矢野経済研究所 ICT・金融ユニット

レポートサマリー
2016.04.11

国内M2M市場に関する調査を実施(2016年)

流通分野及び設備・機械監視分野で、新たな需要。品質管理などを目的とした店舗内トラッキングでも、M2Mの導入が進む。

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国内M2M(機器間通信)の市場概況

2014年度の国内M2M市場は堅調に推移しており、累計金額ベースで1,490億円となった。2015年度はM2M回線ビジネスでの上位事業者が順調に業容を拡大した他、ビジネス環境が整ってきたMVNO(仮想移動体通信事業者)においても、多様なサービスが開始された。一方で、設備機器・監視分野や自動車関連分野ではエネルギー分野ほどの伸びを見せなかったこともあり、伸び率自体はやや鈍化する傾向にある。2015年度の国内M2M市場規模は、累計金額ベースで1,620億円を見込む。

国内M2M市場は、2016年度以降も依然としてエネルギー分野が牽引役となり、拡大基調が続くものの、今後はM2M回線あたりの単価が低下する見通しであることから、市場拡大にはややブレーキがかかり、2020年度の同市場規模は累計金額ベースで2,000億円になると予測する。

【図表:国内M2M市場規模予測(累計金額ベース)】

【図表:国内M2M市場規模予測(累計金額ベース)】
  • 矢野経済研究所推計
  • 注:M2M市場規模は、M2Mを実現するための、デバイスやモジュール、M2Mプラットフォーム、システム構築やアプリケーション開発、回線利用料、データ解析・制御などのソリューション、運用・保守サービスなどを対象とし、累計金額ベースで算出した。
  • 注:2015年度は見込値、2016年度以降は予測値

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国内M2M(機器間通信)の注目すべき動向

■分野別の国内M2M累計回線数
2014年度末の国内M2M累計回線数を分野別にみると、「エネルギー関連」が410万回線(構成比27.0%)と最も多かった。以下、「設備・機器監視(同23.0%)」「流通関係(同20.4%)」「自動車関連(同17.8%)」「その他(同11.8%)」と続いている。

【図表:分野別の国内M2M累計回線数(2014年度末)】

【図表:分野別の国内M2M累計回線数(2014年度末)】
  • 矢野経済研究所推計
  • 注:累計回線数
  • 注:M2M累計回線数を以下の利用分野別に分類した。
  • ・エネルギー関連・・・HEMS(ホームエネルギー・マネジメント・システム)、BEMS、電力・ガス・水道等のテレメタリング/自動検針、スマートグリッドなど
  • ・設備・機器監視・・・工場など産業分野での遠隔監視・制御、重機・建機、エレベータ、自動販売機、MFP[Multifunction Peripheral;プリンタやスキャナなどの複合機能を持つOA機器]など
  • ・流通関連・・・決済、店舗内トラッキング、店舗エネルギー監視、デジタルマーケティングなど
  • ・自動車関連・・・運輸・交通分野での位置情報・運行管理、テレマティクス、コネクテッドカーなど
  • ・その他・・・河川・火山情報収集、各種環境計測、農業・畜産での営農支援、橋梁や道路、大規模構造物などのインフラ監視、セキュリティや各種見守りサービスなど

エネルギー分野については、スマートメーター関連での需要が牽引し、回線数が増加している。スマートメーターの設置拡大などスマートハウス関連需要の増加※1、電力自由化などの追い風もあり、今後も更なる拡大が見込まれる。またBEMS(ビルディング&エネルギー・マネジメント・システム)に関しても、省エネ志向の定着に加え、経済産業省がとりまとめた「ZEBロードマップ」により2030年までに新築建築物の平均でZEB(ネット・ゼロ・エネルギー・ビル)化を実現する目標※2があり、奏功要因になると考える。

また、新たな需要が生まれることで注目される分野は、流通分野及び設備・機械監視分野である。流通分野では、省エネ対応のための店舗エネルギー監視やデジタルサイネージなどのデジタルマーケティング分野が牽引して、大手流通小売チェーン業態を中心にM2Mの浸透が進む。また品質管理などを目的とした店舗内トラッキングでも、M2Mの導入が進むとみる。

