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中国カーナビ/PND市場に関する調査結果2008
「中国カーナビ/PND市場に関する調査結果2008」 小見出し一覧
- 拡大する中国乗用車市場と高まるテレマティクス需要
- 2007年の中国PND市場(出荷台数ベース)は120万台 前年比300%の急成長
- 2007年の中国フルマップナビ市場(出荷台数ベース)は34万台
- 参考:このレポートに掲載されている主なデータ一覧
- 関連リンク
拡大する中国乗用車市場と高まるテレマティクス需要
【中国乗用車市場概況】
2007年の中国乗用車市場(販売台数ベース)は527万台で前年比124%と伸びた。これは中国自動車販売台数全体の60%に相当する。中国では乗用車が自動車市場を牽引しているといえる。
中国乗用車市場は100社以上の参入メーカが細かくシェアを分け合っている。日本メーカはトヨタ、ホンダ、日産ともにシェアを増加させ、VW、GM、現代などとの激しいトップ争いを繰り広げている。
中国乗用車市場は2015年で1,030万台と予測するが、都市部を中心とした総量規制やガソリン価格高騰による買い控えなどの阻害要因によっては1,000万台に到達しないことも考えられる。
【中国テレマティクスサービス需要】
オリンピックを控えた北京市をはじめ、上海市、浙江省など湾岸エリアの都市部の道路は渋滞がひどく、その結果、環境悪化の助長や、経済発展の阻害要因にもなりうる。こうしたエリアでは、とくに渋滞情報をはじめとする交通情報/テレマティクスサービスの需要が見込まれる。
こうした中国において、将来は交通情報/テレマティクスサービス搭載の有無がカーナビの売れ行きを左右し、ひいては乗用車購入時の決定要因にもなりうる。現在、激しい販売競争を繰り広げているメーカ各社は、2007年から各地でテレマティクスサービスの実験を繰り返している。トヨタ「G-BOOK」、日産「スターウィングス」、GM「オンスター」などのテレマティクスサービスが2009年以降に本格的にスタートする予定である。
2007年の中国PND市場(出荷台数ベース)は120万台 前年比300%の急成長
【中国PND市場概況】
2007年の中国PND市場(出荷台数ベース)は120万台となり、前年比300%と大きく伸びた。これは2007年中国ナビ台数全体の78%に相当する。中国のPND参入メーカは200社を超え、とくに広州、深セン、香港、台湾からの参入が多く、まだ市場は黎明期であるにもかかわらず、競争は激化している。現在は低価格競争であるが、やがて多様な高付加価値競争にシフトしていくと予測する。
現在のところ、主にPNDは家電量販店やPCショップなどの市販チャネルでの販売であるが、今後はディーラオプションとして自動車メーカが新チャネル設定を行なうことも考えられる。
【中国PND市場予測】
2008年は220万台、2009年は350万台、2015年には820万台に達すると予測する。2015年まではPNDが中国ナビ市場を牽引していく。
中国PND市場は、数量的には成長傾向にあると予測したが、概して、中国PNDの将来は混沌としているといわざるを得ない。たとえば、中国PNDは欧米における「カーナビの廉価版」をそのまま受け入れてしまうのか、あるいは中国独自のPNDを開発できるのか、また、日本の得意とするメモリ型フルマップナビにシフトしていくのか、GPSスマートフォンにシフトしていくのか等の状況があると推測する。
中国独自開発のPNDについては、デジタル放送、MP4、リアカメラ、ハンズフリー、Bluetooth、ゲーム、オフィスツール等のモジュールを組み込んでいく方向性もある。それは「自動車で使うもの」という範疇を超えて、「何かカッコイイ目新しい情報機器」という製品イメージである。中国の豊かな大衆層はそうした情報ツールを求めている。
しかも、求められる目新しさは地域によって異なる。一例では、とにかく新しいものに飛びつく華南(広州など)ユーザのニーズと、保守的な北京ユーザのニーズとでは違ったものになるということである。したがって、中国版PNDには多種多様な製品の魅力が求められる。
中国市場のこうした特性は、世界標準を念頭に置いた欧米ナビメーカ(PNDメーカ)にとって非常にやりづらい市場になると考えられる。
2007年の中国フルマップナビ市場(出荷台数ベース)は34万台
【中国フルマップナビ市場概況】
2007年の中国フルマップナビ(日本で一般的なDIN*注に組込むタイプのカーナビ)市場は、メーカオプションで25万台、ディーラオプションと市販合わせて9万台、合計34万台で、2007年中国ナビ市場全体の22%にあたる。
今後の中国フルマップナビ市場は、2008年63万台、2009年87万台、2015年には260万台に達すると予測する。
日本のカーナビ(=フルマップナビ)市場について、「市販から純正(メーカオプションやディーラオプション)へ」と推移し、成長してきた経緯がある。一方、中国では、急増する自動車市場に合わせて、最初からメーカオプションのカーナビが市場をリードしている。市販市場はもはやPNDに席巻されているのが現状である。
【中国フルマップナビ市場予測(1)】 メーカオプションのハイエンドなフルマップナビ
フルマップナビ市場はPNDのように急増することはないが、今後も確実に成長していく。中国における乗用車の購入者は、特に富裕層であり、そこに搭載されるカーナビは人目を引く高級品でなければならないからである。低価格が魅力のPNDは求められない。
中国には「高価格品=最高級品」という根強い考え方がある。「最高のものを持っている人の周囲には人が多勢集まってくる。人が集まれば集まる程、その人には多くのチャンスが訪れる。だから人を魅了するために最高のものを身につけておくのだ」という考え方である。人の関心をひきつけて人間関係を築くことこそが将来への蓄財だとする哲学が育ったといわれている。
