矢野経済研究所 ICT・金融ユニット

レポートサマリー
2016.07.20

センサーネットワークシステム数を予測(2016年)

IoTに牽引されたセンサーネットワークシステム設置数の拡大を予測。

国内センサーネットワークシステム市場の背景・概況

IoT(Internet of Things;モノのインターネット)によるイノベーションを実現するためには、さまざまな情報をインターネットや専用回線等を通じて収集・蓄積(ビックデータ化)し、それらのデータを解析して、新たな価値を生み出すことが必要となる。さまざまな情報(モノ情報/ヒト情報/コト情報)は、パソコンやスマートフォン、OA機器などの情報機器だけでなく、家電や住宅/ビル設備、自動車や建設機械などの輸送機器、各種の生産設備や監視/観測装置などでも収集される。センサーネットワークシステムは、これらの機器や設備の中に組み込まれるだけでなく、システム単体でも利用されており、IoT実現のための重要な要素技術の一つである。

2015年度の国内センサーネットワークシステム市場は堅調に推移しており、エンドユーザー設置数量ベースで前年度比6.8%増の59.3万システムとなった。2015年度はHEMS(Home Energy Management System、以下HEMS)などのエネルギー管理及び機械警備などのセキュリティ関連が好調であったほか、センサータイプの盗難防止装置などの自動車関連も堅調であった。一方で、期待の大きな道路・インフラ関連や工場・製造関連、農業・畜産関連では実用化された案件は限定されており、現状においては実証試験が主体となっている。

センサーネットワークシステム市場は、2016年度以降もエネルギー管理及びセキュリティ関連、自動車関連が牽引役となり、拡大基調が続く見通しである。また、2017~2018年度頃からは介護施設や在宅介護での見守り系サービス用途が拡大していき、2020年度のセンサーネットワークシステム市場は、エンドユーザー設置数量ベースで136.4万システムになると予測する。

【図表:国内センサーネットワークシステム市場予測】

【図表:国内センサーネットワークシステム市場予測】
  • 矢野経済研究所推計
  • 注:本調査におけるセンサーネットワークとは、親機(中継器)と子機(センサーノード)で構成されるネットワークシステムを指す。親機と子機の間では、有線や無線(ワイヤレス)で通信が行われる。但し、センサーとデータロガーだけで構成され、スタンドアロンで利用されている装置やスマートフォン等のスマートデバイス、RFID(Radio Frequency Identification)システムは含まない。
  • 注:エンドユーザー設置数量ベース
  • 注:2016年度は見込値、2017年度以降は予測値

注目すべき国内センサーネットワークシステム市場の動向~用途別の国内センサーネットワークシステム数~

本調査においては、エネルギー管理や道路・インフラ関連、工場・製造関連、セキュリティ関連、農業・畜産関連、ヘルスケア関連、流通関連、自然・環境観測、自動車関連の9カテゴリーで利用されているセンサーネットワークシステムを対象としている。

2015年度の国内センサーネットワークシステム市場(エンドユーザー設置数量ベース)を用途別にみると、住宅での機械警備装置向けが構成比30.7%、オフィスビルや店舗、工場など非住宅の機械警備装置向けが同25.8%、センサータイプの自動車盗難防止装置向けが同17.7%、HEMS向けは同17.4%と続き、これらで91.6%を占めた。センサーネットワークシステムは、未だ本格的な普及前の黎明期にあり、2015年度においては、既に普及段階にある一部の用途向けで大きな割合を占める結果となった。

機械警備装置は、主装置を親機として、窓やドア、火災検知器、ガス検知器などに設置した各種センサーを子機としたセンサーネットワークシステムで構成される。また、自動車関連については、センサータイプの盗難防止装置向けが防犯意識の高まりから今後も拡大が続くとみられる。TPMS(Tire Pressure Monitoring System)向けも、国内市場において新車への搭載が進めば、既存車両にも普及していく可能性はあると考える。HEMS向けやBEMS(Building Energy Management System)向けのエネルギー管理では、「エネルギー管理システム導入促進事業費補助金」が導入の後押しをしてきた。エネルギー管理においては、他にもCVS(コンビニエンスストア)やドラッグストア等の店舗で10%程の電気代削減効果を実現できれば、センサーネットワークシステムの導入可能性が高まる。

【図表:国内センサーネットワークシステム設置数の用途別構成比(2015年度)】

【図表:国内センサーネットワークシステム設置数の用途別構成比(2015年度)】
  • 矢野経済研究所推計
  • 注:エンドユーザー設置数量ベース
  • 注:本調査では以下の9カテゴリーを対象とした。
  • ・エネルギー管理……HEMS(Home Energy Management System)、BEMS(Building Energy Management System)、CVS(コンビニエンスストア)やドラッグストア等の店舗でのエネルギー管理システムなど
  • ・道路・インフラ関連……道路のり面(崩落の危険個所)、橋梁、トンネル等でのモニタリング/データ収集システムなど
  • ・工場・製造関連……機器・設備の保守管理[CBM(状態基準保全)]、FA/スマート工場向け、品質管理/工程管理システムなど
  • ・セキュリティ関連……住宅や非住宅での機械警備、高齢世帯向けセキュリティシステムなど
  • ・農業・畜産関連……施設園芸、植物工場、圃場(田畑)、肉牛農家、乳牛農家、養豚農家等で利用されるシステムなど
  • ・ヘルスケア関連……介護施設や在宅介護での見守り系サービス、在宅患者モニタリング、メタボ・肥満監視/PHR(Personal Health Records)システムなど
  • ・流通関連……流通業や物流業/宅配業者等で利用するトラッキング・トレーサビリティシステムなど
  • ・自然・環境観測……気象観測、大気汚染・花粉・放射線監視、火山・地震監視、災害監視システムなど
  • ・自動車関連……TPMS(Tire Pressure Monitoring System;タイヤ空気圧監視システム)、センサータイプの自動車盗難防止システムなど

調査要綱

調査期間:2015年9月~2016年6月
調査対象:IT事業者/SIer、通信事業者(キャリア)、デバイスメーカー、公的研究機関等
調査方法:当社専門研究員による直接面談調査、電話・e-mailによるヒアリング、ならびに文献調査を併用

※センサーネットワークとは:本調査におけるセンサーネットワークとは、親機(中継器)と子機(センサーノード)で構成されるネットワークシステムを指す。親機は子機が収集した情報(データ)を、直接もしくはゲートウェイ経由でサーバやパソコンなどに送信する中継機能を持ち、子機は「センサー、CPU、通信機、電源(AC電源含む)、組み込みソフトウェア」などから構成されるセンサーノードを指す。親機と子機の間では、有線や無線(ワイヤレス)で通信が行われる。但し、センサーとデータロガーだけで構成され、スタンドアロンで利用されている装置やスマートフォン等のスマートデバイス、RFID(Radio Frequency Identification)システムは含まない。
センサーネットワークシステムは、エネルギー管理や道路・インフラ関連、工場・製造関連、セキュリティ関連、農業・畜産関連、ヘルスケア関連、流通関連、自然・環境観測、自動車関連などで利用されており、本調査ではこれらの9カテゴリーで利用されているシステムを対象とした。

早川 泰弘(ハヤカワ ヤスヒロ) 上級研究員
産業調査/マーケティング業務は、「机上ではなく、現場を回ることで本当のニーズ、本当の情報、本当の回答」が見つかるとの信念のもと、関係者各位との緊密な関係構築に努めていきます。日々勉強と研鑽を積みながら、IT業界の発展に資する情報発信を目指していきます。

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