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自動車用組み込みソフトウェア市場の調査結果 2009
「自動車用組み込みソフトウェア市場の調査結果 2008」 小見出し一覧
自動車用組み込みソフトウェア市場概況・予測
【自動車用組み込みソフトウェアの業界アウトソース構造】
下記の図は、自動車用組み込みソフトウェアの業界アウトソース構造図である。図内のECU(A)は自動車メーカがソフトウェアだけを外製化しているケースだ。ECU(B)はハードもソフトも含めECU全体を外製化しているケース、ECU(C)はECU内のボード/チップとそれに焼き付けたソフトを外製化しているケースである。
矢野経済研究所作成
【自動車用組み込みソフトウェアの市場実態】
今回の面接取材を元に、自動車用組み込みソフトウェアの市場実態について分析した結果、2008年における日本国内の組み込みソフトウェア開発市場規模は、ほぼ3兆円と推定した(ソフト部品+サービス+ハードメーカの内製ソフト)。
しかしながら、この3兆円という数字は2次請け事業者、3次請け事業者の数字をもダブルカウントしている。ダブルカウント分を除いた国内組み込みソフトウェア市場規模はほぼ1兆円と考えられる。1兆円の中には携帯電話用や家電用などの組み込みソフトも含まれており、自動車用組み込みソフトは約30%の比率であるため、国内の自動車組み込みソフト市場規模は以下のように推計される。
1兆円 × 30% = 3,000億円が、国内の自動車組み込みソフト市場規模
この3,000億円には受託開発、派遣による開発などのサービス事業とソフトウェア部品事業が含まれる。
自動車用組み込みソフトの開発には、ブレーキ制御ひとつとっても「路面の状況(濡れているか、霜が降りているか、等)ごとにシミュレーションしなくてはならない」という難しさがある。逆にいえば、この難しさがある由に問題視され、注目され、日本の高い技術力が世界から評価されるのである。
もし自動車組み込みソフトすんなり作れてしまうようなものであるならば、今ほどの注目を集めることはできなかったはずだ。
2008年現在は全世界的な景気減退期にあり、日欧米の自動車市場の需要が下がっている。新興国では成長が予測されるが、売れる自動車の価格は日欧米に比べて低い。今後、世界の自動車市場で成長するのは、多くのカーエレユニットを満載するラグジュアリーカーではなく、ユニット数を最小限に抑えたスモールカーになりそうだ。だが、たとえ満艦飾でなくとも今後の自動車の魅力を支えるためには、カーエレとそれを制御するための組み込みソフトは必須である。ハイブリッドカーが増えるとなればなおさら重要性は増す。
自動車用組み込みソフトウェア市場の将来性
以下は、今回調査した自動車用組み込みソフトメーカ20社に対する質問「自動車用組み込みソフト市場の可能性をどのように考えるか」への回答である。
矢野経済研究所作成
矢野経済研究所作成
【自動車用組み込みソフトウェア市場の将来性:総論】
20社のうち、「可能性非常に大」と見ている企業が4社、「可能性大」は10社、「可能性大」と「どちらともいえない」の中間くらいが2社、「どちらともいえない」は4社、「可能性小」はなかった。
「どちらともいえない」と答えた企業の理由としては、「自動車用組み込みソフト市場そのものは拡大していっても、自社が参入できるどうかは分からないから」というコメントもあり、全体として自動車用組み込みソフト市場が今後拡大していくという企業は20社中18社あった。
世界的不況から自動車市場の将来を悲観視する向きもあるが、ソフトメーカの現場の声としては「自動車用組み込みソフトの将来に可能性を感じていることが明確」になった。
【自動車用組み込みソフトウェア市場の将来性:企業タイプ別コメント】
また今回調査した組み込みソフトメーカ20社を「1.自動車メーカ系」「2.独立系」「3.半導体メーカ系」「4.ツールメーカ」の4つの企業タイプに分類し(表中に分類を記載)、それぞれのコメントの傾向をまとめてみた。
■自動車メーカ系列ソフトメーカ(4社)コメント
(1)自動車組み込みソフト市場は拡大基調にある。
(2)自動車組み込みソフトの技術はますます重要になる。
(3)しかし、自動車産業におけるソフトメーカの地位は低い。メカ技術者との確執もある。
(4)自動車メーカのいいなりにやっているというイメージ。
(5)派遣のスタイルから脱皮したい。■独立系ソフトメーカ(10社)コメント
(1)1社のみ、ここのところの世界不況による自動車市場そのものに対する不安もあるが、他社は自動車用組み込みソフト市場は拡大を続けていくと見ている。
