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レポートサマリー

2016.09.01
国内クラウドファンディング市場の調査を実施(2016年)

担当者:白倉 和弘

国内クラウドファンディングの市場規模は拡大基調

国内クラウドファンディングの市場環境

クラウドファンディングは、米国発祥のサービスと言われ、「Crowd」(=群衆)と「Funding」(=資金調達)を掛け合わせた造語で、資金を必要とするプロジェクト等がインターネットを介して不特定多数の人々から比較的少額な資金を幅広く調達する手段を意味する。
海外では、既に大きな市場を形成しているようだが、日本では、2001年に初めてクラウドファンディングのサービスが提供された。その後、東日本大震災を契機に、2011年以降、寄付を募るプロジェクトから認知が進み、社会貢献性や共感性の高いプロジェクトが多数起案されてきたことを背景に本格的な展開となった。
また2008年には、クラウドファンディングと類似のビジネスモデルで資金貸付を行なうソーシャルレンディングと呼ばれるサービスも始まった。

現下、国内クラウドファンディング市場は「寄付型」、「購入型」、「投資型(ファンド型)」、ソーシャルレンディングの「貸付型」サービスにより構成される。なお、2015年5月には、新規・成長企業へのリスクマネーの円滑な供給に資することを目的として、非上場株式の発行を通じた資金調達を行なうための制度として「株式(投資)型」が創設されたが、現状ではサービス提供がなされていない。
本調査結果によると、2015年7月末時点におけるクラウドファンディングを扱う企業数は100社程度であったが、2016年6月末時点では140社程度に増加した。主に独自にウェブサイトを開設している専業事業者のASP利用やクラウドファンディングの手法を用いた小口投資として地方創生に貢献できる仕組みを取込み、活性化を図ろうと地方自治体の他、行政や一般事業会社もウェブサイトを立ち上げ、地方での利用拡大を進めている。
そんな中、クラウドファンディングは単なる資金調達の場から、テストマーケティング、販促活動としての活用効果に加え、その後の事業拡大のための継続利用も顕在化しつつある。
こうした動きに合わせ、サイト運営事業者側でも、プロジェクトの達成を支援する動きとして、当該プロジェクトの注目を集めやすいように、ウェブサイト内の構成や見せ方を工夫し、グループ会社や他社との提携によって積極的にメディアを利用した情報発信を始めた。また、超低金利時代からマイナス金利の時代に突入し、貸付型でも好利回りを求めて支援者(投資者)が増加している。

国内クラウドファンディングの市場概況と予測

本調査では年間の新規プロジェクトに対する支援額を市場規模として算出した。
2015年度の国内のクラウドファンディング市場規模は、新規プロジェクト支援額ベースで、前年度比68.1%増の363億3,400万円であった。類型 別では、購入型が約32億円、寄付型が約1億円、投資型(ファンド型)が約6億円、貸付型が約322億円と推計した。最も規模が大きい類型は貸付型で、全 体の88.7%を占め、市場拡大に大きく貢献している。次いで、購入型は参入企業数が最も多いが支援額ベースでは9.0%である。寄付型は年度によって増 減があるが数億円規模で推移しており、年を追うごとに規模が増加傾向にある。投資型(ファンド型)では、大型案件が達成されると大幅に増加し年間の増減が 著しいものの平均的に6億円規模で安定的に推移している。

【図表:国内クラウドファンディングの新規プロジェクト支援額(市場規模)推移】

国内クラウドファンディングの新規プロジェクト支援額(市場規模)推移

矢野経済研究所推計

注: 年間の新規プロジェクト支援額ベース
注:2016年度は見込値

【図表:2015年度の国内クラウドファンディングにおける類型別構成比】

2015年度の国内クラウドファンディングにおける類型別構成比

矢野経済研究所推計

注:年間の新規プロジェクト支援額ベース

2016年度の国内のクラウドファンディング市場規模は前年度比で31.5%増の477億8,700万円を見込む。購入型は約58億円(同81.3%増)、寄付型は約4億円(同300.0%増)、ファンド型は新たな組成を見込み約10億円(同66.7%増)、貸付型は約404億円(同25.5%増)の見込みである。
購入型においては、手数料の引き下げ効果、認知度の高まり、共感性の高いプロジェクト起案の増加等から、成立件数も増加している。加えて、数千万円台~1億円規模の大型プロジェクトも成立する事例が増え始めている。
また、貸付型においても、マイナンバー届出が必須となった影響により、開設口座数が鈍化しているといわれるが、依然として拡大基調にある。

調査要綱

調査期間:2016年5月~6月
調査対象:クラウドファンディング運営企業、利用企業等
調査方法:当社専門研究員による直接面談、ならびに電話・e-mail等によるヒアリングを併用

※クラウドファンディングとは:本調査におけるクラウドファンディングとは、資金を必要とするプロジェクト等がインターネットを介して不特定多数の人々から比較的少額な資金を調達する手段で、「購入型」、「寄付型」、「投資型(ファンド型)」、「貸付型(ソーシャルレンディング)」、「株式(投資)型」を対象とする。また年間の新規プロジェクト支援額を市場規模として算出した。

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