矢野経済研究所 ICT・金融ユニット

レポートサマリー
2015.02.12

クレジットカードショッピング市場に関する調査結果2014

2013年度のクレジットカードショッピング市場規模(クレジットカードショッピング取扱高ベース)は約42兆円、前年度比108.7%であった。

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クレジットカードショッピングの市場概況

2013年度のクレジットカードショッピング市場規模(クレジットカードショッピング取扱高ベース)は約42兆円であった。消費者のクレジットカード利用に対する抵抗感が下がり、食品スーパーや量販店などさまざまな店舗での利用機会が増加したことに加え、カード会社各社のクレジットカードの稼動率向上への取り組みやEC(電子商取引)市場での利用の拡大により、前年度比108.7%と堅調に拡大した。
一方、クレジットカード会社のキャッシング事業をみると、キャッシング残高はこれまで減少が続いてきたが、減少の幅は縮小してきている。一部で過払い問題が再燃している側面はあるものの、キャッシング取扱高は既に増加に転じており、キャッシング事業は好転しつつあると考える。

【図表:クレジットカードショッピング市場規模推移と予測】
【図表:クレジットカードショッピング市場規模推移と予測】
  • 矢野経済研究所推計
  • 注:クレジットカード発行元のショッピング取扱高ベース
  • 注:(予測)は予測値

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クレジットカードショッピング市場の注目すべき動向

■優良カード会員の囲い込みに向けた取り組みが続く
貸金業法改正以降、クレジットカード会社各社はカード高額利用者に対する個別優待サービスや、加盟店と連携したサービスの向上、会員専用Webサービスの導入など、優良顧客の囲い込みおよびメインカード化への策を中心に展開してきた。さらに、近年では、収益環境の改善を背景に、優良顧客の取込みを目的として、新規会員の獲得に力にも入れており、とくに流通店舗やECサイトなどの顧客基盤を持つ流通系や自動車メーカー系、交通系のクレジットカード会社が会員獲得に成功している。

■ポイントプログラム等を活用したショッピング事業重視の戦略を強化
クレジットカード会社各社にとって、ポイントプログラムは会員とのリレーションシップを強化するためのメインツールとなっており、ほとんどのカード発行会社がポイントプログラムを提供している。また、他社ポイントやマイレージとの交換、ポイント有効期限の延長など自社ポイントプログラムの差別化をはかるとともに、加盟店に対する新決済ソリューションを提供するなど、付帯サービスの向上によるカード会員の利用拡大や加盟店サービスの強化を図っている。各社は、こうしたショッピング事業を重視した戦略を実施し、収益拡大に向けた取り組みを強化している。

■スマートフォン決済ソリューションの拡大
スマートフォンの普及を背景に、スマートフォンやタブレットなどを従来端末よりも比較的低価格で簡易なクレジットカード決済端末として利用できるソリューションを提供するビジネスが拡大している。
いずれのサービスでも、クレジットカード情報を読み取るためにスキンジャケット型やドングル型のハードウェアをスマートフォンやタブレットと接続し、利用する。スキンジャケット型を用いる「ペイメント・マイスター」や「PAYGATE」などでは、生命保険や損害保険の外交員、宅配業者、引越業者、バイク便業者、高級ブティック店舗、ホテルなど場所は問わないが、対面決済を必要とする業種の、主に法人を想定して、サービスの提供がなされている。また、ドングル型を用いる「Square」や「楽天スマートペイ」などでは、従来の決済サービスを導入することができなかった中小企業や個人事業主の間で導入が増えている。加えて、百貨店の外商、量販店の店頭、飲食店チェーンやレストランでのテーブル決済などでも需要が高まっている。

■モバイル決済サービスの可能性
NFCを搭載したスマートフォンが本格的に普及しており、それに対応すべく、先進的なクレジットカード会社はNFCに対応したモバイル決済サービス(モバイル・ウォレット)の提供を開始している。アメリカでは、アップルが2014年9月にiPhoneで利用できる「Apple Pay」を発表し、2014年10月からアメリカでNFCを活用したモバイル決済サービスを展開している。今後、日本国内においても、NFC搭載型スマートフォンによるクレジットカード決済サービスが拡大する可能性が高いと考える。

※NFC(Near Field Communication)とは、近距離無線通信の国際標準規格である。

 

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クレジットカードショッピング市場の将来予測

クレジットカードショッピング取扱高は、2020年の東京オリンピックに向けて、商店街や中小企業、個人事業主などを中心に加盟店の裾野が広がることや、さまざまな消費分野におけるキャッシュレス化の浸透により、カード会員のクレジットカード利用への抵抗感が更に低減されることなどにより、引き続き拡大するとみる。加えて、公共料金や大学等の学費納入、各種寄付金の納付等の非消費分野におけるクレジットカード決済も堅調に拡大すると考える。こうした利用環境の変化に伴い、2018年度のクレジットカードショッピング市場規模(クレジットカードショッピング取扱高ベース)は、約63兆円に達すると予測する。

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参考:このレポートに掲載されている主なデータ一覧

  • ショッピング取扱高推移(イシュアベース)
  • カード発行会社の業績推移
  • 業態別・出身母体別の営業収益推移
  • 業態別・出身母体別 営業収益成長指数推移
  • ショッピング取扱高シェア(イシュアベース)
  • ショッピング取扱高推移(2004年度~2013年度)
  • 業態・出資母体別取扱高推移
  • 成長指数推移
  • メインカード化に向けた取組み
  • キャッシングの動向
  • ショッピングリボ強化に向けた取組み
  • 国際標準の非接触IC規格(NFC)への取組み
  • スマートフォンを活用した取組み
  • 加盟店への送客ビジネスの動向
  • ショッピング取扱高予測(2014年度~2018年度)
  • モバイル決済ソリューション市場予測(2013年度~2018年度予測)
  • 営業収益
  • 経常利益
  • 当期純利益
  • 有効会員数
  • Web会員数
  • 会員属性(2013年度)
  • カード取扱高(ショッピング・キャッシング合計)
  • カード取扱高(ショッピング)
  • カード取扱高(キャッシング)
  • 稼動会員比率
  • ショッピングリボ・分割払い残高
  • キャッシング残高
  • 貸倒引当金残高
  • 利息返還損失引当金残高
  • ポイント引当金残高
  • カード事業の営業収入比率(2013年度)

…ほか

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調査要綱

調査対象:国内の主要クレジットカード発行会社、スマートフォン決済ソリューション提供事業者等
調査期間:2014年7月~12月
調査方法:当社専門研究員による直接面談、電話・e-mailによるヒアリングを併用

※クレジットカードショッピング市場とは:本調査におけるクレジットカードショッピング市場は、国内のクレジットカード会員が国内外にてクレジットカードを使用したショッピング取扱高ベースで算出した。

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高野 淳司(タカノ ジュンジ) 主任研究員
数多くの取材を通して得ることの出来た「生の情報」を元に、お客様が抱えている問題にしっかり耳を傾け、もっとも効果的な解決方法を発見できる調査を提案することをモットーとしています。

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