矢野経済研究所 ICT・金融ユニット

レポートサマリー
2015.11.26

クレジットカードショッピング市場に関する調査結果2015

2014年度のクレジットカードショッピング市場は約46兆円、前年度比109.6%と拡大基調。2020年度は約75兆円に達すると予測。

クレジットカードショッピング市場の概況

2014年度のクレジットカードショッピング市場規模は、前年度比109.6%の約46兆円(クレジットカードショッピング取扱高ベース)であった。カード会社各社のクレジットカードの稼動率向上への取組みが功を奏したことや、EC(電子商取引)市場の拡大を背景としたクレジットカードの利用領域の拡がりにより、拡大基調が続いている。

【図表:クレジットカードショッピング市場規模推移と予測】

【図表:クレジットカードショッピング市場規模推移と予測】
  • 矢野経済研究所推計
  • 注:クレジットカード発行元のショッピング取扱高ベース
  • 注:2015年度以降は予測値

クレジットカードショッピング市場の注目すべき動向

■優良顧客の囲い込み及びメインカード化への施策の展開
クレジットカード会社各社は、カードの取扱い金額に応じた顧客への個別優待サービスやカード決済情報を活用した店舗やECサイトへの送客サービス、会員向けWeb情報サービスの拡充など、優良顧客を囲い込み、クレジットカードの稼働率向上への取組みを展開してきた。近年では、優良顧客の取込みを目的として、各社とも新規会員の獲得にも力を入れており、小売店舗やECサイトなどの顧客基盤を持つ流通系のクレジットカード会社における会員拡大が目立っている。

■ポイントプログラムやCLOを活用した事業強化
クレジットカード会社各社にとって、ポイントプログラムは会員との関係性を強化するためのメインツールとなっており、ポイントプログラムを活用した新規会員獲得および利用促進は、既に必要不可欠なものとなっている。また、他社ポイントやマイレージ(航空会社が実施しているポイントプログラム)との交換や、ポイントを買い物の支払いに充当することができるサービスを提供することで、自社ポイントプログラムの差別化を図っている。
さらに、CLO(Card Linked Offer)という手法により、顧客の利用履歴などのデータを活用してポイントやクーポンを付与し、加盟店舗への送客などにつなげる等、クレジットカード会員の利用拡大や加盟店サービスの強化に取組んでいる。

■スマートデバイス決済端末ソリューションの進化
スマートフォンの普及を背景にスマートデバイスを活用することで、スキンジャケット型やドングル型の決済端末を利用し、従来のクレジットカード決済端末よりも低価格で簡単に、クレジットカード決済を導入できる決済ビジネスが拡大している。従来、クレジットカード決済サービスを導入できなかった小規模事業者に加え、飲食店チェーンやレストランでのテーブル決済をはじめ、サロン・美容室、ブティック、クリニックなど個人事業主や個人でも導入が増えている。
また、情報漏洩問題などからセキュリティ対応も進んでおり、「楽天スマートペイ」は2014年より、IC化に対応した決済端末をリリースしており、2015年には「Coiney」や「Square」もIC化に対応した決済端末の販売を開始している。

■NFCを活用したモバイル決済サービスの台頭
NFC(Near Field Communication)を活用したモバイル決済サービス「Apple Pay」は2014年からアメリカでサービスを開始し、また、2015年に入り、「Android Pay」や「Samsung Pay」などのサービスも展開されている。今後、日本国内においても、NFC搭載型スマートフォンによるクレジットカード決済サービスがどのような形で導入され、普及していくかが注目されている。

クレジットカードショッピング市場の将来予測

2020年の東京オリンピックに向けて、訪日外国人観光客への利便性向上のために、行政を主導としたキャッシュレス化の機運が高まることや、FinTech(フィンテック)関連のスタートアップ(ベンチャー)企業の台頭、CLOなどの加盟店への送客サービスの浸透に加え、オムニチャネルが進展する。クレジットカードショッピング市場は、加盟店がクレジットカードを導入しやすい環境が整備されるだけでなく、クレジットカード会員の利用メリットが更に高まることにより、引き続き拡大するとみる。
加えて、公共料金分野をはじめ、学費や家賃の支払、冠婚葬祭などの生活関連分野におけるクレジットカード決済の導入が引き続き進んでいく。これらの要因を背景に、2020年度のクレジットカードショッピング市場規模(クレジットカードショッピング取扱高ベース)は、約75兆円に達すると予測する。

関連リンク

■レポートサマリ
クレジットカードショッピング市場に関する調査結果2014


調査要綱

調査期間:2015年5月~9月
調査対象:国内の主要クレジットカード発行会社、スマートデバイス決済ソリューション提供事業者等
調査方法:当社専門研究員による直接面談、電話・e-mailによるヒアリングを併用

※クレジットカードショッピング市場とは:本調査におけるクレジットカードショッピング市場規模は、国内のクレジットカード会員が国内外にてクレジットカードを使用したショッピング取扱高ベースで算出した。

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高野 淳司(タカノ ジュンジ) 主任研究員
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