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情報システム子会社の戦略面に関する調査
「情報システム子会社の戦略面に関する調査」 小見出し一覧
- 見直されつつある情報システム子会社の存在価値
- 情報システム子会社がクリアすべき6つの課題
- 価格面から考える「情報システム子会社の課題解決方法」
- 参考:このレポートに掲載されている主なデータ一覧
- 関連リンク
見直されつつある情報システム子会社の存在価値
【情報システム子会社の歴史-1980~90年代】
情報システム子会社は、1980年代にグループ事業の多角化の一環として数多く設立された。
親会社は、コアコンピタンス以外の業務であるIT業務を情報システム子会社として切り離すことができ、情報システム子会社は、親会社という安定した顧客を確保しながら外部での収益を得ることが可能で、かつ専門家集団としての能力もアップすることができる。
つまり、情報システム子会社は、親会社・子会社双方にとってメリットが期待できるものとしてスタートしたのであった。
1990年代に入ると、バブル景気の崩壊によって、親会社のリストラクチュアリング策が進められ、それが情報システム子会社にも及ぶ。
親会社からコスト削減や短納期など無理難題を要求され、さらに外販の展開による自立を求められるという、厳しい経営状態を余儀なくされる情報システム子会社が増加した。
【情報システム子会社の歴史-2000年代】
2000年代になると、親会社はよりコアコンピタンスへの集中を強め、ITアウトソーシングなど外部リソースの利用を活発化させた。
情報システム子会社の存在意義が改めて問われる機会が増え、SIベンダが情報システム子会社に資本参加するケースも増加した。資本参加の主目的は、情報システム子会社の持つ業種・業務ノウハウとSIベンダの持つ技術力の相乗効果ではあったものの、一方で、グループのスリム化を図りたいという親会社の意図や、親会社グループから受注を確保したいというSIベンダの意図も見受けられた。
【情報システム子会社のいま-「情報管理の重要性向上」が追い風に】
現在は、2008年から施行される日本版SOX法(金融商品取引法)などの影響で、各企業に情報管理能力の向上が強く求められ、外部の専門知識と技術を活用しようという企業が増加。ITアウトソーシングへの注目度がさらに高まってきている。
その一方で、情報管理を外部に任せることへの不安感を完全に払拭できない企業を中心に、インソーシングの流れも発生している。そのような状況下において、親会社に対して専任部署を設置し、継続的、安定的にサービスを提供可能な情報システム子会社の存在価値が見直されつつある。
コアコンピタンスに集中したい親会社にとって、本体に情報システム部隊を抱えるのは経営効率が良いとは言い難く、現在主流になってきているITアウトソーシングサービスの利用は効率的ではあるものの、情報管理の観点から若干の不安感も拭えない。
情報システム部隊をどちらに置くかが、いま改めて問われ始めている状況であり、長年にわたって親会社にサービスを提供してきた情報システム子会社の強みが再認識されれば、今後、情報システム子会社の事業機会が増大していく可能性も高い。
情報システム子会社がクリアすべき6つの課題
情報システム子会社は、親会社が大口顧客であるため、安定的な受注確保が可能である一方、親会社から価格や業務量において無理難題を求められ、その対応に追われてリソースが不足する結果、外販の拡大や技術力の強化に課題を抱えがちである。
情報システム子会社が抱えている課題には、主に下記の6つがある。
【情報システム子会社の課題(1):「価格に関する課題」】
情報システム子会社設立の目的のひとつに、親会社のスリム化があったため、情報システム子会社は、親会社から当然のように値引き要請を受ける。
しかし、外販の拡大に成功しないまま、値引き要請への対応を続けていると、情報システム子会社の売上高は減少の一途を辿ることになってしまう。
また情報システム子会社は、内販において競合が少ないため、どうしても親会社から「市場価格と比較して価格設定が甘すぎるのではないか」という認識をもたれる傾向にあり、親会社に対する価格調整に課題を抱えがちだ。
【情報システム子会社の課題(2):「業務量に関する課題」】
情報システム子会社は、親会社から要求される業務量が多く、その消化に追われ、外販などへの注力が難しくなっているケースが多い。親会社業務量の調整が情報システム子会社の課題の一つとなっている。
【情報システム子会社の課題(3):「外販に関する課題」】
親会社業務に追われている情報システム子会社が、競争が激しい一般市場で販売を拡大していくのは容易ではない。情報システム子会社は、第一のミッションが親会社業務の支援であるため、内販との調整を図りながら外販拡大を進めて行かなければいけない。
【情報システム子会社の課題(4):「企画力の強化に関する課題」】
情報システム子会社は、親会社が企画した業務を請け負うことが多く、自らが企画・提案を行なう機会が少ないため、企画・提案力の向上を図りづらいという課題がある。
