矢野経済研究所 ICT・金融ユニット

レポートサマリー
2017.12.01

国内企業のIT投資に関する調査を実施(2017年)

進むデジタライゼーション 4割超の企業でIT活用の割合が増加と回答。

2017年度のIT市場規模は前年度比2.0%増と予測、投資対象はAIやIoTへ

【図表:国内民間IT市場規模推移と予測】

【図表:国内民間IT市場規模推移と予測】
  • 矢野経済研究所推計
  • 注:2013~2016年度は経済産業省および総務省の調査を基に弊社推計値
  • 注:会計年度、且つIT投資額ベース
  • 注:2017年度以降は予測値
  • 注:IT市場規模にはハードウェアとともに、スクラッチ開発とパッケージ導入(カスタマイズを含む)などのソフトウェアや、保守関連や運用管理・アウトソーシングなどのサービス、ASP・クラウドなどのオンライン・サービス、回線利用料、その他コンサルティングなどを含む。

国内民間企業のIT市場規模(ハード・ソフト・サービス含む)は、2016年度が前年度比2.8%増の11兆8,800億円と推計した。今後は、2017年度が前年度比2.0%増の12兆1,170億円、2018年度は前年度比1.5%増の12兆3,000億円、2019年度は前年度比0.8%増の12兆4,000億円になると予測する。

市場を牽引してきた金融機関を中心とした大型の基幹システム等の更新・開発案件が2016年度にピークアウトしたため、国内民間企業のIT市場規模は拡大基調にあるものの、そのスピードは2017年度以降、緩やかになると予測する。2017年度以降のIT投資ではAIやIoTの分野が投資対象になっており、これらのテーマを中心とした案件が大手ITベンダーのシステムインテグレーションビジネスの堅調な推移につながっていく見込みである。また、セキュリティの強化やワークスタイル変革に関する取り組みや、東京オリンピック・パラリンピックの開催に向けたシステム開発案件、Windows7のサポート終了(2020年1月予定)によるパソコンのリプレイスなども市場の成長を後押しすると考える。一方で、2019年10月に予定されている8%から10%への消費増税による投資計画の前倒しや、投資金額縮小の可能性には留意が必要である。

法人アンケート調査結果では、4割超の企業でIT関与の割合が増加

【図表:新商品/サービスの開発に向けたITの関与割合の変化(4~5年程度前との比較)】

【図表:新商品/サービスの開発に向けたITの関与割合の変化(4~5年程度前との比較)】
  • 矢野経済研究所作成
  • 注:アンケート調査期間;2017年7月~8月、調査(集計)対象;国内民間企業および公的団体・機関などの法人508社、調査方法;郵送によるアンケート調査、単数回答
  • 注:四捨五入のため、図内の合計・比率が一部異なる

本調査において実施した法人アンケート調査では、以下の通り、新商品/サービスの企画・開発・製造などにデジタル(IT)を適用するデジタライゼーションが活発化している結果となった。
まず、新商品/サービスの開発などにITが関与する割合の変化を、4~5年程度前と比較して尋ねたところ、「大きく増えた」と「少し増えた」との回答の合計が40.6%となり、実に4割を超える企業が新商品/サービスなどの開発などでこれまで以上にITを活用していることがわかった。回答企業の業種別にみると、特に「加工組立製造業」や「金融業」でこの傾向が顕著になっており、インダストリー4.0やフィンテック(FinTech)の影響であると考える。

また、近年、新商品/サービスの開発に際し、自社単独で行うのではなく、例えば自社にはない技術を持つ企業を買収する、専門知識を持つ企業(例えばコンサルティング会社など)の力を得る、オープンイノベーションなどの形で、自社単独ではなく、社外の力を積極的に取りいれようとする動きが見受けられる。各企業に、新商品/サービスの開発などに外部リソースを活用する割合の変化を、4~5年程度前と比較して尋ねたところ、こうした機会が「大きく増えた」「少し増えた」と回答した企業は合わせて25.0%となった。

【図表:新商品/サービスの開発に向けた外部リソース活用割合の変化(4~5年程度前との比較)】

【図表:新商品/サービスの開発に向けた外部リソース活用割合の変化(4~5年程度前との比較)】
  • 矢野経済研究所作成
  • 注:アンケート調査期間;2017年7月~8月、調査(集計)対象;国内民間企業および公的団体・機関などの法人501社、調査方法;郵送によるアンケート調査、単数回答
  • 注:四捨五入のため、図内の合計・比率が一部異なる

最後に、外部リソース活用の狙いについて、以下の選択肢から回答したもらったところ、「自社だけでは思いつかないアイデアを発見したい」が36.7%と最も大きな割合になっており、「他企業の事例が知りたい」は25.1%、「先端ITテクノロジーを活用したい」が18.5%と続いた。

従業員数規模別にみると、従業員数1,000人以上の大手企業では「他企業の事例が知りたい」よりも「先端ITテクノロジーを活用したい」の割合の方が大きくなっており、新しいことに挑戦する意欲をうかがうことができる。デジタル(IT)を適用することで、イノベーションを起こす取り組みは一長一短にいかないことが多い。そのため、中堅以下の規模の企業では体力的な問題から、他企業の事例を参考にせざるを得ないところもあると考える。

【図表:新商品/サービスの開発に向けた外部リソース活用の狙い】

【図表:新商品/サービスの開発に向けた外部リソース活用の狙い】
  • 矢野経済研究所作成
  • 注:アンケート調査期間;2017年7月~8月、調査(集計)対象;国内民間企業および公的団体・機関などの法人406社、調査方法;郵送によるアンケート調査、複数回答

関連リンク

■レポートサマリ
国内企業のIT 投資に関する調査を実施(2016年)
国内企業のIT投資に関する調査結果 2015
国内企業のIT投資に関する調査結果 2014
国内企業のIT投資に関する調査結果 2013


調査要綱

調査期間:2017年7月~10月
調査対象:国内の企業、公的団体・機関等
調査方法:民間企業、および公的団体・機関等に対する郵送アンケート、および文献調査併用

<本調査における国内民間企業のIT投資市場規模>
本調査では国内民間企業のIT投資市場規模について、経済産業省および総務省の調査を基に、当社の民間企業に対するIT投資に関するアンケート調査結果※を加味し、国内民間企業のIT投資額ベースにて算出した。

<アンケート調査期間>
2017年7月~8月、調査対象:国内民間企業、および公的機関・団体517件、調査方法:郵送によるアンケート調査

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