こうした背景もあり、日本メーカが得意とする高級車向けメーカオプションのハイエンドなフルマップナビは、今後も中国において一定の需要層を確保し続け、確実に成長できると考えられる。
【中国フルマップナビ市場予測(2)】 ディーラオプションのメモリ型カーナビ
中国では、次第に10万元(150万円)以下の小型車が売れるようになっていくケースが考えられるが、通常、ナビの価格は搭載車両価格の約5~7%といわれているため、150万円の乗用車であれば搭載されるナビは10万円を下回る価格であると推測できる。現状では、この価格を下回るナビはPNDだけであり、同ユーザ層はPNDを購入している。
一方で、今後メモリ型カーナビ(HDDやDVDの代わりに安いメモリカードを記憶媒体とするDIN*に組み込まれるカーナビ)のさらなる低価格化が進むと、それがディーラオプションやメーカオプションで設定されるようになっていく可能性がある。
その場合、現在のPND購買層の何割かは、市販のPNDを買わず、ディーラオプションのメモリ型カーナビを買うようになる可能性がある。その要因としては、メモリ型カーナビはDIN*に組み込まれるカーナビであるため、走行系との連携についても可能性が広がる一方で、デザイン性からみても、スマート性を追求できる。
今後の中国市場は、PNDの低価格性を武器に急成長をとげた欧米ナビメーカにとって非常にやりにくい市場になる一方で、低価格性よりもユーザの使いやすさや魅力を重視してきた日本のナビメーカの高付加価値路線が同市場において優位性をもつと考えられる。
(*注:DINとはドイツ規格協会の工業規格であり、一般にはオーディオやカーナビを取り付けるコンソールの規格サイズのことを意味する)
表1 中国乗用車市場と中国カーナビ/PND市場推移と予測
| 2006年 | 2007年 | 2008年 | 2009年 | 2010年 | 2011年 | 2013年 | 2015年 | |
|
中国乗用車販売台数
|
424 | 527 | 630 | 705 | 780 | 850 | 970 | 1,030 |
|
対前年比
|
124.3% | 119.5% | 111.9% | 110.6% | 109.0% | 106.0% | 102.2% | |
|
中国ナビ総出荷台数(A)
|
60 | 154 | 283 | 437 | 616 | 735 | 943 | 1,080 |
|
フルマップナビ(M-OP)
|
15 | 25 | 50 | 70 | 95 | 120 | 180 | 220 |
|
フルマップナビ(D-OP、市販)
|
5 | 9 | 13 | 17 | 21 | 25 | 33 | 40 |
|
PND、他(D-OP`、市販)
|
40 | 120 | 220 | 350 | 500 | 590 | 730 | 820 |
|
(A)前年比
|
256.7% | 183.8% | 154.4% | 141.0% | 119.3% | 111.1% | 106.2% |
注1:「フルマップナビ」とは、日本で普及しているDIN組込み型の詳細な地図カーナビである。M-OPはメーカオプション、D-OPはディーラオプションの略。
注2:「PND、他」にはPDAナビが含まれる。GPS搭載携帯電話は含まない。
注3:中国ナビ総出荷台数が乗用車年間販売台数を上回り、2015年108%の比率に達するのは新車における買換え需要、及び中古車への搭載が進むためである。またPNDは二輪車などでの利用も増えるためである。
参考:このレポートに掲載されている主なデータ一覧
- 中国自動車市場1998~2015年推移
- 2007年 中国乗用車メーカシェア
- 中国カーメーカ各社のカーナビ設定状況,販売状況(07年12月状況)
- 中国におけるITSの取り組みと~2010年予測
- 2007年各省・市別ITS動向(北京市/上海市/広東省/重慶市/天津市/江蘇省/浙江省/安徽省/河北省/河南省…など)
- 2007年 中国PNDメーカ別採用地図メーカ一覧
- 中国 カーナビ/PND市場推移予測グラフ
- 中国 カーナビ/PND市場推移予測表
- 中国 2008年MOカーナビ市場の内訳
- 中国DO/市販カーナビ市場分析
- 中国PNDメーカシェア(2007年,台数ベース)
- 北京、上海、深セン/広州の店舗におけるナビ販売状況
- 中国携帯電話加入者数推移
- 中国携帯電話加入者シェア
- 中国ナビ関連企業の主要記事一覧表(2006~08年)
- 中国カーナビ関連企業50社の実態個票(カーナビ用地図メーカ(11社)/フルーマップナビメーカ(8社)/PNDナビメーカ(25社)/PDAナビメーカ(3社)/携帯電話ナビメーカ(3社))
・・・ほか
関連リンク
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・アジア・カーナビ/PND市場に関する調査結果 2009
・世界カーナビ/PND市場に関する調査結果 2008
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調査対象 中国におけるカーナビ,PND(Personal Navigation Device),PDA(Personal Data Assistance)ナビ,ナビ地図,ITSインフラ,テレマティクスサービス
調査期間 2007年10月~2008年6月
調査方法 当社専門調査員による中国における現地面接調査及び電話・メール取材。当社蓄積データ、および各種文献調査を併用
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