【情報システム子会社の課題(5):「技術力の強化に関する課題」】
情報システム子会社は、親会社から発注された開発・保守業務に追われ、研究・開発に力を入れるのが難しく、内販業務だけでは、技術の幅が広がない。こうした技術力の向上が、情報システム子会社の課題になっている。
【情報システム子会社の課題(6):「人材の採用・育成策に関する課題」】
情報システム子会社は、サービス提供先や提供内容が、独立系のSIベンダと比較して狭い場合が多いため、自社の業務範囲に関心のある人材を探すことが難しく、採用において苦労することが多い。情報システム子会社は業務範囲が狭いため、採用後の社員のモチベーション維持や育成方法も課題となっている。
価格面から考える「情報システム子会社の課題解決方法」
今回の「情報システム子会社の戦略面に関する調査」では、前述の6つの課題に対して、情報システム子会社への取材及びアンケートにて、解決方法を調べた。以下ではこのアンケート結果のうち「価格に関する課題」に関するデータを取り上げることにする。
Q:「価格に関する課題」の解決方法に対する5段階評価
[5:効果あり 4:ややあり 3:どちらでもない 2:ややなし 1:効果なし]
矢野経済研究所調べ
矢野経済研究所調べ
矢野経済研究所調べ
【「コスト基準の設定が一番効果的」という結果に】
情報システム子会社に対して実施したアンケート調査の結果、設問で挙げた6つの「価格に関する課題」の解決策のうち、「コスト基準の設定」が平均値4.0、「効果あり」が31%と、もっとも高評価であった。
「コスト基準の設定」とは、情報システム子会社がコスト基準を親会社との契約で設定し、案件のコストが基準を下回ることができれば、削減分を自社(=情報システム子会社)の利益に上乗せできるというものである。
取材の中でも同様の取り組みを行なっている情報システム子会社があった。親会社と定常的業務における共通のコスト削減目標を設定し、親会社はコスト削減によって得た利益を新規システムに投資、また設定した基準を超えた分は情報システム子会社の利益になる仕組みを導入しており、効果的に機能しているとの回答であった。
参考:このレポートに掲載されている主なデータ一覧
- 規模の成長プロセス概念図
- 情報システム子会社の抱える6つの課題
- 理想的な課題への取組み
- 課題解決優先順位
- 内販に関する課題 Ⅰ
- 外販に関する課題 Ⅱ
- 企業体質の強化に関する課題 Ⅲ
- 価格に関する課題解決方法の比較
- 価格に関する課題解決方法の回答構成
- 業務量に関する課題解決方法の比較
- 業務量に関する課題解決方法の回答構成
- 外販に関する課題解決方法の比較
- 外販に関する課題解決方法の回答構成
- 企画力に関する課題解決方法の比較
- 企画力に関する課題解決方法の回答構成
- 技術力に関する課題解決方法の比較
- 技術力に関する課題解決方法の回答構成
- 人材の採用・育成策に関する課題解決方法の比較
- 人材の採用・育成策に関する課題解決方法の回答構成
- 情報システム子会社の規模の成長プロセス
- 情報システム子会社の抱える6つの課題
- 提供サービス内容
- 親会社に与えているメリット
- 親会社業務量の調整
- 親会社とのSLA締結の有無
- 親会社への価格設定基準
- 値引き要請への対応方法
- コスト削減方法
- 外販比率平均値
- サービスメニュー
- サービス提供先
- 内販で蓄積したノウハウの活用
- 外販における価格
- 今後の外販拡大策
- 企画力の強化策
- 技術力の強化策
- 人材の採用策
- 人材の育成策
- 今後の事業展開
- 資本参加SIベンダとの関係
- 情報システム子会社の今後の方向性
- その他の重要ポイント
- 価格に関する課題解決方法アンケート
- 価格に関する課題解決方法の回答平均値
- 業務量に関する課題解決方法アンケート
- 業務量に関する課題解決方法の回答平均値
- 外販に関する課題解決方法アンケート
- 外販に関する課題解決方法の回答平均値
- 企画力に関する課題解決方法アンケート
- 企画力に関する課題解決方法の回答平均値
- 技術力に関する課題解決方法アンケート
- 技術力に関する課題解決方法の回答平均値
- 人材の採用・育成策に関する課題解決方法アンケート
- 人材の採用・育成策に関する課題解決方法の回答平均値
…ほか
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調査対象 情報システム子会社
調査期間 2007年5月~2007年7月
調査方法 直接面接取材(一部電話・Eメール等を併用)及びアンケート調査
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東京カスタマーセンター TEL:03-5371-6901 / FAX:03-5371-6970
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