矢野経済研究所 ICT・金融ユニット

レポートサマリー
2015.07.15

次世代ものづくりソフトウェア世界市場に関する調査結果 2015

インダストリー4.0など、注目される次世代ものづくりソフトウェア。矢野経済研究所では2014年の世界市場規模を181億8,000万USドルと推計した。

【図表:次世代ものづくりソフトウェア関連用語の定義】

【図表:次世代ものづくりソフトウェア関連用語の定義】
  • 矢野経済研究所作成
  • ※参考資料「PLM 市場に関する調査結果 2015」(2015年4月15日発表)
  • URL: http://www.yano.co.jp/press/pdf/1379.pdf

IoT活用の背景と概況

製造業においてIoT(Internet of Things;モノのインターネット化)を活用することで、新たな動きが起きており、これは産業革命に匹敵する大きな産業変化となるともいわれている。その中心となっているのは、ドイツ政府が進めるインダストリー4.0と米国ゼネラル・エレクトリック社(GE)が手掛けるインダストリアル・インターネットである。
インダストリー4.0とは、ドイツが進める製造業高度化に向けた産学共同のアクションプランである。インダストリー4.0は第四次産業革命と位置付けられ、ドイツの製造業の競争力維持がその目的となっている。インダストリアル・インターネットはGEが提唱している新しい製造業の姿で、高度なセンサーやソフトウェアで機器や施設、車両、航空機などを接続し、そこから得られたデータを使い、これまでにない効率性や新サービスを実現しようとするものである。
こうした製造業における新たな動きは、ソフトウェアにも大きく影響を与えていることから、本調査ではIoTを活用した製造業におけるソフトウェアを次世代ものづくりソフトウェアとして捉え、その世界市場規模を試算した。同市場規模は、従来、製造業がものづくりを円滑に行うに当たり活用していたシステムであるPLM (Product Lifecycle Management)、MOM/MES(Manufacturing Operations Management/ Manufacturing Execution System)、SLM(Service Lifecycle Management)に、IoT基盤を加えたものと定義した。

【図表:次世代ものづくりソフトウェア世界市場規模推移と予測】

【図表:次世代ものづくりソフトウェア世界市場規模推移と予測】
  • 矢野経済研究所推計
  • 注:メーカー出荷金額ベース
  • 注:ハードウェア売上高を含まず、サービス・保守メンテナンス売上高を含む
  • 注:表中CAGR(年平均成長率)は2014年から当該年までのCAGR
  • 注:予測は予測値

次世代ものづくりソフトウェアの世界市場規模は、2014年は181億8,000万USドルと推計した。2014~2018年の年平均成長率(CAGR)は11.9%で推移し、2018年は285億1,000万USドルを予測する。このうち、IoT基盤市場規模は同CAGR 46.7%で推移し、2018年には50億USドルになると予測する。

IoT活用の注目すべき動向

■デジタルツイン
次世代ものづくりにおける、重要なコンセプトに「デジタルツイン(電子的な双子)」がある。これは、工場や製品について、全く同じものを仮想的(バーチャル)に再現することを指し、現存する(リアル)工場や製品に対し、デジタルで構築された双子という意味である。
このバーチャルな工場や製品は、センサーデータと紐づけることで実際の動きと同じものを再現できるようになる。そうなれば、製品設計や工場レイアウトの際に、あたかも現物を使ってシミュレーションするかのごとく、コンピュータ上で設計検討などを行えるようになる。これは製造業のコンカレント・エンジニアリング(デザインや設計、設備計画などを同時並行的に進める開発手法)の実現に大いに役立つため、現在、大手CADベンダーなどはこぞってソリューション開発に注力している。

■データ連携はますます重要に
IoTの活用により、工場や製品から発信されるデータ量は増加の一途となるが、企業は全体最適を可能にする企業情報システムの構築を急ぐ必要がある。
日本の製造業は、自動化の取り組みは高いレベルにあるが、生産現場の情報システムは分断されていることが多く、部分最適に留まっている傾向がある。現在、工場では制御機器などからデータが発信されているが、これらを相互に関連したシステムとして管理されているケースは多くない。特に生産実行系とエンジニアリング系との情報連携は実現できておらず、MOM/MESの導入などにより、データ連携・統合していくことが重要となる。今後は全体最適を目指した効率的な事業運営の実現に向けて、データ連携がますます重要になるものと考える。

関連リンク

■レポートサマリ
PLM(プロダクト・ライフサイクル・マネジメント)市場に関する調査結果 2015

■アナリストオピニオン
インダストリ4.0など次世代ものづくり時代の企業情報システム像
IoTが導く次世代製造業 -注目浴びるIndustrie4.0、Industrial Internet

 

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調査要綱

調査期間:2014年12月~2015年6月
調査対象:製造業向けソフトウェアを提供する大手ベンダー等
調査方法:当社専門研究員による直接面談、電話・e-mail等によるヒアリング、及び文献調査併用

※次世代ものづくりソフトウェアとは:本調査ではIoTを活用した製造業におけるソフトウェアを次世代ものづくりソフトウェアとして捉え、その世界市場規模を試算した。次世代ものづくりソフトウェア世界市場規模は、従来、製造業がものづくりを円滑に行うに当たり活用していたシステムであるPLM (Product Lifecycle Management)、MOM/MES(Manufacturing Operations Management/ Manufacturing Execution System)、SLM(Service Lifecycle Management)に、IoT基盤を加えたものと定義した。

忌部 佳史(インベ ヨシフミ) 理事研究員
市場環境は大胆に変化しています。その変化にどう対応していくか、何をマーケティングの課題とすべきか、企業により選択は様々です。技術動向、経済情勢など俯瞰した視野と現場の生の声に耳を傾け、未来を示していけるよう挑んでいきます。

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