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アウトバウンドサービスの活用により営業力を底上げせよ!
営業担当者の能力に依存すべきではない
今回は、企業の営業活動について考えてみたい。
多くの企業では、営業活動を営業担当者の裁量に任せている。そのため、個々の営業担当者の能力により、極端に営業成績の良い者が存在する一方で、極端に悪い者も存在することになる。
営業力の全体的な底上げを図ろうと、多くの企業では、営業成績の優秀な営業担当者を表彰するとともに、営業成績の悪い営業担当者を叱咤激励する。しかしながら、多くの場合、そのような取り組みだけで状況が改善することはない。
営業成績の優秀な営業担当者を表彰したり、営業成績の悪い営業担当者を叱咤激励したりするのは、営業担当者にモチベーションを高めて欲しいからだろう。しかしながら、営業成績の優秀な営業担当者以外は、そもそも売上を上げるコツをつかめていないわけだから、モチベーションだけ高めてもそう簡単には売上は向上しない。
経済が成長している時期は、そのような状況であっても、大きな問題になることはなかった。企業全体の売上高が伸びているため、営業力の底上げがうまくいっているかどうかが検証されることはあまりなかった。
しかしながら、現在は、景気回復の遅れにより、状況が変化している。全体売上高が低下傾向にあるため、成績の悪い営業担当者を、営業部門からはずす動きが見られるようになってきた。売上高が低下しているため、犯人捜しが始まっているのである。小さいながらも売上高を上げていた営業担当者の人数を減らせば、必然的に全体売上高も減少することになる。過去のオピニオンにも書いたが、私は、直接部門の要員は削減すべきではなく、むしろ間接部門からリソースをシフトさせ、増やしていくべきと考えている。
営業力の底上げを図るには、成績の優秀な営業担当者のノウハウを共有化することが効果的である。しかしながら、営業成績を日々競わされている営業担当者は、ノウハウを公開しづらい心理状態になっていることが多く、共有化も形だけのものとなってしまうケースが多い。
このように、営業担当者の能力に依存した状態では、営業力の底上げは実現しづらい。企業としては、個々の営業担当者の能力に依存するのではなく、営業力を底上げする仕組みを構築していくべきである。
アウトバウンドサービスの活用による営業力の底上げ
営業力を底上げする方法の一つに、アウトソーシングの活用がある。
例えば、外資系を中心にしたIT事業者の多くでは、アウトバウンドサービスの利用により、営業力の底上げに努めている。
下図のように、IT事業者の販売活動は、マーケティング活動と営業活動に分かれるが、今回は、営業行為という一つの視点で述べることにする。
矢野経済研究所作成
日本企業の多くは、上図の一連の流れを営業担当者の裁量に任せており、これら一連の作業の進め方がうまい営業担当者が優秀な成績を上げている。そのような営業担当者は、大量の顧客候補の中から、優良な顧客を見つけ出す能力に優れている。そしてアポイントを取る能力に長けており、商談の機会をスムーズに創出できる。さらに、商談の進め方が優れているため、取り引きを成立させる確率が高い。そして、顧客のフォローを欠かさないため、リピート顧客も確保できる。
一方、外資系のIT企業では、上図の中で、優良な顧客を見つけ出す作業である「リードの絞込み」、商談機会を創出する「アポイント獲得」、顧客をフォローする「関係醸成」の業務を外部のアウトバウンドサービス事業者に委託しているケースが多い。自社のコアコンピタンスである製品やサービスを説明する機会である「商談」は自社の社員が行っているが、それ以外の営業活動で可能な部分を外部の事業者に委託しているのである。
「リードの絞込み」「アポイント獲得」「関係醸成」などをうまく進める能力は、多くの場合、企業のコアコンピタンスとは関係がなく、企業が強みとするところではない。そのような、自社が強みとしない業務は、外部の専門家に委託した方が、経営効率を高めることができる。
アウトバウンド事業者は、アウトバウンドコールを活用し、「リードの絞込み」や「アポイント獲得」「関係醸成」などの業務を請け負うことをコアコンピタンスにしており、それらの業務の専門家である。
そのような専門家であるアウトバウンドサービス事業者に業務を委託することで、成績の優秀な営業担当者以外でも商談機会を得る機会が増加する。
また、外部への業務委託により、営業担当者の作業が削減されるため、営業担当者は自社の製品やサービスを説明する機会である「商談」に専念できるようになる。そのため、営業担当者の商談スキルも高まることになる。
このように、アウトバウンドサービスをうまく活用できれば、営業担当者の商談機会を増加できる上に、商談スキルも高めることができ、企業は営業力の底上げを実現できる。
これまで、個々の営業担当者の能力に依存して営業活動をしてきた企業は、急激な方向転換はできないかもしれない。しかしながら、今後、営業力の底上げを実現していきたいのであれば、アウトバウンドサービスの利用を一度検討してみるべきだろう。
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