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ユーザ企業のIT投資実態に関する調査-SaaSの普及における障壁とは-

08/03/03
矢野経済研究所が国内企業565社に対して実施した、IT投資実態に関するアンケート調査結果。ユーザ企業はITのどの分野に投資しているのか。また、今後3年間のSaaSの利用意向は?
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「ユーザ企業のIT投資実態に関する調査」 小見出し一覧

IT投資の構成比推移(2007~2009年度)-運用・保守への投資が増加する見込み

IT投資の構成比推移では、「ハードウェア」、「ベンダ開発又は自社開発」、「パッケージ(カスタマイズ含む)」の構成比が2009年度にかけて減少するのに対して、「運用・保守」、「運用・保守アウトソーシング」の構成比が増加する見込みとなった。これは、日本版SOX法や個人情報保護法などの影響により、企業の情報管理の重要性が増し、システムの運用部分が重視されるようになってきたことが要因と思われる。SI/ITベンダ側もストック型ビジネスである運用アウトソーシングに注力しているため、運用サービス市場は拡大していくことが予想される。
なお、「SaaS」の構成比も増加していく見込みであるが、2009年度でも1.5%と低い構成比に留まる見込みとなった。

図1 IT投資の構成比推移(2007~2009年度)(N=565)
図1 IT投資の構成比推移(2007~2009年度)(N=565)

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SaaS(Software as a Service)への大きな投資は、数年内は期待薄

IT業界において「SaaS」のキーワードは、非常に良く聞かれるようになった。しかしながら現段階では、SaaSビジネスで成功しているSI/ITベンダはまだ数えるほどしかなく、普及はこれからと思われる。そのため、今回のアンケートでは、ユーザの意識を知るために「SaaS」に関する質問を実施した。

【SaaSへの投資予定:今後数年は大きな投資が見込めない】
まずユーザのSaaSへの投資予定に関しては、「IT投資の構成比」の回答で、2009年度構成比見込みが1.5%に留まったことなどから、今後数年間は大きな投資が見込みづらい結果となった。また「SaaSの利用意向」に関する質問でも「なし」の回答が68.8%と「あり」30.1%の2倍以上あった。

利用意向を「あり」としたのは、大企業が多く、逆に中小企業では「なし」の構成比が高かった。「あり」の30.1%を多いと捉えられないこともないが、これは、大企業の方が新しいサービスであるSaaSに対する関心が高く、それが数字になって表れたものだと思われる。

【SaaSを利用しない理由:1位は「互換性/システム間移行が難しそうだから」
SaaSの導入に当たって、どのような障壁があるかを知るために、「SaaSを利用しない理由」を質問したところ、最も多かった回答は「互換性/システム間移行が難しそうだから」17.5%であり、次に「カスタマイズ性に乏しそうだから」17.0%、「操作性(使い勝手)に懸念」15.2%と続いた。

「互換性/システム間移行が難しそうだから」の回答が最も多かったことからもわかるように、SaaSの導入に当たって最も障壁になっているのは、既存システムとの関係であろう。既にあるシステムの代替品としては、能力がまだ不足していると考えられているようだ。また既存システムと連携させるにしても共通プラットフォームを利用するSaaSの互換性に懸念を持っているようだ。

次に「カスタマイズ性に乏しそうだから」、「操作性(使い勝手)に懸念」が上位にきたことからわかるように、ある程度のカスタマイズが可能だとしても、他社と共通のインターフェイスで利用せざるを得ないなど、SaaSが自社の状況に合わせて使用できない可能性を懸念しているようだ。

今後、SaaSを普及させていくためには、ユーザが抱いている互換性やカスタマイズ性などへの懸念を払拭するための、技術的及び営業的な努力が必要になるだろう。

*掲載した表やグラフは、四捨五入の関係で、合計値が合わないことがあります

図2 今後3年間のSaaSの利用意向(N=565)
図2 今後3年間のSaaSの利用意向(N=565)

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参考:このレポートに掲載されている主なデータ一覧

  • IT投資の用途別構成比推移
  • IT投資の目的(優先順位1位)
  • 海外拠点への投資
  • 部門別IT投資
  • ハードウェアへの投資
  • ソフトウェアへの投資(予定投資額順位1位)
  • IT業界のトピック(注目度順位1位)
  • 内部統制強化への過去の投資額
  • 内部統制強化への今後3年間の投資額
  • データセンターの利用条件
  • SaaSの利用意向の有無
  • SaaSを利用しない理由
  • ERPの導入状況
  • ERPの導入計画
  • 現在取引のあるSI/ITベンダ
  • SI/ITベンダを選択した理由
  • 業種別のIT投資額対前年度比
  • 「総合」満足度ランキング上位5社
  • 「コンサルティング力」満足度ランキング上位5社
  • 「ソリューション提案力」満足度ランキング上位5社
  • 「技術力」満足度ランキング上位5社
  • 「サポート体制」満足度ランキング上位5社
  • 「コスト」満足度ランキング上位5社
  • 「対応のスピード」満足度ランキング上位5社
  • 業種別のIT投資額平均値
  • 売上高規模別のIT投資額平均値
  • 従業員数別のIT投資額平均値
  • 業種別のIT投資額対前年度比
  • 売上高規模別のIT投資額対前年度比
  • 従業員数別のIT投資額対前年度比
  • SI/ITベンダに関する評価
  • 今後のSI/ITベンダの選択基準
  • コンサルティング力(ニーズの整理・把握等)の評価
  • ソリューション提案力(①を踏まえた提案)の評価
  • 技術力(実際の構築・運用等)の評価
  • サポート体制の評価
  • コストの評価
  • 対応のスピードの評価

…ほか

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関連リンク

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調査要綱

調査対象 国内企業(有効回答数565社)
調査期間 2007年12月~2008年1月
調査方法  郵送によるアンケート調査

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