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ICカード市場に関する調査結果2008

08/11/04
行政分野でも導入が進められているICカード。その市場規模を予測、今後についても考察する。
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国内ICカード市場は2012年度で3億2,230万枚、644億6,000万円市場に

国内ICカード市場の接触型、非接触型(接触一体型含む)を合わせた2007年度の市場規模(数量ベース)は、1億7,550万枚であり、2012年度は3億2,230万枚、金額ベースでは2007年度491億4,000万円、2012年度で644億6,000万円と予測する。

ICカードは、従来の認証方法に足りなかった「高度な安全性」と「ID情報の大量記憶」を実現するものである。この2つの要素をICカードの主要な需要用途に換言すると、「セキュリティ」と「ID管理」ということになる。
2008年度のICカードシステム市場は、これまで数多くあったサービスやアプリケーションの淘汰が進み、本来の技術面の強化という主要需要用途に回帰する傾向がみられた。

こうした状況のなか、ハードベンダーのシステムインテグレーター化が進み、従来のシステムベンダー専業との境があいまいになった結果、両者間の競争が激しさを増している。

ハードベンダー各社は、ICカードの基本的な機能である「セキュリティ」と「ID管理」をいかに分かりやすく高機能に提供するか、を争点として、開発に注力している。
一方のシステムインテグレーター専業企業にとって、ICカードはこれまで、あくまで「ユーザー企業が要求するアプリケーションの提供」のための選択肢の一つでしかなかった。しかし、ハードベンダーとの差別化を図る必要性に迫られた結果、現在まで蓄積した得意分野や事業ノウハウを最大限に活用して、さらなる付加価値を提供することが求められている。

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行政分野におけるICカードの大規模需要が加速

ICカードビジネスの急先鋒である電子マネーが加速度的に普及し、ICカードシステムの信頼性が向上したことから、流通分野と同様、行政分野からの需要も大いに拡大してきている。以下に、行政分野におけるICカードの導入例(予定含む)を紹介する。

■社会保障カード(仮称)
2011年度をめどに導入予定(2007年7月、政府のIT戦略本部「重点計画2007」で決定)。昨今の年金記録に対する信頼の回復と、新たな年金記録体制の確立などを目的としている。
この社会保障カード(仮称)は、年金手帳、健康保険証、介護保険被保険者証のそれぞれの役割を果たすもので、同カードを用いて、自宅のパソコンや社会保険事務所などから年金記録の閲覧をも可能にする。

■住民基本台帳カード
2003年8月交付スタート。2008年3月末現在の全国発行枚数2,339,949枚、前年度比165.5%。

■運転免許証のICカード化
運転免許証のICカード化は、まず2007年度から東京など5都府県で発行が開始され、2008年度中には、さらに28府県で発行開始予定。日本の運転免許保有者数は2007年12月末現在で79,907,212人であり、導入後、5年間で大規模な更新需要が創出されることが確実となっている。

■IC旅券(パスポート)
日本政府は2006年3月20日からIC旅券の申請受付を開始している。パスポートのIC化は、旅券の偽変造対策や安全かつ迅速な空港手続の効果が高いことから、その導入が急がれていた。2008年4月末現在までに約900万冊のIC旅券が発行されたが、国内の有効パスポートは約3,350万冊であり、2015年ごろには全てがICパスポートに切り替わる予定だ。

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ICカードの新規格「NFC(Near Field Communication)」への期待

上述したように、ICカードの信頼性が向上した結果、行政分野や金融分野からの需要増に加え、アミューズメント施設への入退場や入退室管理など、ICカードには今後、伸張が期待される需要分野が多数存在している。
その一方で、サービスのプラットフォームであり、チップの新しい規格である「NFC(Near Field Communication)」(ソニーと当時のフィリップ社が開発した、短距離無線通信規格。2003年12月にISO/IEC IS 18092として国際標準となった)については、チップベンダーの多くが今後の動向を注視している。

「NFC」の普及次第では、非接触ICカードシステム上で展開されていた、これまでのサービスが大きく変化する可能性があり、また参入プレーヤーを含め、市場構造についても大きく塗り替わる可能性がある。
こうした新規格の技術動向も含め、ICカードシステムは、今後ますます我々の生活に深く根ざすものとなり、社会的に必要不可欠なサービスにまで成長するであろう。

図表1:国内ICカード市場規模推移(出荷数量ベース)
国内ICカード市場規模推移(数量)

矢野経済研究所推計

図表2:国内ICカード市場規模推移(出荷金額ベース)
国内ICカード市場規模推移(金額)

矢野経済研究所推計

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参考:このレポートに掲載されている主なデータ一覧

  • ICカードの市場規模推移グラフ(タイプ別・需要分野別)
  • ICカード用チップの市場規模推移(タイプ別・需要分野別・アプリケーション別)
  • ICカード用リーダライタの市場規模推移(タイプ別・需要分野別)
  • RF-ID(無線ICタグ)の需要分野別構成比推移グラフ
  • RF-ID(無線ICタグ)の2007年度動向と市場概況
  • おサイフケータイビジネス市場:2008年度までの概況
  • 電子ペーパーディスプレイ市場:2007年の市場概況
  • バイオメトリクス市場:需要分野別、識別方式(タイプ)別市場
  • オフィスセキュリティのユーザーニーズ動向調査

…ほか

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関連リンク

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調査要綱

調査対象 ICカードのベンダー、およびシステムインテグレーター各社、アプリケーション事業者等
調査期間 2008年7月~10月
調査方法  当社専門研究員による直接面接、および電話によるヒアリング併用

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