矢野経済研究所 ICT・金融ユニット

レポートサマリー
2017.04.14

国内M2M(機器間通信)市場に関する調査を実施(2017年)

エネルギー関連や工場設備・生産機械での遠隔モニタリングなど利用分野が拡大。今後はIoTビジネスについても大きく伸長する見通しである。

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国内M2M(機器間通信)市場の背景

M2M(Machine to Machine:機器間通信)とは、人が介在せずに、主に携帯電話/PHS通信規格に準じた通信モジュールを内蔵した機器・デバイス間で情報のやり取りをする仕組みであり、自動販売機やエレベータ、重機・建機などの監視や各種環境計測等でこれまで利用されてきた。

近年、M2Mはスマートメーターなどエネルギー関連や工場設備・生産機械での遠隔モニタリングなど利用分野が拡大しているが、同時にインターネット接続環境にある全てのモノやコトを対象とするIoTプラットフォームを利用したサービスやビジネスの利用も始まっており、今後IoTビジネスについても大きく伸長する見通しである。

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国内M2M(機器間通信)市場の概況・予測

【図表:国内M2M市場規模予測】

【図表:国内M2M市場規模予測】
  • 矢野経済研究所推計
  • 注:事業者売上高ベース。
  • 注:M2Mを実現するためのデバイスやモジュール、システム構築やアプリケーション開発、回線利用料、M2M/IoTプラットフォーム利用料、データ解析・アナリティクス等のソリューション、運用・保守サービスなどを対象として算出した。
  • 注:2016年度は見込値、2017年度以降は予測値。

M2M需要は堅調に推移しており、2015年度の国内M2M市場規模(事業者売上高ベース)は1,610億円となった。2016年度も前年度同様に上位事業者の事業拡大やMVNO(仮想移動体通信事業者)によるサービス多様化などが功を奏している他、M2Mの利活用が中堅規模のユーザ企業にも浸透したことや設備・機器監視や流通・物流関連でもM2M需要拡大が続いている。一方でデバイス単価や回線利用料、運用・保守サポート料などの低価格化が見られるものの、2016年度の同市場規模は前年度比106.2%の1,710億円の見込みである。

2017年度以降も、引き続きスマートメーター/HEMSの普及などエネルギー関連が牽引役となる他、工場設備や生産機械での遠隔モニタリングなどの設備・機器監視や決済関連の更新需要等が発生する見込みの流通・物流関連の需要拡大が続き、2021年度の国内M2M市場規模(同ベース)は2,000億円になると予測する。

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国内M2M(機器間通信)の注目すべき動向

■分野別の国内M2M回線利用動向

2015年度末の国内M2M累計回線数1,690万回線を分野別にみると、エネルギー関連が480万回線(構成比28.4%)と最も多かった。以下、設備・機器監視(同22.5%)、流通・物流関連(同20.1%)、自動車関連(同17.2%)、その他(同11.8%)と続いている。

エネルギー関連分野では、スマートメーター/HEMSの普及に連動して需要が拡大し、引き続きM2M回線数が増加している。当面はスマートメーターの設置拡大並びにHEMSの普及が見込まれるため、国内M2M市場の牽引役を務めると見る。

設備・機器監視分野では、自動販売機やエレベータ、重機・建機など従来からのレガシーな存在であるM2Mが安定需要を維持していることに加え、ここ1~2年で工場設備や生産機械での遠隔モニタリング向けや保全・メンテナンス向けM2M需要が拡大している。

流通・物流関連分野では、自動販売機での電子マネー決済やPOSレジ、駐車場等各種精算機等での新規および更新需要など決済関連、店舗や倉庫での温度管理等の省エネ対応/エネルギー管理、車両運行管理やトラッキング、店舗内物品管理やバックヤードでの監視業務、デジタルサイネージ等のデジタルマーケティングなどにM2M活用が進んでいる。

自動車関連では、テレマティクス/コネクテッドカーや車両整備など、カーシェアリング関連(車載モジュールとデータセンター間通信など)、クラウドタイプのネットワーク型デジタルタコグラフなどの位置情報関連でM2M利用が拡大している。

その他では、環境計測、インフラ監視、防災監視、ホームセキュリティ、ヘルスケアサービス(健康モニタリング)、ペットや高齢者等の各種見守りサービスなどでのM2M利活用がある。

【図表:利用分野別の国内M2M累計回線数(2015年度末)】

【図表:利用分野別の国内M2M累計回線数(2015年度末)】
  • 矢野経済研究所推計
  • 注:M2M累計回線数(2016年3月末現在)
  • 注:M2M回線を以下の利用分野別に分類した。
  • ・エネルギー関連・・・スマートメーター、HEMS、BEMS、スマートグリッド、EV・PHV向け充電、空調コントロールなど
  • ・設備・機器監視・・・製造工場など産業分野での遠隔監視・制御、重機・建機、エレベータ、自動販売機など
  • ・流通・物流関連・・・決済関連、店舗・倉庫内温度管理やモニタリング、車両トラッキング、店舗エネルギー監視、店舗防犯・セキュリティ、デジタルマーケティングなど
  • ・自動車関連・・・テレマティクス/コネクテッドカー、車両整備、カーシェアリングなど
  • ・その他・・・河川・火山など各種環境計測、橋梁や道路・大規模構造物などのインフラ監視、防災監視、ホームセキュリティ、MFP[Multifunction Peripheral;プリンタやスキャナなどの複合機能を持つOA機器]、ヘルスケアサービス(健康モニタリング)、ペットや高齢者等の各種見守りサービスなど

