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CRM市場動向に関する調査結果 2010
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2009年のCRM市場概況と予測
2009年のCRM市場は、前年度比4.1%増の173億円であった。不況の影響による伸び率の減少は避けられなかったが、成長路線を維持した。ERPなど他の業務アプリケーション市場がマイナスに転じる中、数少ない成長分野となっている。
矢野経済研究所推計
注:エンドユーザ渡し価格ベース
注:予は予測値
CRM市場成長の理由は大きく分けて2つある。1点目は、オンデマンド型(SaaS型)CRMベンダーの台頭である。SaaSで、初期コストを掛けず、小規模でもトライアルとしてでもスタートできるため、CRM利用の裾野は広がっている。クラウドコンピューティングやSaaSへの関心の高まりと認知度向上も追い風となり、顧客数を拡大し続けている。
2点目は、厳しい経営環境だからこそ、売上拡大につながるアプリケーションとして選択されているためである。ユーザ企業は、限られたIT予算を、実効性のある分野に配分したいと考えている。CRM導入の目的は、顧客情報管理のみならず、顧客との関係維持や営業効率向上などとなっており、企業経営に寄与する効果が期待されている。
2010年は、IT投資全体ではマイナス基調が続くものの、CRM市場は上述したような要因に支えられて成長を続け、184億円、前年度比5.9%増となる見通しである。中期的にみても堅調に伸び、2012年には207億円に達すると予測する。
CRMに対しては、既存顧客との関係強化や顧客確保、新規顧客獲得に向けた役割への期待が更に強まり、製品機能とベンダーのコンルティング力・提案力の両面が必要とされる。
オンデマンド型(SaaS型)とオンプレミス型(自社運用型)の動向
2009年はオンデマンド型(SaaS型)が前年度比9.3%増、オンプレミス型(自主運用型)が0.2%増で、オンデマンド型の伸びが大きい。オンデマンド型CRMを提供するセールスフォース・ドットコムが、2009年に始めてCRM市場全体でシェアトップとなった。2010年以降もシェア1位を維持する見通しである。
数年前までCRMはオンプレミス型が主流だったが、近年、オンデマンド型主導へと変化している。CRM市場に占めるオンデマンド型CRMの構成比率をみると、2009年はオンデマンド型が45.0%であったが、2010年には47.7%、2010年には51.1%となり、オンプレミス型を超えると予測する。昨今クラウドコンピューティングが成長分野とされ注目を集めているが、CRM市場では、既にSaaSの利用が定着したといえる段階に入った。初期投資が不要ですぐ利用を開始できるというSaaSのメリットを活かし、部門単位や小規模で利用を開始する企業も増えており、新たな市場が生まれている。
オンプレミス型は緩やかに減少するが、オンデマンド型にすべて代替されるわけではない。2007年、2008年の2年間はオンプレミス型CRMの売上減少が続いたが、2009年は前年並みの水準に留まっている。オンデマンドとオンプレミスがそれぞれの特性を活かして併用されている。オンデマンド型のメリットとデメリットを吟味した上でオンプレミスを選択するという企業も多いほか、オンデマンド型からオンプレミス型に乗り換える企業も出てきている。オンプレミスのメリットは、画面や機能などのカスタマイズの柔軟性、既存システムや周辺システムとの連携の容易さ、大規模かつ長期間利用する際にはオンデマンド型よりコストが低い場合がある、といった点であり、その存在意義は失われていないと考える。
参考:このレポートに掲載されている主なデータ一覧
- ERPパッケージライセンス売上高推移(エンドユーザ渡し価格ベース)
- 日銀短観 業況判断DIの推移
- 全体市場におけるライセンス売上高シェア(エンドユーザ渡し価格ベース)
- 大手企業(年商500億円以上)におけるライセンス売上高シェア(エンドユーザ渡し価格ベース)
- 中堅・中小企業(年商500億円未満)におけるライセンス売上高シェア(エンドユーザ渡し価格ベース)
- SMB市場向け製品の位置付け
- 業種別ERPライセンス売上高の推移(エンドユーザ渡し価格ベース)
- 業務ソリューション別ERPライセンス売上高の推移(エンドユーザ渡し価格ベース)
- 大手企業/SMBにおけるERPライセンス売上高の推移(エンドユーザ渡し価格ベース)
- 国際会計基準適用のロードマップ
- SaaSに対する各社の取組
- CRMパッケージライセンス売上高推移(エンドユーザ渡し価格ベース)
- Salesforce CRMとオンプレミス型CRM/SFAとの違い
- オンプレミス/オンデマンド別CRMライセンス売上高の推移(エンドユーザ渡し価格ベース)
- CRMライセンス(オンプレミス+オンデマンド)売上高シェア(エンドユーザ渡し価格ベース)
- SFAライセンス(オンプレミス+オンデマンド)売上高シェア(エンドユーザ渡し価格ベース)
- マーケティングライセンス(オンプレミス+オンデマンド)売上高シェア(エンドユーザ渡し価格ベース)
- ソリューション別ライセンス(オンプレミス+オンデマンド)売上高推移(エンドユーザ渡し価格ベース)
- 顧客年商規模別ライセンス(オンプレミス+オンデマンド)売上高推移(エンドユーザ渡し価格ベース)
…ほか
関連リンク
■類似テーマのレポートサマリ
・ERP及び拡張ソリューションの導入実態に関するユーザ調査結果 2008
・CRMアプリケーション市場に関する調査結果 2008
調査対象 国内CRMパッケージベンダー(7社)
調査期間 2009年12月~2010年2月
調査方法 当社専門研究員による直接面談
※CRM(Customer Relationship Management)パッケージとは:企業が顧客管理や顧客サービス向上を行うためのシステムをさす。
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