矢野経済研究所 ICT・金融ユニット

Daily column

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2024
活性化するパートナープログラム Salesforceの新たな取組み②
Salesforceが展開する新たなパートナープログラム 2024年4月にセールスフォース・ジャパン(以下、Salesforce)は新たなパートナープログラムを追加した。これまでSalesforceが提供するパートナープログラムは大きく分けて、コンサルティングパートナーとISV(AppExchange)パートナーの2種類だったが、今年度からは新たにOSP(アウトソーシングサービスプロバイダー)パートナーが追加された。 従来のコンサルティングパートナーは、ユーザ企業がSalesforceのライセンスを購入し、パートナー企業がその導入や定着を支援する形態だった。それに対し、今回新たに追加されたOSPパートナープログラムでは、パートナー企業がSalesforceのライセンスを購入することになる。そのため、パートナー企業は自社が有する業界・業務ノウハウとSalesforceの各種サービスを組み合わせたアウトソーシングサービスを、as a Service型で提供できるようになった。これにより、パートナー企業は業務オペレーションの設計からITソリューションの導入工程など、ユーザ企業のビジネスに深く関わることになり、アウトソーシングの成果を最大限に発揮しやすい環境を構築することができる。つまり、自社に強みのある領域で、自社の事業に適したSalesforce製品を活用したサービスを展開できるようになった。 他方、ユーザ企業はSalesforceを活用したオペレーションサービスによる業務改革やDXの実現も期待できるほか、ファイナンス面でもIT資産を持たないことでのオフバランス化やキャッシュアウトの柔軟性が向上するなどのメリットが見込める。 すでに米国ではOSPパートナープログラムは提供されており、昨年度より国内でも一部で試験的に進められてきた。米国の小売業での事例では、Commerce CloudやMuleSoftなどのサービスを活用して、コンタクトセンターを含めたEC事業のアウトソーシングを実施しているという。今後はコンタクトセンターのアウトソーシング事業者をはじめ、各種アウトソーシング事業者やコンサルティング事業者などのパートナー加入が見込まれる。(宮村 優作) https://www.yanoict.com/opinion/show/id/407
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2024
活性化するパートナープログラム Salesforceの新たな取組み①
パートナー企業への支援が活発化 クラウドサービスを提供する事業者において、自社サービスの普及やエコシステムの拡大を目的に、パートナープログラムの見直しや拡充の動きが活発化している。 エコシステムの中核となるパートナープログラムでは、サービスの導入や運用を支援するコンサルティング型や販売の取次や割引価格で再販するリセール型、該当サービスを活用した独自アプリケーションの開発を行うISV型など、各事業者が様々な形態で制度化している。 クラウドサービス事業者は自社で営業リソースを有している場合もあるが、アプローチ可能なマーケットは広く、自社のみですべてのユーザに製品・サービスを届けることは難しい。そのため、自社サービスの導入を促し、また利用の拡大につながる支援ができるパートナーの存在が不可欠となる。 また最近は、パートナー企業のビジネス成長に主眼を置き、パートナープログラムを展開する潮流もある。営業や技術的なサポートのほかに、支援を求めるユーザから選ばれやすくなるようパートナー検索サイトを用意するなど施策を展開している。 なかでも、多くの事業者が注力しているパートナー企業への支援施策が人材育成である。クラウドサービス事業者は自社サービスの認定資格制度を整え、それらの学習コンテンツや実践的な取組みを通じて、スキルの高い人材を市場全体で増やそうとしている。特にパートナー企業向けには、通常有償で提供される学習コンテンツの無償提供や、パートナー企業専用の勉強会を開催するなど、手厚い育成プログラムを提供する。パートナー企業としても、該当サービスに知見やスキルのある人材が増えることで、手掛けられるビジネスの数や領域が拡大し、対外的な人材の厚さのアピールにつながる。 なお、認定資格は技術者のキャリアの観点でも有用である。高難度の資格や複数サービスの資格を取得することで、優位に転職やキャリアアップにつなげることができるため、取得意欲の高い技術者が多い。 以下ではSalesforceが2024年4月より実施するパートナープログラムと新たな取り組みについて言及する。(宮村 優作) https://www.yanoict.com/opinion/show/id/407

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