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参考:このレポートに掲載されている主なデータ一覧

  • IoTが生み出す付加価値・サービス
  • IoTが急速に拡大する背景要因:再掲
  • IoTとM2Mの関係:再掲
  • M2MからIoTでのビジネス領域拡大:再掲
  • IoT/M2Mビジネスの構造
  • 国内M2M市場規模推移(M2M売上ベース:2012~2021年度予測)
  • 国内M2M市場規模推移(累計M2M回線数ベース:2012~2021年度予測)
  • 世界M2M市場規模推移(M2M関連売上ベース:2012~2021年度予測)
  • 世界M2M市場規模推移(累計M2M回線数ベース:2012~2021年度予測)
  • 国内M2M市場の内訳(2015年度)
  • 世界M2M市場の内訳(2015年度)
  • カテゴリー別のM2M市場規模推移(国内累計回線数):再掲
  • カテゴリー別のM2M構成推移
  • IoT/M2M事業の位置づけ
  • IoT/M2M事業の展開状況
  • IoT/M2M事業でのターゲット
  • IoT/M2Mサービスメニュー
  • IoT/M2Mでの事業目標
  • IoT/M2M関連での主な標準化団体
  • IoTセキュリティでの問題点・課題
  • IoTセキュリティ関連での業界別ガイドライン
  • アナリティクス・解析/AI活用の可能性
  • タイプ別LPWAの特徴
  • SIGFOXの概要
  • LoRaWANサービスの概要
  • 主要MVNO一覧
  • センサーネットワークとIoT/M2M
  • 主要海外事業者
  • オフィス/流通でのIoT潜在需要関連基礎データ①
  • オフィス/流通でのIoT潜在需要関連基礎データ②
  • 「省エネルギー技術戦略2016」における14の重要技術分野
  • 「省エネルギー技術戦略2016」の重要技術
  • オフィス/流通でのIoT事例
  • ヘルスケア・健康管理/医療・介護でのIoT潜在需要関連基礎データ①
  • ヘルスケア・健康管理/医療・介護でのIoT潜在需要関連基礎データ②
  • ヘルスケア・健康管理/医療・介護でのIoT潜在需要関連基礎データ③
  • ヘルスケア・健康管理/医療・介護でのIoT事例
  • 自動車でのIoT潜在需要関連基礎データ
  • 自動車/パーキング関連でのIoT事例
  • 農業・畜産でのIoT潜在需要関連基礎データ①
  • 農業・畜産でのIoT潜在需要関連基礎データ②
  • 農業・畜産関連でのIoT事例
  • 運輸・物流でのIoT潜在需要関連基礎データ①
  • 運輸・物流でのIoT潜在需要関連基礎データ②
  • 運輸・物流関連でのIoT事例
  • エネルギー関連でのM2M市場規模推移(累計回線数ベース:2014~2021年度予測)
  • エネルギー関連でのM2Mアプリケーション
  • 流通/物流関連でのM2M市場規模推移(累計回線数ベース:2014~2021年度予測)
  • 設備・機器監視分野でのM2M市場規模推移(累計回線数ベース:2014~2021年度予測)
  • 工場におけるM2M活用事例
  • 自動車関連でのM2M市場規模推移(累計回線数ベース:2014~2021年度予測)
  • 自動車分野でのM2M/IoTアプリケーション
  • 自動運転レベルの整理
  • その他分野でのM2M市場規模推移(累計回線数ベース:2014~2021年度予測)
  • 厳しい作業環境のある現場
  • カウンターチャージモデルでのアプリケーション
  • 国内企業
    • KDDI(株)
    • (株)NTTドコモ
    • (株)インターネットイニシアティブ
    • エヌ・ティ・ティ・コミュニケーションズ(株)
    • (株)エヌ・ティ・ティ・データ
    • 京セラコミュニケーションシステム(株)
    • ソフトバンクグループ(株)
    • (株)ソラコム
    • (株)東芝
    • 日本システムウエア(株)
    • 日本ユニシス(株)/ユニアデックス(株)
    • 日本電気(株)
    • (株)日立製作所
    • 富士通(株)
    • 三井物産エレクトロニクス(株)
  • 海外企業
    • Digi International(米国)
    • Ericsson(スウェーデン)
    • Cisco Jasper(アメリカ)
    • PTC(Parametric Technology Corporation:アメリカ)
    • Telefonica,S.A.(スペイン)
    • Telenorグループ(ノルウェー)

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関連リンク

■レポートサマリ
国内M2M市場に関する調査を実施(2016年)
M2M(機器間通信)世界市場に関する調査結果 2014

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調査要綱

調査期間:2016年12月~2017年3月
調査対象:国内外のIT事業者、SIer、通信事業者(キャリア)、MVNO(Mobile Virtual Network Operator:仮想移動体通信事業者)、プラットフォームベンダー、ユーザ企業等
調査方法:当社専門研究員による直接面談、電話・e-mailによるヒアリング、ならびに文献調査を併用

※M2Mとは:本調査におけるM2M(Machine to Machine:機器間通信)とは、人が介在せずに、主に携帯電話/PHS通信規格に準じた通信モジュールを内蔵した機器・デバイス間で情報のやり取りをする仕組みを指す。

※M2M市場とは: 本調査におけるM2M市場規模は、M2Mを実現するためのデバイスやモジュール、システム構築やアプリケーション開発、回線利用料、M2M/IoTプラットフォーム利用料、データ解析・アナリティクス等のソリューション、運用・保守サービスなどを対象として算出した。

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