(2)しかし、10社のうち5社は「市場は成長していても仕事が回ってこない」ことに不安を感じている。しかしただ不安を感じているばかりではなく、先行開発型メーカの中には、OS開発などさまざまな手段で自動車メーカに対して積極的にアピールしようと図っている模様。
■半導体メーカ系ソフトメーカ(3社)コメント
(1)情報通信系ソフトよりも、むしろ走行制御系や次世代パワトレ系(HVや燃料電池車)ソフトに対してより大きな可能性を感じている。
(2)2012年くらいに、情報系と走行制御系が本格的に融合したとき(たとえばインフラ協調システムが実現したとき)に大きなチャンスが訪れる…という声もあった。■開発ツールメーカ(3社)コメント
(1)「当社の開発ツールによって市場が伸びる」というアピール。
(2)市場は拡大基調にあるものの、もはや開発ツールでは儲からない。今後は検証ツールに可能性がある。「品質確保のために第3者にプログラム検証を実施してほしい」という要望が高まっている。
参考:このレポートに掲載されている主なデータ一覧
- カーエレクトロニクスと組み込みソフトの歴史(1960~2010年)
- 07年のカーエレクトロニクス(=電子システム)の車輌原価比率
- 組み込みソフトウェアの分類別特徴
- 自動車用ECUと組み込みソフト開発手法のロードマップ
- 自動車用組み込みソフトウェアの業界構造図
- Tier1モジュールメーカの組込みソフトにおける立場の変遷
- 国内主要乗用車メーカの組み込みソフト内製/外製状況
- AUTOSARのメンバー
- AUTOSARアーキテクチャ
- AUTOSARの開発プロセス
- AUTOSARシステム具体化プラン(2008-2012)
- カーメーカの競争領域/非競争領域と、JASPARの担当領域
- Basic Softwareの構成
- JASPARの活動体制
- JASPARの会員 種別一覧(2008年11月時点)
- 車載ソフトのプラットフォーム開発の利点
- コンポーネントベース開発からモデルベース開発へ
- 欧州のコンソシアムの位置付け
- カーエレメーカのビジネスモデルの変化
- トヨタの次世代モジュールグループ編成
- 自動車用組み込みソフト開発メーカ相関図(1)
- 自動車用組み込みソフト開発メーカ相関図(2)
- 組み込みソフト開発における現在までのグループマッピング
- V字開発工程の概要図
- 21社の得意とする工程一覧表(仕様設計/ECU実装/実機検証)
- 21社/参入分野(パワトレ系、シャーシ系、ボディ系、安全系、室内・情報系)
- 21社別/車載組み込みソフト売上レンジ(~10億/10~50億/50億~)
- 21社別/車載組み込みソフト売上の総売上高比
- 21社別/車載組み込みソフト関連人員数
- 21社別/先行開発・量産開発の重視度合い
- V字開発の典型例
- 今回調査対象企業20社の考える自動車用組み込みソフト市場の将来性(1)
- 今回調査対象企業20社の考える自動車用組み込みソフト市場の将来性(2)
- 今回調査対象企業20社の課題と対応策、次世代戦略(1)
- 今回調査対象企業20社の課題と対応策、次世代戦略(2)
…ほか
関連リンク
■同テーマのレポートサマリ
2008年版 自動車ECU/組み込みソフトウェアの開発戦略
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調査対象 自動車メーカ、Tier1(1次受け自動車部品メーカ)、自動車用組み込みソフトウェアメーカ(自動車メーカ系列のソフト子会社、Tier1系列のソフト子会社、独立系ソフトメーカ)、ソフトウェア開発ツールメーカ、及び ソフト開発コンサルタント等
調査期間 2008年6月~11月
調査方法 当社専門研究員による直接面談を中心に電話、e-mail等によるヒアリング、各種文献調査を併用
※自動車用組み込みソフトウェア:自動車に搭載されたカーエレクトロニクスに組み込まれた特定機能を提供するためのECU(Electronics Controle Unit)内のソフトを自動車用組込みソフトウェアという。自動車用組込みソフトウェアには、パワトレ分野におけるエンジン制御ソフト、シャーシ分野におけるブレーキ制御ソフト、車室内のエアコン制御ソフト、情報分野のカーナビ制御ソフトなど多種多様な製品がある。
※Tier1:自動車メーカの1次請け部品メーカ。
※ECU :Electronics Controle Unit。自動車の部品ユニットを電子制御する車載コンピュータ。
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