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レポートサマリー

2017.04.18
危機管理(事業継続/防災/情報セキュリティ)ソリューション市場に関する調査を実施(2017年)

担当者:石塚 俊

東京オリンピック・パラリンピックを控え、サイバーテロ攻撃対策強化がさらに進むと予測

危機管理ソリューション市場概況

  • 事業継続ソリューション市場では、東日本大震災以降から、事業継続対策に取り組む企業が増加していたが、2013年度後半から市場は落ち着きを見せている。但し、一旦策定したBCP(Business Continuity Plan:事業継続計画、以下BCP)を継続的に見直す企業が存在しており、引き合いはその後も継続的に見られる。特に2016年度は、熊本地震の影響により策定済みのBCPを見直す動きやBCPに関するセミナー、訓練などのBCPコンサルティング需要が増加した。
  • 事業継続ソリューション市場のうちDR(Disaster Recovery:災害復旧)ソリューション市場においては、クラウド型のサービスの利用拡大により全般的にサービス単価が低下傾向にあるが、導入企業の裾野は拡がった。
  • 防災ソリューション市場では、政府がBCPや防災対策を着実に進め、引き続きBCPガイドラインの策定や省庁横断の国土強靭化に関する取り組みを進めている。また地方自治体が職員と住民の双方に、より有効な情報を、より迅速・的確に提供するため、導入済の各システム・サービスの高度化、高機能化を継続的に進めている。
  • 情報セキュリティソリューション市場では、2011年以降、大手企業や政府機関へのサイバー攻撃や不正アクセスなどの事例が次々と発覚し、日本でのサイバーテロ攻撃被害が現実味を帯びてきたことから、市場が活発化している。さらに2014年に教育サービス企業で情報漏洩事件が発生し、膨大な被害になったことや2015年に日本年金機構における標的型サイバーテロ攻撃被害という大きなインシデントがあったことなどから、経営者の危機意識が高まり、サイバーテロ攻撃への情報セキュリティ対策の導入を促進する機運はさらに高まっている。
  • このような状況から、国内の危機管理(事業継続/防災/情報セキュリティ)ソリューション市場規模(事業者売上高ベース)は、2015年度は8,472億9,900万円、2016年度は前年度比105.8%の8,967億円の見込みである。

 

【図表:危機管理(事業継続/防災/情報セキュリティ)ソリューション市場規模推移・予測】

危機管理(事業継続/防災/情報セキュリティ)ソリューション市場規模推移・予測

矢野経済研究所推計

注:事業者売上高ベース
注:2016年度は見込値、2017年度以降は予測値
注:危機管理ソリューションとは、事業継続ソリューション(BCPコンサルティング、DR [災害復旧]ソリューション)、防災ソリューション(防災行政無線システム、消防指令システム、総合防災システム、災害情報管理システム、安否確認・緊急速報サービス)、情報セキュリティソリューション(情報セキュリティツール(製品)、情報セキュリティコンサルティング・診断、情報セキュリティ構築、情報セキュリティ運用監視・保守)を指す。

【図表:危機管理ソリューションのサービス内容】

危機管理ソリューションのサービス内容

矢野経済研究所作成

市場予測~東京オリンピック・パラリンピックを控え、サイバーテロ攻撃対策強化がさらに進む

  • 2017年度以降は、時間の経過とともに災害に対する危機意識が薄れていくことや、主だった企業が対策を完了済みであること、またクラウド型サービスの登場によるサービス単価の下落などがあるため、危機管理ソリューション市場の伸びは鈍化していく見通しである。
  • 但し、事業継続ソリューション市場では、首都直下地震や南海トラフ地震などに備え、事業継続対策に新たに取り組む企業があること、また、既に事業継続対策を完了済みの企業でも、新たなリスクに備えてBCPの見直しに取り組む企業が出てくることが想定され、さらに計画策定後の継続的な運用や訓練などのBCPコンサルティング需要も増えると考える。
  • 防災ソリューション市場では、今後も政府や地方自治体による導入済の各システムの見直しや高度化・高機能化は定期的に進められていくと予測する。
  • 情報セキュリティソリューション市場では、近年のサイバーテロ攻撃による情報漏洩被害の増加やマイナンバー制度の導入などから、情報セキュリティ対策を重要な経営課題として位置付ける企業や地方自治体が増加しているため、これに伴い情報セキュリティ対策への投資が増加すると考える。また、2020年の東京オリンピック・パラリンピックを控え、インフラ事業者及び関連組織、地方自治体などで、情報セキュリティ対策の強化やサイバーテロ攻撃を受けた場合の復旧時間の短縮に向けた取り組みが加速されていくと推測する。
  • 国内の危機管理(事業継続/防災/情報セキュリティ)ソリューション市場(事業者売上高ベース)は、2015年度から2021年度まで年平均成長率(CAGR)3.9%で推移し2021年度には、1兆632億円に達すると予測する。
調査要綱

調査期間:2017年1月~3月
調査対象:危機管理ソリューション提供事業者(IT事業者、通信事業者、セキュリティソフトウェアメーカー、コンサルティング事業者、シンクタンク、警備会社等)
調査方法:当社専門研究員による直接面談、電話・e メールによる取材、ならびに文献調査を併用

※危機管理ソリューションとは〉:本調査における危機管理ソリューションとは、事業継続ソリューション(BCP コンサルティング、DR [災害復旧]ソリューション)、防災ソリューション(防災行政無線システム、消防指令システム、総合防災システム、災害情報管理システム、安否確認・緊急速報サービス)、情報セキュリティソリューション(情報セキュリティツール(製品)、情報セキュリティコンサルティング・診断、情報セキュリティ構築、情報セキュリティ運用監視・保守)を指す。
それぞれのサービス内容については、【図表:危機管理ソリューションのサービス内容】を参照。

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