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ERP市場動向に関する調査結果 2010
「ERP市場動向に関する調査結果 2010」 小見出し一覧
- 2009年のERPパッケージライセンス市場は前年比14.0%減で大きくマイナスに転じる
- 2010年は4.1%減に留まりERP市場は下げ止まり、2011年以降には成長路線へ回帰
- 市場回復に向けIFRSやクラウドコンピューティングへのニーズ喚起を狙う
- 参考:このレポートに掲載されている主なデータ一覧
- 関連リンク
2009年のERPパッケージライセンス市場は前年比14.0%減で大きくマイナスに転じる
2009年のERPパッケージライセンス市場は前年比14.0%減の1,005億円と推計した。市場がマイナスに転じるのは5年ぶりとなるが、市場環境の厳しさを反映して10%以上の下落となった。
矢野経済研究所推計
注:エンドユーザ渡し価格ベース
注:予は予測値
IT投資全体が削減される中で、大規模投資を伴うERP案件は延期や見送りの対象となった。どのベンダー、どの製品においても、案件の縮小や凍結、先送りなどが起き、導入費用や保守費用の値下げ要求も伴った。業種別では、自動車、電子・電子機器、機械など加工組立製造業で景気の影響が大きかった。アジアを中心とした海外向けの投資は例外的に明るさがうかがえる。ユーザ企業規模別では、製造業大手の不振が目立った。2008年まではERP導入に積極的だった中堅中小企業も、2009年は業績悪化により投資余力を失う企業が多かったため、ERPの売上は減少した。中堅中小企業(年商500億円未満)では、引き続きオフコンからの移行(マイグレーション)が主要なERPへの投資理由だが、ニーズは停滞している。
2010年は4.1%減に留まりERP市場は下げ止まり、2011年以降には成長路線へ回帰
2010年も経済の先行き不透明感が強く、デフレや消費不振が続いている。ユーザ企業は慎重な投資姿勢を大きくは変えないとみられる。2010年のERPパッケージライセンス市場は、前年比4.1%減の963億円とマイナス基調ではあるが、2009年よりは小幅な下落に留まると予測する。プラス要因は、中国など新興国の需要に支えられた輸出型製造業に回復基調が現われていること、一部流通業などで投資意欲の高い企業が増えてきていること、などである。 2010年下期には、幅広い業種で景気回復後の経営強化を目的とした投資が開始されると考えられる。但し、ERPは検討や導入に長時間を要するため、IT投資全般の増減傾向が遅行して現われる傾向があるため、市場のトレンドが変化するのは2011年となる。また、2011年以降はIFRS対応やクラウドへのニーズも具体化し、市場成長に寄与すると予測する。
市場回復に向けIFRSやクラウドコンピューティングへのニーズ喚起を狙う
ERPへの投資に繋がるポイントとして、IFRS(国際財務報告基準)対応を目的とした投資や、クラウドコンピューティングによる新しい利用形態の導入が挙げられる。これらはERPベンダーの重要なテーマとなっており、2010年には本格的な事業展開に向けた準備が積極的に進められる。ERP市場の成長要因として具体化するのは2011年以降になると考える。
IFRS(国際財務報告基準)への対応
IFRSは、世界100ヶ国以上が採用している会計基準で、企業活動のグローバル化に伴い、日本でも適用に向けた検討が進められている。2012年に政府当局によって方針が決定され、2015年から適用される見通しである。ユーザ企業がIFRSに対応するためには情報システムの改変が必要となり、ERPパッケージの導入ニーズに結びつくと期待される。2010年には大手上場企業の一部が先行して検討を開始するが、多くの企業は2012年の方針決定に合わせて準備を行い、ERPへの投資ニーズが具体化するのは2011年以降になると考えられる。既にERPベンダーは顧客ニーズの掘り起こしのため、IFRS対応を支援するための製品やサービス提供の準備を進めている。2010年には多数のベンダーがIFRS関連ソリューションの発表を行う見通しである。
クラウドコンピューティングの影響
クラウドコンピューティングは、ITリソースをインターネットを通じて利用するサービス形態を指す。2010年初頭の段階で、複数のERPベンダーがクラウド事業を開始したほか、多くのベンダーが将来的にクラウドに対応すると表明している。2010年中に、クラウドに対応したパッケージの種類は増加するとみられる。 ERP全体ではなく、機能やシステムの一部を切り出してSaaS化する方向性で検討を進めているベンダーが多いが、完全SaaS型のERPもリリースされた。SaaS以外に、個別企業向けのプライベートクラウド環境でERPを稼動させるサービスも増えてきている。ERPはこれまでオンプレミス型(自社運用型)が主流だったが、クラウド化の進展によって、中小企業の利用増加や、大手企業のシステム運用負担軽減ニーズの取り込みが期待できる。 2010年時点ではサービス数が少ないこと、ユーザ企業の認知度が低いことなどから、クラウド型ERPの普及には1~2年程度かかると予測する。
参考:このレポートに掲載されている主なデータ一覧
- ERPパッケージライセンス売上高推移(エンドユーザ渡し価格ベース)
- 日銀短観 業況判断DIの推移
- 全体市場におけるライセンス売上高シェア(エンドユーザ渡し価格ベース)
- 大手企業(年商500億円以上)におけるライセンス売上高シェア(エンドユーザ渡し価格ベース)
- 中堅・中小企業(年商500億円未満)におけるライセンス売上高シェア(エンドユーザ渡し価格ベース)
- SMB市場向け製品の位置付け
- 業種別ERPライセンス売上高の推移(エンドユーザ渡し価格ベース)
- 業務ソリューション別ERPライセンス売上高の推移(エンドユーザ渡し価格ベース)
- 大手企業/SMBにおけるERPライセンス売上高の推移(エンドユーザ渡し価格ベース)
- 国際会計基準適用のロードマップ
- SaaSに対する各社の取組
- CRMパッケージライセンス売上高推移(エンドユーザ渡し価格ベース)
- Salesforce CRMとオンプレミス型CRM/SFAとの違い
- オンプレミス/オンデマンド別CRMライセンス売上高の推移(エンドユーザ渡し価格ベース)
- CRMライセンス(オンプレミス+オンデマンド)売上高シェア(エンドユーザ渡し価格ベース)
- SFAライセンス(オンプレミス+オンデマンド)売上高シェア(エンドユーザ渡し価格ベース)
- マーケティングライセンス(オンプレミス+オンデマンド)売上高シェア(エンドユーザ渡し価格ベース)
- ソリューション別ライセンス(オンプレミス+オンデマンド)売上高推移(エンドユーザ渡し価格ベース)
- 顧客年商規模別ライセンス(オンプレミス+オンデマンド)売上高推移(エンドユーザ渡し価格ベース)
…ほか
関連リンク
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・ERP市場動向に関する調査結果 2011
・ERP市場動向に関する調査結果 2009
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調査対象 国内ERPパッケージベンダー(24社)
調査期間 2009年12月~2010年2月
調査方法 当社専門研究員による直接面談
※ERP(Enterprise Resource Planning)パッケージとは:基幹業務管理パッケージで、財務会計、人事給与、販売管理、生産管理など基幹業務データを統合する情報システムを構築するためのパッケージソフトウェアをさす
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