シェア
    • 口座数
    • 口座数シェア
    • 取引高
  • 取引高
    • 「くりっく365」の預り残高シェア
    • 「くりっく365」の口座数シェア
    • 「くりっく365」の取引高シェア

第Ⅱ章. 各論編

  • 収益性
    • 業績推移
    • 収益状況
  • 取引実績
    • 年間新規顧客獲得数
    • 実働口座
    • 1口座当たりの平均預り残高
    • 預り証拠金額帯別の構成
    • 通貨別取引額
    • 実効レバレッジ
  • 顧客属性
    • 年代別顧客構成
    • 男女別顧客構成
    • 男女・年代別の顧客構成
    • 職業別の顧客構成
  • cfd、バイナリーオプションの預り残高、口座数、取引高推移
    • CFD取引
    • バイナリーオプション取引

…ほか

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関連リンク

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調査要綱

調査期間:2017年10月~12月
調査対象:商品先物会社、FX専業会社、証券会社、ネット銀行等
調査方法:当社専門研究員による直接面談、ならびに電話・e-mail等によるヒアリングを併用

※外国為替証拠金取引(FX: Foreign Exchange)とは:1998年4月の外為法の改正を受けて登場した、国内初の個人投資家向け外貨売買の金融商品である。取引のしくみは、証拠金を担保にレバレッジをかけた取引額を想定元本として差金決済を行うものである。ここでは店頭FX(外国為替証拠金取引)市場を取り上げる。

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