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スマートフォン市場に関する調査結果 2009
「スマートフォン市場に関する調査結果 2009」 小見出し一覧
今、なぜスマートフォン市場が注目されるのか?
世界の携帯電話市場は、2008年第3四半期に起こった「世界同時不況」以降急ブレーキが掛かったものの、総出荷台数は過去最高を記録した。一方、国内携帯電話市場は買い替え要因に乏しく、また通信事業者が携帯端末販売手法の見直しを図った結果、携帯の買い替えサイクルの長期化を招き出荷台数が大幅に減少した。
そうした状況下において、新たな成長カテゴリとして期待されているのが「スマートフォン」である。
国内:スマートフォン市場動向
【国内スマートフォン市場規模】2009年の出荷台数は前年比31%増
2008年の国内市場におけるスマートフォンの出荷台数は前年比68%増の158万台であった(2007年のスマートフォン出荷実績:94万台)。
矢野経済研究所推計
注: メーカー出荷台数ベース
注:(予)は予測値
国内携帯電話市場が低迷する一方で、海外メーカーのスマートフォン製品が相次いで導入されたことに加え、新たなビジネスチャンスを開拓すべく通信事業者各社がスマートフォンの積極的な導入に踏み切ったことが増加の要因となった。
また一部のスマートフォン製品の国内市場への導入がマスコミに大きく取り上げられ、消費者への認知を高めたことも、プラスに作用した。
2009年は製品ラインアップのさらなる充実と買い替え促進に伴い、スマートフォンの出荷台数は前年比31%増の207万台と見込まれ、2012年には通 信環境の整備促進と端末性能の向上、製品の成熟化を背景に、スマートフォンの出荷台数は365万台へ増加すると予測する。
【国内におけるスマートフォンの位置づけ】携帯とモバイルPCの間を埋める存在に
スマートフォンは一般的に、携帯電話とノートブックPC(モバイルPC)との間を埋める製品と期待されている(下図)。
矢野経済研究所推計
注:メーカー出荷台数ベース
2008年の国内市場におけるスマートフォンを除く携帯電話の市場は約3,500万台(PHS、データ通信端末含む)に対し、パソコン市場では低価格かつ可搬性に優れたネットブックPC(ミニPC)が急成長し、80万台の出荷を記録した。
またMID(Mobile Internet Device)と呼ばれるネットブックPCより小型な製品も登場した。2008年の国内市場におけるネットブックPC、MIDを除いたノートブックPCの市場は約760万台と推計した。
【国内スマートフォン市場の将来展望】競合製品群との差別化がカギに
携帯電話端末市場が飽和状態にあるなか、ネットブックPCはデータ通信回線とのセット販売で普及が進んでおり、モバイル環境下におけるインターネットに接続可能なデバイスの選択肢が増えた。
スマートフォンにとって携帯電話とネットブックPC、MIDが競合製品となる。スマートフォンが競合する製品と差別化を図り、存在をより確かなものとするには、他のデバイスにはない付加価値をどのように搭載し、多様化する消費者ニーズに合わせて提供していくのかが重要である。
特に日本市場では携帯電話のモバイルインターネットサービスが確固たる地位を築いているが、スマートフォンはワールドワイドなプラットフォームを有しているのが最大の特徴であり、スマートフォンの既存携帯電話に対する優位性である。
またネットブックPC、MIDに対しては、性能面での差を縮めると同時にモバイル環境下での最適なインターフェイスを実現していくことが、差別化要素になると考えられる。
今後数年はスマートフォン、携帯電話、ネットブックPC、MIDという各デバイスが競合すると予想されるものの、ユーザーのライフスタイルに合わせて個々のポジションを確立していくと考える。
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世界:スマートフォン市場動向
【世界スマートフォン市場規模】2009年の出荷台数は前年比11%増
2008年世界のスマートフォン出荷台数は前年比52.1%増の1億3,672万5,000台(2007年出荷実績8,987万5,000台)であった。2009年は先進国市場の景気悪化等により携帯電話市場出荷の前年実績割れが避けられないなか、スマートフォン市場は堅実な成長が見込まれ、出荷台数は前年比11%増の1億5,193万台と予測する。
矢野経済研究所推計
注: メーカー出荷台数ベース
注:(予)は予測値
【世界スマートフォン市場の将来展望】競合製品群との差別化がカギに
◆海外ではスマートフォンが「モバイルインターネット」普及の中心的存在
2008年は高いセキュリティ性とメール機能を備えたスマートフォン製品や、デザイン面で特徴を持たせたスマートフォン製品が世界中で人気となった。また通信事業者各社が販売奨励金を投下して積極的に販売しており、現在スマートフォンが海外における「モバイルインターネットサービス」普及の中心的存在となっている。
◆新興メーカー、大手メーカー、異業種参入組が入り乱れて競争激化の様相
2008年の世界スマートフォン市場では新興メーカーが存在感を発揮したが、2009年は既存の大手メーカーが新製品を積極的に導入して巻き返しを図り、また異業種からのスマートフォンへの新規参入や低価格モデルでシェア拡大を図るメーカーもあり、スマートフォン市場における競争はさらに激しくなる見込みである。
◆2009年のスマートフォンの製品トレンド・キーワード
2009年におけるスマートフォンの製品トレンドは「タッチパネル」 の搭載によるユーザーインターフェイスの改善、高性能プロセッサの搭載による性能向上と低価格プラットフォームの開発による二極化の進行、オープン化によ る端末メーカー・アプリケーション開発者の囲い込み、大手メーカーによる端末・コンテンツを一体提供する垂直統合ビジネスの推進の5つが挙げられる。
地域別では、携帯電話の販売が伸び悩む欧州や米国などの先進国でも、引き続きスマートフォンの需要拡大が見込まれる。発展途上国でも続々とW-CDMA(UMTS)規格による3Gサービス(第三世代携帯電話サービス)が開始されており、新たな市場が創出されつつある。
また、巻き返しを図るメーカーや新規参入を図るメーカーの多くは複数のOSを採用したマルチプラットフォーム戦略をとっており、これらのメーカーの取り組みが市場構造に大きな影響を与える可能性が高い。
参考:このレポートに掲載されている主なデータ一覧
- 国内情報通信機器2007年 出荷台数実績
- モバイル機器の位置づけと国内市場規模(2007-2008年)
- 国内スマートフォン年度別累計加入者数実績・予測
- 国内携帯電話加入者数実績・予測
- 国内PHS加入者数実績・予測
- 国内携帯電話端末出荷動向(2007年/2008年)
- 国内スマートフォン向けOS採用動向(2009年1月現在)
- スマートフォン出荷実績および予測、シェア(国内/世界/中国/アジア・オセアニア/北米/中南米/欧州/中近東・アフリカ)
- スマートフォンOS別出荷実績/予測
…ほか
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調査対象 国内移動体通信サービス事業者、国内携帯電話メーカー、海外携帯電話・スマートフォンメーカ、海外製造受託企業、海外PCメーカー、海外PNDメーカー
調査期間 2008年7月~2009年3月
調査方法 当社専門研究員による直接面談、電話・e-mailによるヒアリング、ならびに文献調査併用
※本調査におけるスマートフォンとは:本調査では「スマートフォン」を、以下の条件を満たすものと定義した。
- アプリケーションをインストールして機能拡張・カスタマイズが可能な端末
- 汎用OSを搭載
- 音声通話機能・インターネットブラウザを搭載
- パソコン・携帯電話との連携が可能
- アプリケーションの開発環境がオープンプラットフォーム
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