一方で、ものづくり領域の製造現場などの設備・機器監視分野では、これまで工場の生産設備などへの遠隔監視や予防保全用途が中心だったが、センサーネットワークビジネスにおいて新たな需要喚起が期待されており、周辺環境も盛り上がりを見せている。M2M導入事例を見ると、テレマティクスやコネクテッドカー用途などの自動車関連についても設備・機器監視と並び、需要拡大の見込みである。

※1.参考資料:スマートハウス・ZEH 関連主要設備機器市場に関する調査結果2014
※2.参考資料:ZEB(ゼロ・エネルギー・ビル)市場に関する調査結果 2014

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参考:このレポートに掲載されている主なデータ一覧

  • 国内M2M市場規模推移(累計M2M売上ベース:2011~2020年度予測)
  • 国内M2M市場規模推移(累計M2M回線数ベース:2011~2020年度予測)
  • 世界M2M市場規模推移(累計M2M関連売上ベース:2011~2020年度予測)
  • 世界M2M市場規模推移(累計M2M回線数ベース:2011~2020年度予測)
  • 国内M2M市場の内訳(2014年度)
  • 世界M2M市場の内訳(2014年度)
  • カテゴリー別のM2M市場規模推移(国内累計回線数)
  • カテゴリー別のM2M構成推移(%)
  • ビッグデータアナリティクス市場規模推移(2011~2020年度予測)
  • エネルギー関連でのM2M市場規模推移(累計回線数ベース:2013~2020年度予測)
  • 流通関連でのM2M市場規模推移(累計回線数ベース:2013~2020年度予測)
  • 設備・機器監視分野でのM2M市場規模推移(累計回線数ベース:2013~2020年度予測)
  • 自動車関連でのM2M市場規模推移(累計回線数ベース:2013~2020年度予測)
  • その他分野でのM2M市場規模推移(累計回線数ベース:2013~2020年度予測)

■国内企業

  • KDDI(株)
  • (株)NTTドコモ
  • (株)インターネットイニシアチブ
  • エヌ・ティ・ティ・コミュニケーションズ(株)
  • (株)エヌ・ティ・ティ・データ
  • ソフトバンクグループ(株)
  • (株)ソラコム
  • (株)東芝(東芝グループ)
  • 日本アイ・ビー・エム(株)
  • 日本電気(株)
  • 日本ユニシス(株)
  • (株)日立ハイテクノロジーズ
  • 富士通(株)
  • 三井物産エレクトロニクス(株)
■海外企業
  • Digi International(米国)
  • Ericsson(スウェーデン)
  • Jasper Technologies(米国)
  • PTC(Parametric Technology Corporation:米国)
  • Telefonica,S.A.(スペイン)
  • Telenorグループ(ノルウェー)

 

■レポートサマリー
IoT/M2M(機器間通信)市場に関する調査を実施(2019年)
国内M2M市場に関する調査を実施(2018年)
国内M2M(機器間通信)市場に関する調査を実施(2017年)
M2M(機器間通信)世界市場に関する調査結果 2014
社会インフラIT市場に関する調査を実施(2019年)
社会インフラ向けIT市場に関する調査結果2015
世界の社会インフラ投資におけるICT需要の中長期予測2014

■アナリストオピニオン
産業向けIoTの本命は「製造」or「運輸・物流」or「自動車」?
2018年はIoT元年になるか?
注目されるIoT社会実現までの道筋
将来的にM2Mの社会インフラ化が進む

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調査要綱

調査期間:2015年9月~2016年1月
調査対象:国内外のIT事業者(SIer等)、通信事業者(キャリア)、MVNO(Mobile Virtual Network Operator:仮想移動体通信事業者)やMVNE(Mobile Virtual Network Enabler:MVNO事業者を支援する事業者)、デバイスメーカー、ユーザ企業等
調査方法:当社専門研究員による直接面談、電話・e-mailによるヒアリング、ならびに文献調査を併用

※M2Mとは:本調査におけるM2M(Machine to Machine:機器間通信)とは、人が介在せずに、主に携帯電話/PHS通信規格に準じた通信モジュールを内蔵した機器・デバイス間で情報のやり取りをする仕組みを指す。

※M2M市場とは:本調査におけるM2M市場規模は、M2Mを実現するための、デバイスやモジュール、M2Mプラットフォーム、システム構築やアプリケーション開発、回線利用料、データ解析・制御などのソリューション、運用・保守サービスなどを対象とし、累計金額ベースで算出した。

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