矢野経済研究所 ICT・金融ユニット

Daily column

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2024
【アナリストオピニオン】国内IPカメラ市場:カメラの「コト売り」は流通チャネルを変化させるか?③
IPカメラの国内流通チャネル 前述したように、カメラの用途は多様化している。しかし、IPカメラのメーカーから一次卸ベンダにかけての国内流通チャネルに大きな変化はない。一次卸ベンダは、取り扱うカメラの特徴をよく理解し、商品についてメーカーと同等の知識をもって販売していることが多い。中には、卸した機器の検証をし、満足したものしか出さない、というベンダもある。そのくらい、特定のメーカーの商品に力を入れて販売している。そのため、一次卸ベンダはあれもこれも、といったように、簡単に他のメーカーのカメラを取り扱うのは難しいだろう。そのため、IPカメラの国内流通チャネルは、今後も大きく変化せず、平行線となると予測する。 一方で、一次卸ベンダ以降の販売先としては、警備会社や商社、取り付けを行う電気設備の工事業者など多岐に渡り、それぞれの販売先に沿った提案をしている。そうした観点でみると、一次卸ベンダ以降のチャネル構造に関しては、販売先の意向や需要の変化によって変わることも考えられる。特に近年は、IPカメラの用途が多角化し、防犯カメラとしての使い方だけではなく、画像解析ツールを利用した業務効率化としての用途もユーザに浸透してきている。そうした背景から、ユーザの欲しがるものが変わってくる可能性は十分にあるだろう。(山内 翔平) ※全文は以下よりご覧いただけます。 https://www.yanoict.com/opinion/show/id/406
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2024
【アナリストオピニオン】国内IPカメラ市場:カメラの「コト売り」は流通チャネルを変化させるか?②
AIを活用した画像解析ツールの浸透 上記のように、防犯目的以外のところでの活用が進んでいる背景として、AIを活用した画像解析ツールの浸透があるだろう。カメラを人の目と考え、人が行っていた仕事をカメラと連携したAIが行い、人手不足を解消させるといった活用方法をもって、適用現場が増加している。さらに、AIカメラを導入することで、客観的なデータを蓄積させるといったような、マーケティングにも活用することができる。このような点は、人の感覚や経験といった曖昧なものではなく、AIを使った情報収集によって、業務効率化にも役立てることができる。 また、以前は導入コストなどの兼ね合いから、ユーザは大企業が中心だったが、中小企業からの需要も増加しているという。クラウドカメラを活用したサブスクリプションサービスなどを利用することで、初期費用を抑えつつ、無理のない月額利用料金でソリューションを導入することができるといったように、導入のハードルが下がっていることが要因として挙げられる。近年では価格の安い海外メーカーが国内でもシェアを伸ばしていることで、ハードそのものが安く手に入ることも大きく寄与しているだろう。 他の産業にも見られるように、「モノ売り」から「コト売り」のビジネスモデルが主流となっている。例えば、クラウド録画型映像プラットフォーム「Safie」を開発・運営するセーフィーは、2023年5月にウェアラブル端末の新機種「Safie Pocket2 Plus」の提供を開始したり、同年8月にパトライト社の報知機器との連携を開始するなど、積極的に事業を展開している。業績をみても、売上高ベースで前年比127.7%と伸長しており、市場の需要が高いことがわかる。(山内 翔平) ※全文は以下よりご覧いただけます。 https://www.yanoict.com/opinion/show/id/406
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2024
【アナリストオピニオン】国内IPカメラ市場:カメラの「コト売り」は流通チャネルを変化させるか?①
IPカメラの国内市場 IPカメラ(ネットワークカメラ) とは、カメラの内部にコンピューターが内蔵され、1台ごとにIPアドレスが割り振られているカメラのことである。スマートフォンやPCを通して録画データの確認や、リアルタイムでの視聴ができる。また、前述の通りカメラ本体にIPアドレスが振られているため、PCなどを経由せずとも、単体でインターネットに接続が可能となっている。従来のアナログカメラが映像用同軸ケーブル、音声用ケーブル、制御信号用ケーブルなどが必要であるのに対し、IPカメラはLANケーブル1本ですべての通信ができる。さらに、PoE(Power over Ethernet)を利用すれば、電源供給とインターネット接続が同時に可能となるため、電源ケーブルも不要となる。 このように、煩雑な接続から解放されるだけでなく、映像も綺麗で、遠隔でも映像を見ることができるIPカメラは、世界だけでなく日本でも市場が拡大し続けている。 矢野経済研究所では、「 2023 ネットワークカメラの国内流通チャネル動向調査~メーカーおよび一次卸ベンダ編~ 」において、IPカメラの国内市場規模推移予測を発表している。同調査では、2023年度におけるIPカメラの国内出荷台数見込を112万3,000台(前年度比107.3%)と推計し、2026年度には136万台を予測する。従来の防犯目的としての設置だけでなく、多くの企業がコロナ禍で非接触・非対面の新しい生活様式に対応できるソリューションを必要としたことや、現場のDXを推し進めるため、省人化や無人化を実現するソリューションの需要も高まった。それを解決するためのものとして、カメラの導入数が拡大している。例えば、建設現場での進捗管理や見回りなど、普通は現場監督が現場に訪問し、目視での確認をするが、カメラを活用することで、実際に訪問せずとも遠隔での管理や監視が可能になり、業務の効率化を図ることができる。このように、人のリソースをできるだけかけずに、課題解決を導くツールとしてカメラを活用するケースはアフターコロナと称される2024年現在でも需要が高く、市場成長の大きな要因の1つといえる。(山内 翔平) ※全文は以下よりご覧いただけます。 https://www.yanoict.com/opinion/show/id/406   【図表:IPネットワークカメラの国内市場規模推移(2021~2025年度予測/台数)】  

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