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IT事業の採算性は改善されるのか
「テクノロジとマーケティングの調和」が成功の鍵を握る
IT事業者において、プロジェクト利益率の悪化が指摘されて久しい。その引き金となったのはハードウェアの値下がり。マイクロプロセッサ革命は私たちの生活基盤並びに、生活基盤を支える産業基盤に多大な貢献をもたらしたのは論を待たない。高度な計算能力とその能力を引き出すミドルウェアで構成されるプラットフォームは、さまざまな機器に入れられ、あるいは新たな便利な道具を創造した。その代表格であるPC(パーソナルコンピュータ)が誕生して30年あまり。その誕生当時は、インストールすれば使えるアプリケーションプログラムのような便利なものはなく、BASICなどの言語を習い覚えて利用者個々がプログラムを組んで使った。
やがて、計算業務を楽にこなすためのスプレッドシートや、文字を入力するためのワードプロセッサ、さまざまなユーザデータを蓄積し、再利用の際に検索しやすくするためのデータベースなどをはじめとするアプリケーションプログラムが市販された。当時極めて単純な機能しかなくても10万円以上の価格であったのを覚えている。このアプリケーションプログラムの価格は、当時のPC(ローエンド機種でも40万円以上した)の価格との相対性から値付けがなされたと、当時のパッケージソフトウェア会社の営業責任者から聞いた。
マイクロプロセッサはその高度な計算処理能力を小さなシリコンチップ上に収めるため莫大な費用がかかる。そこで大量生産が始まり、量産効果によるコストダウンにより値下がりの循環が生まれた。OS(オペレーションシステム)も、PC誕生当時は数々のメーカが開発していたが、市場原理によってマイクロソフト社とその他(その代表格がアップル)数種に収斂していった。ターゲットOSが絞り込まれたことによって、アプリケーションやミドルウェア開発者たちは開発環境を整えやすくなり、ひとつのジャンルに沢山のプログラムが出回ることによって、こちらも値下げ競争が激化した。この競争の連鎖により、コンピュータ市場に少数の勝者と多数の敗者を生んだ。
通常、勝者が決まってくると市場価格が落ち着き、勝者は大きな利益を享受し続けるのであるが、ITマーケットは、そういった経済通念を打ち破るエネルギーを持っている。それが、たゆまざる技術革新である。新たな技術の種を見つけ、その応用分野を想定し、成功できるか否かのマーケティングを実施して、成功に結びつけるための製品改良や市場戦略を進める。
まさに「テクノロジとマーケティングの調和」が大きな成功を約束するのだ。
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